巻頭特集

ラジオシティー・ミュージック・ホールの魅力

出演者インタビュー

『クリスマス・スペクタキュラー』に出演するダンサーの北澤明奈さんへ話を聞いた。

 

毎年、『クリスマス・スペクタキュラー』のオーディションに多くのダンサーが挑戦している。今年は1000人以上が受けて、約100人が受かったそうだ。ただその中には、何年も連続出演しているダンサーもいる。今年で3回目の出演となる北澤明奈さんも、初めての時はオーディションを受けたそうだ。

「10年以上長く出演していたり、40代になっても出演しているダンサーもいます。私は2018年に初めてオーディションを受けて、その時は落ちてしまったんですが、その後、コロナが落ちついた21年にエージェントオーディションで受かりました。昨年出演したダンサーのうちの60%に残ったので、今年はオーディションなしで参加することになりました」

一日4回公演の日もあるハードな日々

普段は一日2回の出演だが、一日多くて4回出演する日もあるそうだ。

「ダンサーは、ブルーとゴールドの二つのチームに分かれています。1週間に1日だけは、片方のグループが休みのため、もう一方のチームがカバーしないといけません。その日は、一日4回踊ります。今年は休みの日を除いて、ほぼ毎日出演する予定です」

体力勝負のハードなパフォーマンス

「このショーは、本当にハードです。最初の年は痩せてしまいましたが、昨年はリハーサル中に肩が脱臼してしまって、本番中はテーピングをしながら乗り越えました。とにかく大きなショーですから体力的にもきついですし、今年は外れないように気をつけないといけないなと思っています」

90分ノンストップ キャストとの絆も深まる

約90分の公演では、衣装は全部早着替えで対応しなければならないという。

「着ぐるみから始まり、フィナーレまでに6回着替えます。汗だくになりますね。昨年と振り付けはほとんど一緒ですが、ポジションが今年は違うので間違えないようにしないといけないですし、体のケアもきちんと整えて公演に備えたいです。他のダンサーたちとは毎日ずっと一緒にいるので自然と仲良くなり、お互い助け合いながら絆も深まります」

新作ミュージカルへ出演 ダンスキャプテンに抜擢

今年3月に始まった新作ミュージカル『ニューヨーク・ニューヨーク』に、オーディションから抜擢された明奈さん。トニー賞受賞式への出演など、活躍の場が広がっていた中、興行的な理由により半年も経たずに終了してしまうという予想しない事態に見舞われた。

「すでにワークショップは終わっていたものの、スウィングにアジア人が必要だったこともあって、オーディションを受けて受かりました。他のミュージカルのオーディションにも受かっていたのですが、本作の演出、振付を担当したスーザン・ストローマンと一緒に仕事をしてみたいと思い、出演を決めました。実際に舞台に立てたのは25回程だったので、もっと出演したかったです」

プロダクションに指名されて、ダンスキャプテンとしても貢献したという明奈さん。

「私はチームの中でも若い方だったので、他のベテラン俳優たちに注意する難しい立場でした。初めてのことでしたが、良い経験ができたと思います」

残念ながら短期間で終了してしまったが、来年からは北米ツアーもスタートするそうだ。

「まだ出演できるかどうか分からないですが、もし出演できる機会をいただけたらうれしいですね」

舞台で踊るだけでなく、活躍の場をもっと広げていきたいと考えている明奈さん。

「人に教えることも好きですし、今後はダンスを通してもっとさまざまな仕事をしていきたいです。まずは、ラジオシティーの公演を頑張ります。この作品は年齢問わず、皆が楽しめるショーなので、ぜひ劇場に観にきてほしいです」と笑顔で語ってくれた。

北澤明奈さん(Akina Kitazawa)

千葉県出身。3歳よりバレエ、15歳でジャズダンスを始める。高校は演劇科に進み、2014年に初めてニューヨークに短期留学。ニューヨークに魅了され、2016年に渡米。以来、ブロードウェイを始め、ラジオシティー、アメリカツアーと活躍の場を広めている。最近ではブロードウェイの新作、『ニューヨーク・ニューヨーク』でアンサンブルキャストとして出演。ダンスキャプテンも務めた。

ラジオシティーで一緒に踊るダンサーたちと(Photos by Akina Kitazawa)

 

 

『ニューヨーク・ニューヨーク』に初出演した時のカーテンコール。拍手喝采で迎えられた(Photo by Akina Kitazawa)

 

Radio City Christmas Spectacular

【期間】11月17日(金)〜2024年1月1日(月)まで

【チケット】49ドル〜

rockettes.com/christmas

 

               

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