巻頭特集

【SDGs】今こそ、サステナブルな行動を!

NYはサステナブル先進都市!

世界の各都市でサステナブルな試みが行われているが、ニューヨーク市も大都市として、環境保護への取り組みを進めている。

ビル・デブラシオ市長は、2050年までにニューヨーク市の温室効果ガス排出量を80%削減するというロードマップを公表している。

また市内の大学や病院、名だたる一般企業が参加する「NYCカーボンチャレンジ」を発足。2025年までに50%以上の温室効果ガスを削減するという、自主的な取り組みを行うなど、市が民間を巻き込んでサステナブルな街づくりを目指している。

あの業界でも取り組みが

それに伴い、各分野での興味深い取り組みが増えてきているので、このページで紹介しておきたい。

ニューヨークらしいところでいえは、ファッション、アートの分野だ。市が主催する、セカンドハンド(古着)の服のみを使った「リファッション・ウィーク」が今年2月に開催された。環境負荷が高いといわれるファッション業界が、繊維廃棄物の削減を目的に協業している。

また、同じく市が運営する「マテリアルズ・フォー・ザ・アーツ」では、アートと環境のサステナブルな関係を持続させるため、教育機関と組み、埋め立てられるはずの廃棄物をアートに活用するワークショップなどを開催している。

環境問題に焦点を当てたスタートアップも多い。Eコマースやテクノロジーを駆使することで農業やごみ処理の効率化を、自然エネルギーを生み出すことで温室効果ガスの削減や節水、土地の効率的使用を、それぞれ目指している。


注目のプロジェクトをチェック

ReFashion Week NYC

ニューヨーク市がオーガナイズする、古着を利用して行うファッションウィーク。ランウェーショーに加え、衣服の交換、スタイリングセッションなどを行った。2020年度は、ビンテージストア「Threads of Habit」のキュレーターや、ファッションブランド「anne james new york」のデザイナーなどともコラボを果たした。ルックブックを見ても、とても古着の再利用には見えない、スタイリッシュなデザインが並ぶ。次回は、2021年2月に開催予定。

また年間20万トンもの衣服が埋め立てられるニューヨーク市の環境負荷を減らすために、市はユーザーに、着古した洋服を「DonateNYC」(nyc.gov/assets/donate/site)へ寄付するように勧めている。廃棄する代わりに再利用することで、多くのエネルギー、資源、お金が節約されると説明している。

 

ファッションショーには、普段からゼロウェーストやサステナブルファッションにフォーカスしたスタイリスト10人が参加。今年2月、スポンサーを務める「ブルックリン・アーミー・ターミナル・アネックス」で行われた

 

 

 

All photos by ReFashin Week NYC

refashionnyc.org


Package Free

ニューヨーク大学で環境学を学んでいたローレン・シンガーが2014年に創設。サステナブルへの近道であるパッケージフリー(包装なし)、およびプラスチックを使用しない商品を、Eコマースで販売している。中には、洗濯可能なオーガニックコットンを使用したトイレットペーパー(布)など、希少な商品もある。

商品はいずれも最低限のラッピングだけが施されていて、そのシンプルかつ無駄のないデザインにひかれる人も多い。

注目の「Zero Waste Kits」シリーズは、美容から旅行用品、女性の生理用品、カクテル制作グッズまで幅広くラインアップを用意。サブスクリプション(定期購買)サービスもあり、環境にもお財布にも優しい。

 

オンライン展開の他、ブルックリンのウィリアムズバーグに実店舗がある(パンデミックの影響で現在は閉鎖中)

 

ポイントカードサービスもあり、インスタグラムのフォローや商品レビュー、アカウント作成など、ポイント獲得方法は実に17種類。リターン顧客獲得に積極的だ

 

packagefreeshop.com

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