巻頭特集

サンクスギビングを存分に満喫するための情報をお届け

いよいよサンクスギビングデーがやってくる。今年は例年のパレードも復活し、感謝祭ディナーに大セールと楽しいイベントがめじろ押し。日本人にはなじみない文化とはいえ、せっかくアメリカに住んでいるのなら目いっぱい楽しまなきゃ損! 今号はそんなサンクスギビングを存分に満喫するための情報をお届けする。(取材・文/中沢絵里奈)


いつものスケールが帰ってくる!
注目のメイシーズパレード

クリスマス前のアメリカの一大イベントといえば、毎年11月の第4木曜日に祝われるサンクスギビングデー(感謝祭)だ。その祝賀パレードとして全米でも最大規模を誇るメイシーズ・サンクスギビング・デー・パレードがいよいよ25日、2年ぶりに開催される。

昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となり、メイシーズ本店周辺での無観客ステージがNBCで中継されるにとどまったが、今年は通常の形で復活する。とはいえ、全出演者にワクチン接種証明の提示、マスク着用が義務付けられ、参加人数も例年の20%減に規模縮小を図るなど、安全性を最優先に考慮されたパレードとなりそうだ。

毎年、全米や世界中から350万人が訪れるという注目度が高い同パレード。エグゼクティブプロデューサーのウィル・コスさんは、「メイシーズのパレードはホリデーシーズンの到来を告げるイベントです。90年以上続くこの伝統的なイベントを、今年は例年の規模で開催できることをうれしく思います」と述べるように、今年の開催を多くのニューヨーカー、旅行者が心待ちにしている。

 

歴史あるパレード

1924年から始まった長い歴史ある同パレードだが、当初は「メイシーズ・クリスマス・パレード」の名で、ピエロやカウボーイ、騎士などの姿に扮したメイシーズの従業員がマーチングバンドや象やラクダ、ロバなどの動物と共にハーレムからヘラルドスクエアまでの6マイルを歩くものだった。自由の国とクリスマスの到来を祝うことを目的に、その多くが移民だったという当時の従業員による発案だったそうだ。27年からは動物でなく巨大バルーンが採用され、現在のスタイルへと移行。移動距離も2.5マイルと短縮された。

第1回パレードの様子。セントラルパークから貸し出された象も街を行進した

新バルーンにも注目

そんなパレードの目玉はやはり、マンハッタンの宙を浮かびながら練り歩く巨大なバルーンだ。今年は、25周年記念でイーブイも仲間入りした人気のピカチュウバルーンの新デザインや、ニューヨーク植物園での展覧会を終えたばかりの草間彌生デザインの太陽、ドラゴンボールの悟空といった日本人に縁のあるバルーンも見逃せない。さらに昨年出演を見送ったマーチングバンドも登場するなど、100回を目前に復活を遂げる今年のパレードは例年以上に盛り上がること間違いなさそうだ。

当日は午前9時からパレードが始まり、正午にメイシーズ本店前に到着する予定。今年もセントラルパーク横の西77丁目が出発点となり、ルートも例年と変わらないが、詳しい観覧可能スペースについては事前にウェブサイトでチェックしておこう。

ちなみにNBCでは生中継と午後2時から再放送が行われるので、ディナーの準備で現地に行けなくてもテレビで観覧することも可能だ。家族や友人と過ごす楽しいディナーの前に、パレードを見てサンクスギビング気分を高めてみてはどうだろう。

All Photos by Macy’s, Inc.

               

バックナンバー

Vol. 1324

年末年始は日本を満喫!

お正月の日本は閉まっている店ばかり…。そんなイメージを覆す、“三が日OKスポット”をご紹介。「食べたい、買いたい、くつろぎたい」せっかくの一時帰国だからこそ、日本らしい時間を存分に楽しみましょう!

Vol. 1323

ホリデーを彩るワインの魔法  ─クリスマス・年末年始・大切な人と集う時、 “美味しい”を超える体験を、ワインと─

ホリデーシーズンは、家族や友人と集まる特別な季節。そんな時間をより豊かにしてくれるのが「ワイン」である。 今回は、ワインのスペシャリスト監修のもと、基礎知識からフードペアリング、ギフト選びまで幅広く紹介。初心者から上級者まで堪能できる、“ホリデーを彩るワイン”の楽しみ方をお届けする。

Vol. 1322

私たち、こんなことやってます!

睡眠時無呼吸症候群の治療に注力する、パーク・アベニュー・メディカル・センターのジェフェリー・アン院長と、保険対応も万全の総合ヘルスケアを提供するE.53ウェルネスの川村浩代さんに話を聞きました。

Vol. 1321

サンクスギビング特集 ニューヨーカーに愛される手作りパイ 〜ケーバーズの舞台裏〜

ウエストビレッジの一角に、どこかノスタルジックな空気をまとったパイ専門店「ケーバーズ」がある。ロングアイランド地区で生まれたこのブランドは、“農場から都会へ” をテーマに、素朴な焼き菓子をニューヨークの街へ届けている。季節のパイはもちろんビスケットサンドなど魅力は尽きない。今回は同店のミシェルさんに、人気の理由やホリデーシーズンの舞台裏について話を聞いた。