ダンサー:中津川愛弥子さん

ニューヨークで奮闘する日本人たち。その新しい発想、夢に向かって走る姿は、私たちを常に刺激する。今、輝いている新人に熱い思いを語ってもらい、また推薦者からの応援メッセージも聞く。

——ダンスを始めたきっかけは?

 9歳の時、姉が背骨の病気の矯正のために入った、新体操の教室に一緒に行ったのが最初。その後、地元仙台の野球球団「東北楽天ゴールデンエンジェルス」のジュニア・チアリーダーとして活動を続けながら、同時期にジャズダンスと社交ダンスも学びました。

 中学2年の時にミュージカルスクールに入り、「ツアーズ 赤毛のアン」の全国キャストに選ばれました。この活動が楽しくて、舞台を続けたいと思いました。

 その後、ミュージカルの本場ニューヨークで、本格的にダンスと演劇を学ぼうと決意し、ニューヨーク州立大学フレドニア校に入学。在学中にジョン・レーラー・ダンスカンパニーのオーディションに合格し、今年1月から所属しています。

——中津川さんにとって、踊ることの意味は?

 私にとって、ダンスはすごく内部的な表現。言葉が使えない分、どう表現するかが重要になってきます。言葉で表現できないものをどう表現するかが、ダンスの深みです。技術だけでなく、もっと根本的な、中身を大切にした人間性が大事だと思います。

——ダンスをやめようと思ったことはありますか?

 大学1年の時、サマープログラムに参加した時に、全米から集まった人たちのハイレベルな踊りを見て、「こんなに才能のある人達がいるのに、なんで私はダンスをやっているのだろう」と落ち込み、壁にぶち当たってしまいました。

 精神も体も壊してしまい、ダンス学部を辞めたいと学部長に話したら、「ここまでやってきたんだから」と説得されました。私は本当にダンスをやっていきたいのかと考え続けた末に、「やっぱりやりたい」と確信しました。

 今は、私がここにいるのはダンスがあったからだと思うし、全部が学びのステップだと実感しています。

——では、ダンスが好きだと思う瞬間は?

 リハーサルやクラスで積み重ねてきたことを舞台の上で出せた瞬間も最高ですが、今は舞台上でしか味わえなかった幸福感が、練習中でも味わえるようになったのがうれしい。これをやりたい、こうしてみたいということができた時、ダンスが好きだと感じます。

 なぜダンスをやっているのか考えてみると、踊っているときの感覚や、踊りを通して表現できる喜びがあるからだと実感します。

——将来の目標は?

 自分に素直な生き方がしたい。自分が表現したいよう、生きたいようにやりたいので、できる限り踊り続けたいです。長期的なゴールとしては、経験を積んだ後、日本で私が経験したことを教えたいという気持ちもあります。

 米国以外のカンパニーでも、いろんな表現方法を学びたい。違う振付師とコラボしてみたいですし、振付師として活動もしているので、その立場からの表現もしていきたい。やりたいことだらけ。いろんなことに挑戦していきたいです。

推薦者の言葉

ジョン・レア・ダンスカンパニー 総合ディレクター、振付師

ジョン・レアさん

彼女のすさまじい成長を大学時代に目の当たりにし、カンパニーのメンバーとして迎えるまで、そう時間は掛かりませんでした。輝きを持った、素質のあるダンサーだと感じます。これからの成長を見られることを楽しみにしています。

 

 

中津川愛弥子(まみこ)さん
仙台市出身。
ニューヨーク州立大学フレドニア校でダンスとシアターアーツを学ぶ。
今年6月から、
Jon Lehrer Dance Companyで活動。
mamikonakatsugawa.com 

 


 

『新人の日常チェック!』
彼らは日常をどうやって過ごしているのか。仕事場、オフの姿を追う。

 

ツアーで訪れた、スミス・オペラハウスにて

 

10月19日に行ったニューヨーク公演は、満席。スタンディングオベーションを受けた

 

日本から来た幼なじみ、佐藤和季の個展の手伝い。色んなアートが好きで、美術館にもよく行くそう

 

 

 

 

 

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