巻頭特集

2号連続グルメ特集後編 秋冬の味覚は すぐそこに


甘い香りで季節を感じて
素朴でおいしいフルーツパイ

アメリカでは秋といえば、リンゴやカボチャなどを用いたフルーツパイが、かかせない。忙しくて手作りができなくても、家庭の味を食べてみたい! という人には、ローワー・イーストサイドの「ピティーズ・パイ・カンパニー」がオススメ。言わずとしれた人気の店だ。

一際目を引く、大きな「PIE」の看板に反して、店内は非常に小ぢんまりとしている。甘くて芳醇(ほうじゅん)なフルーツの香りで満たされていて、足を踏み入れるだけでワクワク。木製カウンターがどことなくレトレロで、かわいらしい。

正統派アメリカンパイ

店主のピティーことペトラさんは、バージニア州でパイ専門店を開いていた両親からパイ作りの極意を受け継ぎ、当地に2014年に店をオープン。自然由来の材料と、地元ニューヨークを中心とした食材を使うことにこだわっている。評判のほろほろと崩れる生地は、オーガニックの小麦粉とニューヨーク州産のバターで出来ている。ビーガン対応のパイもあるそうだ。

強弱つけた甘さがカギ

今回の取材時のアップルパイは、ハドソンバレー産のリンゴを使用。スパイスと煮詰めた、素朴でさっぱりとしたリンゴは、日本人が好む甘さだ。温めてから、トッピングにバニラアイス(別料金、こちらも同店手製)を乗せれば、アメリカ人の「母の味」の完成!


そして同じく秋が旬のピーカンは、ブラウンシュガーとハチミツを使った濃厚な甘みが特徴。サクサクのピーカンの香りが豊かで、食べ応えも抜群だ。


その他にもチェリーやバナナ、レモンといった各種フルーツパイが充実。気さくな店員の対応も相まって、客足が絶えない。

平日は深夜まで営業している(ブルックリン店はウェブ参照)ので、近くでディナーを楽しんだ後に、立ち寄ってみてはいかが? 店内はカウンター約4席。

 

 

Petee’s Pie Company

peteespie.com
Lower East Side
61 Delancey St.
地下鉄J、Zラインのバワリー駅から徒歩3分
Brooklyn
505 Myrtle Ave., Brooklyn
Gラインのクラッソンアベニュー駅から徒歩10分

 

 

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