巻頭特集

NYCの飲食業の最新動向とは

パンデミック時の取材から約9カ月…
レストラン「つくし」今どうしてる?

ジャピオンはパンデミック中期とも言える昨年6月ごろ、ミッドタウンの日本料理店「つくし」に、店の現状を取材した。弁当のデリバリーなど新たな試みを家族一丸となって取り組んでいた同店。季節が1巡しかけた今、改めて、現在の経営状況を聞いた。

外食解禁はこれから?

「ほぼ家族経営だから成り立っている部分がありますね」と話すのは同店の真鍋裕子さん。定員の35%まで解禁された現在、実際に店を運ぶのは1日1、2組のみ。30分に1回の換気をはじめ、安全対策に力を入れているが、それでも外食をいまだに敬遠する風潮を実感しているという。

「アップステートだと定員の50%で営業していて、週末は結構混雑しているので、人が集まりやすいニューヨーク市内との認識の差を感じます」

2回目の助成金(PPP)を申請できたことと、店舗ビルのオーナーが家賃の金額に融通を利かせてくれていることも大きい。

従来はおまかせコース料理のみを取り扱う同店は、オーナーシェフの徳彦(のりひこ)さんが1人でキッチンを切り盛りしている。突然のデリバリーオーダーに対応しづらいので、アプリ各種での注文はなし。ただし、空き時間で対応しやすいラーメンなどのメニューを追加。

オーナーシェフの真鍋徳彦さんの腕が光る、家庭的な日本料理を提供する

 

冬の特別対応を振り返る

屋外営業中も苦労が絶えなかった同店。組み立てた屋根の強度や暖房器具の設置などには、事故防止のためのチェックが市から何度も入り、対応に四苦八苦。「あぶり焼きや鍋などのメニューを喜んでもらえたのですが、やはり寒いですからね」と、なかなか厳しかったことを明かす。

昨年末は初の、おせちの予約販売を行ったが、ここでは食材の品薄、あるいは取り扱い中止が目立った。休業する飲食店が増えるほど、流通する食品のバラエティーは減少し、発注が難しいという悪循環に。

苦労話が絶えない同店だが、常に明るい姿勢を崩さず、「できることをやっていくしかありません」と謙虚な姿勢を見せる。だからこそ、当地の日系人コミュニティーから温かい支援を受け続けているのだろう。

ソーシャルディスタンスを徹底して営業中

 

冬は鍋物も人気を博した。基本はお任せメニューで展開している

 

Tsukushi Restaurant

357 E. 50th St.
(bet. 1st & 2nd Aves.)
TEL: 212-599-8888


ニューヨークといえばフードボール

フードホール(food hall)とは?

昔ながらのショッピングセンターにある、さまざまな飲食店の出店ブースから商品を買って食べるあの空間を「フードコート」と呼ぶなら、フードホールはその進化系。単価は少々張るものの、食材や流通経路、シェフの経歴などにこだわっているのが特徴だ。また、食事スペースもモダンで洗練された居心地のいいホールが多い。

1.Urbanspace

ロンドンで1974年に創立以来、さまざまなフードマーケットビジネスを展開してきた会社。ニューヨークで最も大規模なフードホールの一つでもある。現在、ミッドタウンの2カ所が定員制限を設けながら営業再開。グランドセントラル駅の真裏の店舗は4月中に再開予定だ。ブロードウェーの屋外型ホール「ブロードウェーバイツ」は再開未定。ちなみに、ブライアントパークの「ホリデーショップス」もここの運営で、3月いっぱいまで延長営業中。

 

570 Lexington Ave.
152 W. 52nd St.
urbanspacenyc.com


2. DeKalb Market Hall

ダウンタウン・ブルックリンのショッピングモールの地下にあるデカルブ・マーケット・ホールは、それぞれの店のブースがフロア内に点在しており、歩き回る食のアミューズメントパークのような華やかさが楽しい。「カッツ・デリカテッセン」がフードホールを初出店したのもここだ。ワイナリーやアイスクリームをはじめ、ブルックリン発祥のレストランやブランドが多い。現在、人数制限を行いながら営業中。

445 Albee Square West, Brooklyn,
NY 11201

dekalbmarkethall.com


3.Turnstyle Underground Market

地下鉄のコロンバスサークル駅の改札前で展開される、地下型フードホール。フード、アクセサリー、雑貨、美容院など、さまざまなベンダーが一堂に会する利便性の良さが魅力だ。ピエロギ、パエリア、ハンバーガー、フレッシュジュースなど、多岐にわたるジャンルのベンダーが入っている。地下なので、景観が微妙なところはご愛嬌!

 

59th St-Columbus Circle station
turn-style.com


4.Canal Street Market

チャイナタウンの文化と活気をそのままフードホールに反映したのがこちらのマーケット。規模こそ前述の三つには負けるが、韓国風メキシカン、トンカツ、タピオカなど、他のフードホールとは一線を画する、アジアベースの料理をそろえている。併設するフリーマーケットにも、若手アーティストらのセンスあふれる小物などがずらり。

265 Canal St.
canalstreet.market


久々の外出は食い倒れ? 
近日開催予定フードイベン

  • 43毎週土曜日

Bronx Night Market
屋外/入場無料
thebronxnightmarket.com

  • 410

Hoboken Mac & Cheese Festival
参加店舗内/有料
hobokenhappyhours.com

  • 421

Brisket King NYC 2021
屋外/$55〜
brisketking.com

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