今年のバレンタインデーはどうする?
1年の中で2月は一番冷え込むニューヨーク。そんな2月にあるバレンタインデーはカップルにとって大事なイベントの一つだ。しかし、シングルの人にとってはどうだろうか。本号ではカップルや、いい出会いを待っている人、友達との時間を満喫したい人にとっても楽しめるバレンタイン情報をまとめてみた。
普段は知られざるアーティストの仕事現場や展示の舞台裏。今回スポットをあてるのは、松山スタジオで働く画家の藤本まり子さんと、キュレーター/プランナーの鉢迫翔太さん。先日、ソーホー地区のNowhereで開催された藤本さん参加の三人展では、鉢迫さんがキュレーションを務め、併設したワークショップのとの相乗効果もあり、イベントは大成功を収めた。今回はそんな二人に話を聞いた。
先日天理ギャラリーで開催された鉢迫さんキュレーションのグループ展にて(左から)鉢迫さんと藤本さん
──お二人の仕事内容は?
鉢迫さん:
キュレーター、プロジェクトマネージャーをしています。入社してからすぐ、立て続けに展示会が続いており、かなり刺激的な1年だったと思います。ようやく業務の流れがつかめてきたところで、最近はエマージングアーティストのサポート業務や、藤本まり子さん作品の展示のサポートなどしています。
藤本さん:
私はキャンバスにアクリル画を描いています。プロジェクトによっては、大きな壁画を制作する場合もあります。
──藤本さんから見たキュレーターとしての鉢迫さんは?
藤本さん:
私の周りに翔太さんのように有能で、同年代でキュレーションしている方がいなく、とても新鮮です。そして、彼が私の展示会のキュレーションを担当してくださることはとても心強いです。私が作品のコンセプトと少しの情報を共有しただけでも、翔太さんはそこから深く掘り下げて、解釈してくださります。彼がもっている情報と、私が提供した情報を再構築して、見る人に届けるという流れを間近で見ていたのですが、彼の「掘り下げて考える力」には圧倒されました。同年代ということもあり、時々雑談をしますが、一見作品と関係がないような話でも、ふとした瞬間に、自分の作品とその会話がつながっているのでは…と気づかされる場面もあります。自分でも気づかなかった潜在的な要素を汲み取り、つなげてくれたりもします。私は、作家・吉本ばななさんの小説が好きで、それを理解している翔太さんは、彼女の小説を引用して展示のタイトルをつけてくれたこともありました。
──藤本さんの作品をキュレーションする上で心がけていること、こだわっている部分は?
鉢迫さん:
僕の中でキュレーターという仕事の基本的な部分は、「作家と鑑賞者を繋ぐ」ことだと考えていて、作家のテーマや、作品のメッセージ性を解釈して定義づけることをしています。前回、まり子さんの展示のテーマにおいて、抽象的な印象を受けたので、純粋に自分が感じた興味の部分と、まり子さんとの会話からひろった印象を自分なりに解釈し、非言語的なところを言語化していくという作業に取り組みました。、そしてより多くの人にそれが伝われば、作品としての深みがより一層でてくるのではないかと考えています。
『Enduring Presence/なくなりはしない』
──お互いに刺激し合っていると思う部分はありますか?
鉢迫さん:
僕はアーティストの影響源に関心があって、どんな映画を観てきたのか、どんな音楽が好きだったのかなど、幼少期に触れてきた文化を知れると会話が広がりますし、自分が知らなかった世界を垣間見ることもできます。自分の好きなものが作品のルーツになっていく時もあるので、アーティストが無意識のうちに、そういったことが作品に反映されているのかなと感じる時もあります。タイトルにしかり、内容、作風、いろいろなものが散りばめられているようでも、俯瞰で見るとそれが一つの線になって見えるような展示会を、今後キュレーションできたらと思います。
藤本さん:
翔太さんは英語のスキルは非常に高くて、私はまだ英語が得意ではないため、作品の説明を英文に表す際、彼の翻訳の素晴らしさにとても刺激を受けています。ただ直訳するだけでなく、日本語と英語両方の文章をより魅力的にするために、ニュアンスを崩さずに言葉を選ぶセンスを磨く必要があると新たに学びました。
──今後の展望は?
鉢迫さん:
今後、キュレーターに求められるものが変化していくでしょう。企画の発案から展覧会の運営まで、一貫して実現できる力をつけていく必要性を感じています。作家と共にお互いのキャリアを築いていける関係を大切しながら、僕もそういったところを極めていきたいです。
藤本さん:
翔太さんにキュレーションしていただいたおかげで、展示会をする上で、作品のテーマや工程、ストーリーの輪郭をはっきりさせることの重要さを改めて感じました。そしてそれは、より素晴らしい作品を作るための今後の自分に課せる課題かなと思っています。
今月15日に行われたAAAA(Asian American Art Alliance)団体によるサイレントオークション用に、藤本さんが特別にギフトバッグのデザインをシルクスクリーンで制作し、鉢迫さんがキュレーションを手掛けた
バッグには、作品のステッカーも合わせ来場者にプレゼントされた
藤本まり子 Mariko Fujimoto
2014年多摩美術大学美術学部·絵画学科(油画専攻)卒業。16年、アクリルガッシュビエンナーレ16にて佳作を受賞。20年、FACE2020損保ジャパン日本興亜美術賞に入選。21年よりNYに移り松山スタジオ勤務、また画家として個人の作品制作を続けている。
鉢迫翔太 Shota Hachisako
上智大学国際教養学部卒業後、2022年に来米し、NYのサザビーズ·インスティテュート·オブ·アートにてアートビジネスの修士号を取得。23年8月より松山智一スタジオに勤務。同年「松山智一展:雪月花のとき」(弘前赤れんが倉庫美術館)や、24年の第60回ヴェネチア·ビエンナーレでの松山智一個展「Mythologiques」ではプロジェクトマネージャーを務める。
米国で暮らし&#
神韻芸術団プ&#
愛と感謝を伝&#
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