ドクターベルモンテが教えるウェルネス道

頭痛の緩和法いろいろ(後編) カイロとストレッチ

頭痛の緩和法いろいろ(後編)カイロとストレッチ

(Vol.30)

現代に生きる老若男女が健康でいるための生活のポイントを、カイロプラクターのドクターベルモンテが教えてくれる連載。


頭痛改善は姿勢から頚椎は緩やかカーブ

先月は、カイロプラクティックによる頭痛の治療と、理学療法士による首・肩のストレッチを紹介しました。今月は、頭痛の原因にもなるストレートネックと、姿勢についてです。

怖いストレートネック

カイロプラクターの立場から言うと、頭痛予防の最大のポイントは姿勢です。良い姿勢を心掛け、実践することは、腰痛や肩凝りなど全身の健康維持のポイントです。そしてこと頭痛に関しては、無意識に悪い姿勢を続けることが直接の原因になることがあります。ズバリ言うと、ストレートネックです。

 

人間の脊柱は、首→胸部→腰とS字状に緩やかにカーブすることで、ちょっとした衝撃を吸収して〝しなる〟ように形成されています。それによって怪我を防ぐのです。生まれてすぐの赤ちゃんは、体が前に丸まっているので脊柱はC字状。首が座る頃には、首の部分からカーブが増えていき、ハイハイを始め、立って歩くようになると脊柱がS字状に発達していきます。ちなみに、ハイハイをするときの赤ちゃんは首をグッと上に持ち上げますよね。あれは脊柱のS字状カーブの形成に大変重要な役割を果たしています。

そして問題は成長期の子供時代から始まります。現代はビデオゲームやスマホ、学業でのコンピューターと、子供たちの毎日は首を前に突き出す姿勢を続ける生活です。そうすると、本来は緩いカーブを保っている首の骨(頸椎)が、文字通り真っ直ぐ(ストレート)になって、もとのS字状に戻らなくなってしまうのです。大人も然り。最近は歩きスマホをする人が多いこと。あれは危険ですし、ストレートネックを悪化させるので、やめてほしいです。

なぜストレートネックがダメかというと、重い頭が常に前のめりになった状態になるので、首周りの筋肉が緊張し、固まってしまいます。S字カーブが失われた状態では首への衝撃を吸収できず、さらに筋肉が固まるという悪循環に。そしてそれが肩の凝りや首の痛み、ひいては頭痛を引き起こすのです。

カイロプラクティックでは、この首の骨を含む脊柱の自然なカーブを復元する治療を行います。以前にも書きましたが、このストレートネックの予防・早期治療という観点から、成長期の子供のカイロプラクティック健診と治療は、大変重要です。これを語り始めるとシリーズものになってしまうので、今回は割愛しますが、親御さんはこのことを肝に銘じてほしいと思います。

正しい座り方とは?

まずは椅子に座るときの姿勢を意識することから始めましょう。

①お尻が椅子の背もたれにぴったり付くように、深く座ります。

②腰と背中を椅子の背もたれにつけて、背中全体が椅子に支えられていることを意識しましょう。事務用の椅子は、背骨がS字状にカーブしていることを考慮した構造になっているものがあるので、それらを使用すると良いでしょう。普通の椅子なら、背もたれと背骨の隙間を埋めるために、背中カーブサポーターを使うことをおすすめします。クッションなどでの代用も可能ですが、今はとても機能の高いサポーターがあるので、長時間座る場合は利用してほしいです。

③肩はリラックスさせて、胸骨を上に向けることを意識する。無理に胸を外らせるのではなく、意識するだけでオッケー。要は、前屈みにならないこと。

④耳から肩の線を、地面に対して垂直に。

⑤足の裏は全面を床につけること。高さを調節できない椅子なら、足の下にヨガブロックなど、適当な高さのものを置くなど、工夫してください。

頭痛予防は、姿勢の改善から始まります。

 

 

 

ジョン・J・ベルモンテ 先生
John J. Belmonte, DC

E. 53 Wellness院長。カイロプラクター(Doctor of Chiropractic)。全米カイロプラクティック協会会員、ゴルフPGAツアー・スポーツ医学チーム所属。アスリートのけがの治療、妊娠中の痛みの緩和、成長期の子供のカイロ治療も手掛ける。

E. 53 Wellness

211 E. 53rd St./TEL: 212-980-4211
e53wellnessnyc.com


今月の教訓!

「画面の位置、要チェック!」

現代に生きる我々にとって、コンピューターは必要不可欠。画面の位置を意識し、ストレートネックを防ぎ、頭痛を防ぎましょう。本文で説明した正しい姿勢で座り、目線が自然に真っ直ぐ届く先にコンピューター画面があるのが理想です。長時間のコンピューター作業なら、ラップトップはおすすめしません。モニターの位置を調整できるデスクトップを使いましょう。立って作業をするために、高さを調整できる机を試してみるのも一手です。

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