日本への永住・帰化を考える〜帰化と永住の基本知識と実際の事例集〜

米国籍を取得された方で、日本へ永久帰国後に、後々日本人に帰化したいと考える人も少なくないはずです。帰化の意味や永住との主な違いといった基本的な部分から、帰化するメリット・デメリット、そして弊社で取り扱う中でよくある実際のケースをいくつか紹介していきたいと思います。

帰化と永住の主な違い

帰化とは、外国人が日本の国籍を取得して日本人になることです。これにより、日本人と同等の権利を取得することができます。一旦帰化すると、再び母国の国籍を取得するのは簡単でないと予想されるため、一生涯、日本に住むという意思がある場合は帰化されることをおすすめします。

永住とは、外国人が現在の外国籍のままで、継続して日本に住める(永住できる)ことです。将来母国への帰国を希望される方や、仕事などで頻繁に帰国される方は、永住をおすすめします。

帰化と永住それぞれのメリットとデメリット

帰化のメリットは、帰化が許可された後、日本在留に関する手続きは一切ありません。退去強制(※)処分を下されることはなく、日本人と同等の権利を持ち、戸籍の取得が可能です。また、参政権(選挙権・被選挙権)があります。

帰化のデメリットは、母国の国籍がなくなるので、母国に行く時はビザの申請が必要になることがあります。また母国に長期滞在する場合には、その国の在留資格を取得する必要があります。一度米国籍を取得された方で日本人に帰化した場合、米国に行く際は目的に応じてESTAや、その他ビザの申請が必要となります。

(※)退去強制:日本に在留する外国人について、日本にとって好ましくない理由があればその者の在留を拒み、強制的に国外に追放すること(強制送還や国外追放とも言われる)。退去強制になると、5年間(2度目以降は10年間)日本に入国できなくなる。

永住のメリットは、現在の外国籍のままで、継続して日本に住める(永住できる)ことです。定期的に更新をする必要がありますが、将来母国への帰国を希望される方や、仕事や母国の家族との面会などで頻繁に帰国される方は、スムーズに帰国できます。

永住のデメリットは、日本に住んでいても外国人のままなので、参政権(選挙権・被選挙権)がなく、政治家になることもできません。永久帰国とはいえ、拠点を日本に移す方や頻繁に米国に戻る予定がある場合は、帰化申請に踏み込む前によく考える必要があります。

帰化のよくあるケース

弊社に寄せられる帰化申請の問い合わせの中でも、相談の多いケースを紹介いたします。

【ケース1】

長らく米国に住んでいる日本人が、市民権がないことによって、参政権や税法上のデメリットを避けるために米国の市民権を取得することが多いです。しかし、リタイア後の生活は、親族がいる日本で生涯暮らすメリットが多く、日本に帰国後に帰化申請をするケース。

【ケース2】

国際結婚をして、米国で暮らしていた元日本人の方が、配偶者である米国籍の方が亡くなった後、現地に親族がいなく、慣れない米国(海外)で生活をするよりも、生まれ育った場所で親族がいる日本に帰るケース。

【ケース3】

米国の市民権を取得した元日本人の(日本に住んでいる)親などの介護が必要になり、日本に長く滞在する必要がでてきて、日本国籍者として日本に滞在したほうが、役所関係での手続きが簡易であることから帰化申請をするケース。

【ケース4】

海外に住んでいる日本人と結婚をした外国人が、夫婦で日本に暮らすことも多く、生涯に渡って日本で過ごすことを決めた外国人配偶者が日本国籍を取得するケース。

〜番外編〜

【ケース5】

外国人の方が長期間日本に住み仕事をしてきて、日本の生活に慣れた後、生涯日本人として暮らしたいという強い希望が出てきて帰化申請をするケース。

【ケース6】

子供の時から日本で育ち母国に親族や家がなく、日本人として一生日本で暮らしていくことを決めて帰化申請をするケース。

いかがでしょうか。ケース5と6は米国(海外)に移り住んだ日本人のケースとは少し異なりますが、どちらかのケースに当てはまる方もいらっしゃるのではないでしょうか。弊社では、これらの事例を含めてさまざまなケースを取り扱ってきましたので、帰国後の在留や帰化を考えている方やお困りごとがある方は、ぜひお気軽にご相談ください。


河野澄男

アミティエ行政事務所代表

アミティエ行政事務所運営の『東京入管・帰化申請サポート室』では、在留資格認定証明書・就労資格証明書などの交付申請や、在留資格変更・在留期間更新・永住・在留資格取得・資格外活動許可申請等、ビザ申請などの入管手続き関連サービスをおこなっています。また、その他の国際業務として、帰化許可申請・日本国籍取得の手続き・外国人の雇用・外国人の会社設立・外国企業の日本法人設立・海外在留日本人の永久帰国のサポートなどもおこなっています。

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