巻頭特集

【今週の巻頭特集】日系人に優しい! 最新「プチ整形」事情

男女問わず、いつでも若々しく美しくいたいという気持ちは誰にでもあるもの。しかしながら、美容整形大国の米国とはいえ、人種や肌タイプの違い、費用の高さや言葉の壁など、ローカルの美容皮膚科や美容外科に通うのはちょっぴり不安…。そんな読者の声にお応えし、今夏の日本一時帰国の際にも使える、日本の最新「プチ整形」事情をご案内していきます!


日本の「プチ整形」事情

そもそも、米国やイスラエルの軍事・科学技術を人体に応用、それらが光治療やレーザー治療として世界に普及し、美容皮膚科や美容医療という分野が革新的に進化しました。それらが、日本でも2000年頃からIPLやレーザー脱毛として導入されました。また同じ頃、美容整形の先進国である韓国への旅行が流行し、短期間でも可能なレーザー治療やアンチエンジング治療、美容外科手術など、「プチ整形」として現地で受ける人々が増えました。

メスや高度な外科手術を必要とせず、ダウンタイムの少ない治療を一般的に「プチ整形」と言いますが、そこにはさまざまなアプローチが存在します。その中で特に現在日本で流行しているのが「肌育注射(はだいくちゅうしゃ)」です。「肌育注射」は、肌の浅い部分に肌状態を改善する美容成分を注入します。また、ヒアルロン酸やボトックスを注入して顔の輪郭やシワを改善したり、リフトアップと肌質改善が目的の「糸リフト」などがあります。その他、レーザーや光、超音波などのマシンを使用し皮膚の外側から治療する方法や、体の内側から治療する「美容・アンチエイジング点滴」もあります。これらを併用し、肌状態や見た目を改善していくことが、日本における「プチ整形」のトレンドとなっています。外国と比べ、日本人の方は他人から気付かれないよう、変化があからさまにわからないよう、徐々に顔や体型を変えていく方法を好む方が多いですね。

日本と米国で、治療内容や効果の違いは?

日本では米国やイスラエル、韓国やイタリアなどの国から薬剤やマシンを輸入して使用しているクリニックがほとんどです。各メーカーで多少の差はあるものの、レーザー治療などに関しては、製造元の会社が白人にはこれくらいの出力、黄色人種にはこれくらい、と、きちんとガイドラインを設けており、それにのっとって施術を行うため、外国で受けても日本で受けても、内容や効果にそれほど違いはありません。ただし、アートメークに関しては、現在日本では医療従事者で医師か看護師免許がないと行えないので、その辺りの安全性は日本の方が安心といえるかもしれません。

一時帰国の際におすすめの「プチ整形」は?

夏は紫外線が強いためシミ取りや医療レーザー脱毛はあまりおすすめしません。ワキの多汗やわきがの臭いが気になる方には、マシンを使った「ミラドライ」や、二の腕などの脂肪を分解するマシン痩身治療が、即効性があり傷やダウンタイムも少なく、夏の一時帰国に向いているかもしれません。プラセンタや各種ビタミンなどを調合した点滴やNMNなどの「美容・アンチエイジング点滴」も、美肌効果や疲労や更年期などにも効くと人気です。。肌のたるみには超音波マシンの「ハイフ」がおすすめです。「糸リフト」、中でも「ショッピングリフト」は、ダウンタイムが少なく、手軽に顔の若返りが可能です。2回の通院が必要ですが、医療アートメークで眉毛やアイライン、運気が上がるホクロやリップラインを描くのもいいでしょう。肝斑(かんぱん)など、頬にぼんやり広がっているようなシミに関しては、長期で一定回数のレーザー治療を施す必要があり、一時帰国の際の施術には向いていません。

今後の美容医療に向けて

20年前に比べ、日本では美容整形や美容治療がポジティブに理解されるようになり、一般の方々の美意識もかなり高くなりました。その一方で、「整形依存症」が社会的に深刻な問題にもなっています。肌も顔も体も、治療には限界があり、薬剤の注入や手術をたくさんやればいいというわけではありません。美容整形医の中にも、己の利益だけを優先し患者様の身体の許容以上の薬剤を複数回にわたって注入、その結果、患者様が依存症に陥ってしまうというケースも珍しくありません。そうならないよう、信頼できる医師と事前カウンセリングをしっかり行い、治療の方向性やスケジュールに十分納得した上で治療を始めることが大切だと思います。

<話を聞いた人>

木下孝昭

医療法人社団順惺会KOSHOクリニック理事長・医学博士。実家が寺院のため、僧侶としても活躍。アーティスト「KOSHO」としても活動し、先日NYで展覧会も開催した。

患者に寄り添う美容医療についての著書

医療法人社団順惺会KOSHO

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