コロナ禍で飲食店の入れ替わりが激しかったニューヨーク。パン屋においても新店が続々とオープンしている最近、こだわりのサワードウ生地のパンや個性的なクロワッサン、日本スタイルのサンドイッチなどが話題だ。今号では、2022年から今年にかけてオープンした注目のベーカリーを一挙紹介。
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自身も「TICレストラングループ」の代表を務める、同会代表の八木ボンさんが、意外と知られていない実情や課題などを教えてくれた。
Q. NY日本食レストラン協会(NYJRA)とは?
ニューヨークはここ数年、空前の日本食ブーム。カウンターでおまかせすしを食べるスタイルのレストランも続々と増えていて、飲食店を開業するために、日本から来米する人も少なくありません。
かつては、「レストラン日本」の創業者である倉岡伸欣(のぶよし)さんのように、日系コミュニティーと当地をつなぐような存在がいました。当地での日本の食文化を広める活動を再び円滑にするために、この非営利団体を設立しました。
設立が新型コロナウイルス感染拡大と重なったこともあり、現在の役割は、苦境に立たされている事業主への情報提供などです。
Q. 飲食店の事業主は、具体的にどういった困難に見舞われている?
やはり賃料をはじめとした経済的打撃は大きいですよね。大家との交渉も、日本人ではなかなか難しいことが多い。
中小企業を補助するPPPは、最初に発表されてから現在まで、その内容が変わってきています。現地団体が解説していることはありますが、日本語での情報共有は難しい実情がありました。
従業員のケアも、事業主にとっては重要ですね。給与支払いはもとより、一時解雇になった人の、失業保険の申請をサポートするのも大変。店舗に勤務している従業員には、公共交通機関を利用していることを配慮する必要があります。
Q. 今回のパンデミック対策で、日系レストランが直面している課題は何?
例えば、接触を懸念して料理人に手袋をするように義務付けている州もありますが、素手でシャリを握るすし職人などは、手袋の着用が難しい。
また、これは日本食だけに限りませんが、利用客のキャパシティーを50%に保つというのも、元々席数が少ないカウンターで営業する高級すし店では難しいですよね。
こういった日本食文化特有の障害は、ニューヨーク州・市政府に直接ロビー活動などを行っていく必要があります。ニューヨーク市ホスピタリティー・アライアンスと協業したことで、声が届きやすくなるのではないかと期待しています。
また感染拡大防止策として、現在、屋外での営業拡大が検討されています。しかしニューヨーク市内の店舗は敷地が狭く、なかなか拡大が難しいのも懸念事項ですね。
Q. ニューヨークという街にとって、日本食はどういった存在?
煮る、焼く、生で食べるといった幅広い調理方法が、ニューヨークにある他文化の料理に「広がり」をもたらしています。少し前まで、ダシといえば動物のものが主流でしたが、今ではコンブや魚介が受け入れられている。アメリカの食文化に、良い影響を与えていると思いますよ。
PPP(Paycheck Protection Plan)
従業員の給与、賃料、保険、公共料金などの支払いのために、一事業者あたり最大1000万ドルのローンを、米国中小企業庁(SBA)が提供する。窓口は各金融機関になっているのだが、4月に申請が殺到して上限額に達した際は、金融機関による対応の差が批判されることもあった。6月4日に関連した新法案が可決。
これにより、以降新たに承認されるものは返済期限が2年から5年に延長、再雇用の期日も6月30日から12月31日に延長されるなど、大きな変更が加えられた(参考=JETROニューヨーク/在ニューヨーク日本国総領事館)
NY Japanese Restaurant Association(NYJRA)
今年4月に発足した非営利団体。
「TICレストラングループ」のボン八木さんが代表を、その他市内の飲食店経営者らが理事を務める。メーリングリストの登録は下記参照。
nyjapaneserestaurant.org
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