古くて新しい、とっておきのブルックリンへ

日本人職人によるハイエンド家具 (古くて新しい、とっておきのブルックリンへ 049)

ブルックリンのガイドブックの著者、安部かすみが、本で書ききれなかったことや、お気に入りスポットを紹介します。「大切な友人に紹介するとしたら?」という目線で選んだとっておき。今週はレッドフックにある工房「Hachi Collections」です。


Hachi Collections(ハチ・コレクションズ)

在住日本人が一時期に比べて減ったといわれる昨今ですが、いるところにはいるものです。先日「こんなところで?」という場所で日本人に会いました。レッドフックの工房シェアリング・スタジオにて。

豊かさと繁栄が社名に

ここで家具デザイン&制作をしている、職人の飯田修也さん。2009年に来米し、12年に「Hachi Collections」というブランド名で活動開始しました。

「昔から絵や物作りが好きで、中学高校とアートを専攻し、専門学校では家具デザインを学びました。アーティストとして来米したけど、結局物作りの方に行ってしまいました」

社名になっている「Hachi」について、「数式で8は人の豊かさと繁栄を表す数字だそうです。日本だと『数字を使った会社は潰れる』という迷信を聞いたこともありますが、アメリカだから大丈夫かな、と」

宮大工としての経験も持つ同僚、登山享史(とやまたかふみ)さん。現在制作しているのは、マンハッタンにオープンするヘアサロンのキャビネット

 

ショールームも持つ

商品はどれも、木の温かみが伝わってくるような触り心地が良く、丸みを帯びたデザイン

が特徴です。インスピレーションはどこから? との問いに、飯田さんは、「グランドセントラル駅のように、釘を使わずれんがを積み上げてできた建築デザインや、イタリア文明館のように丸みのある宮殿建築が好きです」。

昨年発表したキャビネット「Standing Cabinet With Drawer “POLYNET”」は、インテリア雑誌『Interior Design』の「NYCxDESIGN賞」ファイナリストに選出されました。この作品も1枚板のカーブが特徴です。

クイーンズ・アストリアのラーメン店「Shuya Cafe de Ramen」が同社のショールームです。「年月経つと家具がどういう風合い

になるのか、実際に見ていただけます」と飯田さん(東京・銀座「Ginza Brasserie」も同社の作品)。高額なだけに、「実際に使って試せる」機会はありがたいですね。

ラーメン店「Shuya」も、てっきり飯田さんの経営かと思いきや、こちらは知り合いとのこと。「Shuyaさんがラーメン屋をしたいと言ってきた時、自分もちょうどショールームになる店を探していたので、タイミングが合いました!」

雑誌『Interior Design』の「NYCxDESIGN賞」ファイナリストに選出された、オーク製のキャビネット「Standing Cabinet With Drawer “POLYNET”」(8000ドル)

同社の家具が実際に使われているショールーム兼ラーメン店「Shuya Cafe De Ramen」。クイーンズにある

 

創業者で家具デザイナーの飯田修也さん

 

All Photos © Kasumi Abe

 

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