本場アメリカのブルワリー&ビア・バー巡り
米国にはブルワリーと呼ばれるクラフトビール醸造所が多く存在する。国内においてブルワリーの数は9,200以上(※1)、ニューヨーク州だけでも440以上あり、大手ビールメーカーにまで成長した醸造所もあれば、地元の人々に長年愛されているような小さな醸造所もある。そんなビールの歴史と奥深さを探求し、ニューヨークを中心に注目のブルワリー&ビアバー紹介していく。
(※1)アメリカ・ブルワーズ・アソシエーション調べ/www.brewersassociation.org
かつてアメリカ海軍の造船施設の拠点だったブルックリンネイビーヤード。現在は、新たなランドマークとして様々な企業のオフィスや、ミュージアム、飲食店などがある複合施設となっている。
そこに、ニューヨーク生まれのクラフトブルワリー「トランスミッター・ブルワリー」がある。オーナーのアンソニーさんとロブさんは、元々同じサイクリングチームの仲間で、お互い趣味であった自家製ビール作りが高じて、9年前に醸造所をオープンした。元々はクイーンズ区のプラスキー橋近くにあり、4年ほど前に現在の場所へ移転した。
「S4 Classic Saison」ホップの苦味をほのかに感じ酸味と甘味のバランスが後を引く美味しさ
「A5 Dark Strong Ale」ウィスキー樽で熟成させたベルギー・ストロング・エール。度数は9.1%もある
彼らのビールの魅力は、流行りと言われるIPAは作らず、クラシックなベルギースタイルのビールを丁寧に醸造していることだ。セゾンと呼ばれる、昔ベルギー南部で農家が作っていた自家用ビールや、樽の中で発酵させる熟成ビール、フルーティーなサワービアなどを中心に提供している。セゾンは、普段日本人には飲み慣れないであろう、やや酸味がきいてファンキーな味わいが特徴。しかし、同ブルワリーが作るセゾンはクリアで飲みやすく、後味にほどよい酸味を感じる程度でセゾン初心者でもあっという間に飲めてしまう。
メニューのアルファベットはビールのスタイルを表しているんだとか
なつかしのピンボールゲーム機。仕事帰りの大人たちがビールを飲みながらゲームで盛り上がる
常連客からは、「発酵のバランスが絶妙で飲みやすく、どんな食事とでも相性がいいんだよ」と評判だ。
「フェリー乗り場が近くて便利。これからのシーズンはフェリーに乗って是非足を運んでみて下さい!」とオーナーのアンソニーさん
Transmitter Brewing
141 Flushing Ave., Building 77, Brooklyn, NY 11205
TEL: 646-378-8529
beermenus.com/places/18166-transmitter-brewing