パフォーマー: 田中真夏さん

ニューヨークで奮闘する日本人たち。その新しい発想、夢に向かって走る姿は、私たちを常に刺激する。今、輝いている新人に熱い思いを語ってもらい、また推薦者からの応援メッセージも聞く。


—最初のパフォーマンスの記憶は何ですか?

3歳の頃、サーカス団のオオワシが大好きで、母の前で毎日「カカーッ」と鳴きながら、両腕をバタバタ動かしていました(笑)。12歳の時に「劇団四季」の舞台に憧れて児童劇団に入団し、ミュージカル公演にも出ていました。

その後、ニューヨークの大学に進んだ理由は?

私は1歳から6歳までアメリカで育ちました。日米どちらも好きなのですが、ダンスをしっかり勉強したかった。ニューヨークは常に新しい才能を探していて、チャンスもたくさんあるかと思い、選びました。

大学でのダンスクラスは何を学びましたか?

バレエ、モダン、ジャズなどの実技の他に、ダンスの歴史や解剖学、一般教養などがありました。舞台芸術が副専攻だったので、脚本の分析や演技、殺陣(たて)のクラスも取りました。

ただ2年生の時、「なぜ自分は芸術を勉強しているのか」という壁にぶつかり、その時「学生の枠にはまらずアーティストとして何かやればいい」という考えに変わりました。劇作家サミュエル・ベケットの作品にある、セリフが全くない芝居と、コンテンポラリーダンスを組み合わせた作品を作ったことをきっかけに、脚本、振り付け、デザインなど全て自分で手掛ける独自公演を始めました。

在学中すでに自分の道を切り開いたのですね。

おかげで卒業後、すぐに自分の道が決まって自立できました。ダンスを始めたのが18歳と遅かったので最初は焦りもありましたが、人と比べてもしょうがない、自分が満足できればいいのだと気付きました。

卒業後はダンスカンパニーに所属しつつ、芝居やモデルの仕事、ミュージックビデオに役者兼ダンサーとして出演したりと、パフォーマーとして活動しています。いろいろなことができる人材が生き延びられる業界だと思っています。

現在メインの活動は?

体験型シアター「ゼロスペース」の活動です。通常の劇は舞台の役者を観客が席から観ますが、体験型シアターは、役者と観客が体験をシェアしてやり取りできるのが魅力。4時間のショーの間、アドリブで演じっぱなし、喋りっぱなしです。観客が言ってくることに臨機応変に対応するのは快感ですが、理不尽なクレームをつける人もいるので、大変でもあります。

達成感を感じる時は?

所属するダンスカンパニーの仕事で、メンバー全員で作品のアイデアと振り付けを考えて演じたことがあります。志向も経験も意見も違う人たちが、協力して一つのものを作っていくプロセスには感動がありました。一人では生み出せないものをみんなで作るのは、一番の喜びです。

今後の目標は?

日本で劇団にいた頃の後輩たちに、何かできたらいいなという気持ちがずっとあります。私の言葉によって後輩が変わるきっかけになったり、励みになるような存在になりたいです。

 

 

田中真夏さん

ニューヨーク州立大学フレドニア校でダンスを専攻。
2019年卒業。体験型シアターやダンススタジオなどに所属。
アクター、モデルとしても活動。
Instagram: manatsu.tanaka


『新人の日常チェック!』
彼らは日常をどうやって過ごしているのか。仕事場、オフの姿を追う。

体験型シアター作品「Pansy Craze」に出演した時の様子。大変だが達成感のある仕事だ

 

Hard/Femme Dancesの作品「Disco biscuits」の演者と。さまざまなバックグラウンドの演者との出会いが、キャリアの広がりにつながる

 

プライベートでは、「The Muse Brooklyn」で、エアリアルパフォーマンスを練習中

 

 

 

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