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「抽選永住権プログラム」の応募期間は、毎年10月からスタート。今年度の実施に先駆けて、今号は例年の大まかな流れを確認する。申請内容はごくシンプルだが、記入ミスは後で訂正できないので、注意して進めよう。
Q. 抽選永住権プログラムとは? またその目的は?
A.
英語での正式名は「ダイバーシティー・ビザ・プログラム(Diversity VISA Program)」。さまざまな国からのアメリカへの移民を促進するもので、毎年この時期に実施されます。今年の場合、略称は「DV—2021」。俗に「グリーンカードロッタリー」ともいわれます。
過去5年間でアメリカへの移民(永住権取得者数)が少ない約50カ国を対象に、5万5000人に永住権が発給されます。日本もこのプログラムの対象国です。応募はオンラインのみ。
なお、今回は例年(DV—2020まで)の応募要項を踏まえて紹介しますが、今年度分の応募要項には、10月までに変更が加わる可能性があります。各自で最新情報を確認してください。
Q. 応募要項を教えてください。
A.
例年、10月初頭から11月初頭までに、国務省のウェブサイト(dvlottery.state.gov)から応募します。応募資格は次の三つです。
①応募者本人か、その配偶者、または親がプログラム対象国の国民であること。例えば夫婦の場合、どちらか日本人であれば、もう一方がプログラム対象国以外の出身でも、2人で別々に応募することができます。
②高校卒業か、またはそれと同等の資格を持つこと(12年間学校に行っていること)。学歴が十分でない場合は、過去5年間で、2年以上の職業研修を必要とする専門職に従事した経験があれば、応募資格を満たします。年齢制限はありませんが、学歴・職歴を考慮すると、18歳以上が対象になるということです。
③すでに米国内在住者であれば、有効なビザ(学生ビザや労働ビザなど)を有する者であること。もちろん、日本在住の日本人でも応募できます。
そして、6カ月以内に撮影したデジタル写真を添付すること。パスポートサイズですが、全体の写真に顔が占める割合や、目の高さ、背景の色、服装などに細かい規定がありますので、応募サイトで確認してください。
Q. エントリーフォームに入力する際、気を付けることは?
A.
1人1回のみ応募でき、2回行うとその時点で失格になります。また、記入漏れや記入ミスがあるまま次のページに進むと、修正しようと思っても前のページに戻ることはできないので要注意です。昨年の応募に使った写真を流用しても、その応募は無効とみなされます。
応募が完了すると、「コンファーメーションナンバー」がもらえます。何らかの理由でこの番号が取得できない場合にのみ、もう一度応募プロセスを行ってください。この番号は、当選発表の時に表示されるので、それまで大切に保管します。
応募自体はごくシンプルで、10分もあれば自分で簡単にできます。
Q. 家族で応募する場合の注意点は?
A.
夫婦の場合、それぞれが1回ずつ応募できるので、当選の可能性が2倍になります。それぞれがエントリーフォームを記入する際、子供(21歳以下で未婚)の名前を全員分記入してください。仮に家族全員が永住権を申請しない場合でも、全員分の氏名、年齢など、必要な情報を記入しなければなりません。
なお、親、兄弟のために永住権を申請することは、このプログラムの対象外となります。
Q. 当選発表は、どのように行われますか?
A.
翌年5月以降、応募と同じ国務省のウェブサイト上で行われます。政府から当選通知は届きません。各自確認する必要があります。5万5000人に永住ビザが発行されるといっても、プログラム当選時点ではそれより多くの人が選ばれます。当選しても実は受給資格がなかった人、途中で申請をやめる人がいるからです。
当選を確認したら、すぐに永住権申請の備に取り掛かりましょう。
〈おことわり〉
当社は記事内容に関して一切責任を負いかねます。詳細は各専門家にご相談ください。
エディット・ステルツナー弁護士
ハンガリーの首都ブダペストのELTE大学、ニューヨーク市のフォーダム大学法科大卒業。
在ニューヨーク米国ハンガリー商工会議所国際委員会委員。
米国への労働・移住ビザの他、米国での起業関連の法律を専門とする。
Law Office of Edit Stelczner
43 W. 43rd St., Suite 132
TEL: 212-859-5019
edit@stelcznerlaw.com
stelcznerlaw.com
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