巻頭特集

マリファナの基礎知識を身に付けよう

今年3月より、ニューヨーク州でマリファナの使用が合法化された。これにより今後免許保持者の自家栽培や許可された公共の場での吸引が可能になる。アメリカで拡大するマリファナ市場。注意点も含め、まずは正しい基礎知識を身に付けよう。(取材・文/菅礼子)


在米日本人の使用は注意を!
マリファナにおける正しい情報を把握しよう

 

 

今年2月にニュージャージー州、3月にニューヨーク州と、相次いで娯楽用マリファナの使用が合法となった。以前より両州は医療用のマリファナの使用は認められていたが、娯楽での使用が合法となったのは今回が初めてだ。すでにアメリカでは22州とコロンビア特別区で娯楽用の使用も含め合法化されており、全米に急速に広がっている。

調査会社Statistaによるマーケットサイズで見ると、カリフォルニア州が最大で、2022年までに77億ドルになると予想され、次いでワシントン州が27億ドル、コロラド州が25億ドルとなっている。コロラド州は12年に娯楽用マリファナの使用が認められ、州と自治体が一丸となって早い段階からマリファナ観光などをはじめ、ビジネスとしてマリファナ産業を拡大させてきた。

このようにマリファナをビジネス化させようという州が増える一方で、アメリカ連邦政府はマリファナを非合法としており、州と連邦政府との間に温度差が感じられる。

娯楽用大麻の合法化が決定し、現在整備を整えている状況のニューヨークやニュージャージーだが、依然、治安の悪化への不安などから合法化に反対する住民なども多いという。実際、娯楽用マリファナを街中で簡単に購入できるかというと、マンハッタンではまだショップを見つけることはできない。カリフォルニアのようにIDを持っていればマリファナを販売、購入できるライセンスは22年より発行されるようだ。医療用のクリニックなどは見かけるが、一般への流通までにはまだまだ時間がかかりそうだ。

合法州でも在米日本人の使用は基本的にNG?

とはいえニューヨーク州、ニュージャージー州が合法化したからといって、在米日本人が使用していいのかというのは別の話である。日本国籍を有する人は日本の法律に準拠する必要があり、注意喚起が呼び掛けられている。在ニューヨーク総領事館の担当者によると、「日本の厚生労働省が大麻乱用による心身への影響について注意を呼び掛けています。ニューヨーク、ニュージャージー各州の法律で定められた条件の下で娯楽用の大麻および大麻関連製品の栽培、製造、流通、輸送、販売などが開始されることが見込まれますが、先の理由から、在留邦人、および日本人旅行者においては大麻に手を出さないように喚起しています」とのこと。もし、マリファナに手を出したことが発見された場合の罰則を聞くと、「日本の大麻取締法のもとで大麻の栽培所持は禁止、海外においても在米邦人の大麻の栽培、所持が発見された場合は取り締まりが行われる可能性があります」との回答があり、使用には注意が必要といえる。

 

5thアベニューにあるMedMenは医療用マリファナを販売するショップ

関連記事

NYジャピオン 最新号

Vol. 1240

今年のセントパトリックデーはイル文化を探索しよう

3月17日(土)のセントパトリックデー(Saint Patrick’s Day。以下:聖パトリックデー)が近づくとニューヨークの街中が緑色の装飾で活気づく。一足先に春の芽吹きを感じさせるこの記念日は、アイルランドの血を引く人にとっては「盆暮れ」と同じくらい大事。大人も子供も大はしゃぎでパレード見物やアイリッシュパブに出かける。聖パトリックデーとアイルランド魂の真髄を紹介する。

Vol. 1238

どうする? 今年のサマーキャンプ

ニューヨークも少しずつ春めいてきた。そろそろ夏休みの計画が気になり始める。特にお子さんのいる家庭では「サマーキャンプ、どうする?」といった会話が食卓でも上るのではないだろうか? 大自然の中で思いっきり身体を使うお泊まりキャンプから、ニューヨーク特有のリソースを利用する市内のデイキャンプまで選択肢は山ほどある。どうやったら2カ月を超える長い夏休みを子どもが退屈せず、かつ、親のストレスなく過ごせるか? サマーキャンプ選びのヒントを集めてみた。