心と体のメンテナンス

テーマ ◆ エネルギーバンパイアとその対策(前編)

狙われやすい「エンパス」
気力を奪われ心身不調に

 

Q.「エネルギーバンパイア」とは、どんな人ですか?

A.

その名の通り、他人のエネルギー(生命力や気力など)を“吸い取る人”のことです。明るくて話がおもしろく、カリスマ性もあるなど、エネルギーバンパイアは一見して魅力的な人物ですが、長時間一緒にいるとどうも体調が悪くなったり、異常に疲れたりします。

エネルギーを抜き取られた人は、次第に心身のバランスを崩し、気付かないうちにエネルギーバンパイアに操られている可能性があります。

 

Q.エネルギーバンパイアの特徴は?

A.

同じエネルギーバンパイアでも、特徴やその程度は人によって異なります。人前で清廉潔白を装い、裏で隠れて嘘をつくような「少し付き合いにくい人・嫌な人」もいれば、人格障害(常識から外れた偏った反応や行動をとる)などの精神障害や精神疾患の診断を受け、専門家の治療が必要な人もいます(表参照)。

一般的な例ですが、反社会性人格障害の場合、嘘や違法行為を平気で行い、本人に罪悪感はありません。口がうまく愛嬌があり、嘘で人の関心を引きます。また自己愛性人格障害の人は、権力や成功を渇望し、自分は周囲の人よりも優れていると信じ込み、それを他人に誇示して認めさせようとします。どちらのケースも、エネルギーバンパイアは感情の変化が激しく、周囲の人は振り回されてしまいます。

アメリカではエネルギーバンパイアは身近な存在として認識されており、程度の差こそあれ、5人に1人に何らかの傾向があるといわれています。

 

Q.「エンパス」とはどういう人ですか?

A.

繊細で勘が鋭く、他人のエネルギーや感情を自分のことのように察して共感する人たちです。例えば怒っている人が周囲にいると、なぜか自分も怒りを覚えます。エネルギーバンパイアと対で語られることが多く、他人に共感(empathy)する力が強いことから、エンパス(empath)と呼ばれるようになりました。

エンパスは他人の気持ちを思いやるあまり本当の自分を押し殺し、他人や社会に合わせて生きることが多々あります。また、自分の健康や幸せを犠牲にしてでも、他人を助けようとする傾向も。見返りを期待せず、感情的、物理的、金銭的に多大な支援を与え、それを受け取ってもらうことで自分の存在価値を見出します。ほかにもエンパスには、他人との関係からなかなか抜け出せない、自分に厳し過ぎる、などの特徴があります。

 

Q.エネルギーバンパイアとエンパスの関係は?

A.

エンパスは、どんな人でも心の中には良いところがあり、自分の愛の力で心身が病んでいる人も助けることができると信じています。そのような“良いエネルギー”を好んで吸い取るエネルギーバンパイアにとって、エンパスは格好の標的です。

エネルギーバンパイアは、エンパスが抱える「心の傷」を察知し、それを利用してエンパスを操ろうとします。夫の家庭内暴力(DV)に悩んでいた女性のケースを例に説明しましょう。この女性は子供のころから親の愛に飢えており、それに気付いた夫は言葉を巧みに使って愛情を表現し、女性の信頼を勝ち取ります。

しかし、女性が心のガードを下げたとたんに、夫はそれにつけこんだのです。「一人だと何もできない」など、劣等感を植えつける言葉と暴力で女性を圧倒し、思い通りに支配しようとしました。女性が逃げようとすると、今度は甘い言葉で引き留めます。

一般的に、エネルギーを吸い取られたエンパスは、ストレスから体調を崩し、疲労、不眠、体重増加、頭痛、関節炎、糖尿病、消化器系や免疫系、心臓の問題、心的外傷後ストレス障害(PTSD)など、心身にさまざまな症状が現れます。しかし、エンパスは自分の愛で他人を救えると信じているので、この女性も夫はいずれ更生するとの思いから、不健全な関係から本気で抜け出そうとしませんでした。

エネルギーバンパイアは自分に非はないと思っているので、残念ながら変わることはありません。この事実に気付くことが、負の連鎖から抜け出す第一歩となります。

※次回は、エネルギーバンパイア対策と催眠法についてお聞きします。

 

 

 

中根真理子さん 
Mariko Nakane

米国催眠士協会(National Guilt for Hypnotists)認定催眠士(ヒプノティスト)/講師。
願望達成、悪癖修正、セルフエスティーム向上、人間関係改善、禁煙、ダイエット、
ストレス解消、健康維持、不妊対策と妊娠準備など。
定期的にヒプノティスト養成講座、幼児向けマインドフルネス/土曜日日本語教室を開催。
国際レイキ・トレーニングセンター認定レイキマスター。

Mariko Nakane

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