世界各地で公演を行う舞台芸術団「神韻芸術団」が、この春ニューヨークのリンカーン・センターに帰ってくる。創立20周年を迎える今年、日本にゆかりのある二人のアーティストも出演する。ダンサーの小林健司さんと、二胡奏者の高橋純子さんに、神韻との出会いや舞台への思いを聞いた。

「9歳で観た舞台が人生を変えた–小林健司さん
– 神韻との出会いを教えてください。
9歳のとき、日本で初めて神韻の公演を観たのがきっかけです。特に「モンゴル草原」という演目が印象的で、ある動きが頭から離れませんでした。家に帰ってから毎日、その振り付けを母に見せていたのを覚えています。
その公演で感動したことがきっかけで中国古典舞踊を学び始め、2010年に神韻に入団しました。16年には国際中国古典舞踊コンクールで金賞をいただき、その後もいくつかの演目で主演を務めています。
– 神韻で活動する中で大切にしていることは?
世界を巡りながらさまざまな文化に触れ、人々とつながることです。ただ公演するだけでなく、友情や交流が生まれるのが本当に貴重だと感じています。また人々に希望や喜びを届けることも大切にしています。神韻は、人に優しさや信念、大きなものへの敬意を感じさせてくれます。20年前に私自身、非常に感動しました。今はその感動を、自分が舞台で世界に伝える番だと思っています。
– 好きな公演地はありますか?
日本です!文化的な雰囲気や、人々が互いに敬意と思いやりを持って接するところがとても好きです。伝統を大事にしながら、現代的でもある日本の在り方が本当に素晴らしいと思います。もちろん、食べ物も昔から大好きです。
– 読者へ伝えたいメッセージは?
ニューヨークのような忙しい街で暮らしていると、日々慌ただしく過ぎていきます。神韻が、日本人コミュニティーの皆さまに平和や温かさ、インスピレーションを届けられたらと心から願っています。日常の喧騒の中でひとときの静かな美しさや内省の時間を感じ、私たちを結びつける普遍的な価値や文化の根に触れていただけたら嬉しいです。
「二胡の音色は、心に直接届く」–高橋純子さん
– 神韻の音楽の魅力は?
神韻のオーケストラは、西洋クラシック楽器と中国の伝統楽器が融合しているのが特徴です。全ての舞台で生演奏が行われるので、音楽がダンスと一体になって物語を作り上げていきます。
– 二胡という楽器の魅力は?
二胡は「中国のバイオリン」とも呼ばれ、二本の弦しかない楽器ですが、とても表情豊かな音を出せます。鳥の声のような響きや深い悲しみ、広い風景を感じさせる音など、さまざまな感情を表現できるのが魅力です。人生経験から生まれる感情を音にできるところに、深い喜びを感じます。
– ツアー生活は大変ですか?
ソリストとしてツアーを回るのは緊張やプレッシャーもあります。でも振り返ると、一番成長しているのは自分自身だと実感できます。
今年は20周年のツアーで日本公演もあるので、故郷の皆さんの前で演奏できるのがとても楽しみです。国や文化が違っても、共通する感情や価値観はあると思います。神韻を通して、そのつながりを感じていただけたら嬉しいです。
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2006年にニューヨークで創設された神韻芸術団は、5000年にわたる中国の歴史や神話、民族文化を題材に、振付師や作曲家、衣装デザイナーらが一から作品を創り上げている。毎年新作を世に送り出し、忠誠や愛、希望といった普遍的なテーマを描きながら、言葉の壁を超えて、世界中の観客の心を動かしてきた。
現在では北米、ヨーロッパ、アジアなど世界各地を巡る8つのカンパニーを擁し、20年の歴史を経てさらに芸術性を磨き続けている。
◾️公演情報
【日程】3月25日(水)〜4月12日(日)
【場所】David H. Koch Theater at Lincoln Center (20 Lincoln Center Plaza)
【チケット購入】ja.shenyun.com

小林健司 神韻芸術団プリンシパルダンサー
出生地:東京/神韻入団:2010年
ニューヨークの飛天芸術学院で中国古典舞踊の養成を受け、飛天大学で学士(中国古典舞踊専攻)を最優秀で修得。現在、飛天大学で美術修士課程(中国古典舞踊専攻)。16年、新唐人テレビ主催の国際中国古典舞踊コンクール(成人男子部門)で金賞を獲得している。 
高橋純子 神韻芸術団二胡演奏者
出生地:東京/神韻入団:2021年
芸名は敬蓮(ジン・リエン)。幼少期より日本で音楽教育を受け、ヴァイオリンとピアノを学ぶ。後に二胡を専門とすることを決意し、来米する。ニューヨークのNorthern Academy of theArtsで研鑽を積んだ後、飛天芸術学院に進学。22年と25年に当学院の音楽コンクールで、特別賞を受賞。