NYアートシーンで輝く次世代アーティストに注目

今回スポットを当てるのは、ブルックリン区にある松山スタジオで活動するアーティストの小野原和紀さん、金和司さん、藤本まり子さん、雨宮ホザナさん、川植隆一郎さん、福田桂子さん、Gunoterreさんの七人。11月20日から12月20日まで、チェルシーの 「GOCA Gallery」で開催されるグループ展に向けて、それぞれの思いや見どころを語ってもらった。


左から小野原和紀さん、金和司さん、藤本まり子さん、雨宮ホザナさん、川植隆一郎さん、福田桂子さん

 

──どのような展示会ですか?

小野原さん:グループ展のタイトルは 「Sprouting in GreenPoint」 です。「Greenpoint」だけではなく、「Sprouting in GreenPoint」という表記こそ独自の魅力があると感じています。「Green」は若さや成長、生命力を、「Point」は出発点や焦点、転換点を表し、この二つの概念を掛け合わせることで、若きアーティストたちが新しい出発点に立つ瞬間をより鮮明に印象づけることができると思います。

さらに、グリーンポイント地区には松山スタジオがあり、作品制作の現場でもあります。そのため、このタイトルは単に場所を示すだけでなく、アーティストたちの創作の芽生えや挑戦の瞬間を、場所との関係性も含めて表現しています。

金和さん:今回の展示は、松山スタジオで日々ともに松山作品の制作に携わり、互いに切磋琢磨しているアーティストたちが、ニューヨークというアートワールドの中心地から世界へ向けて、それぞれの表現を発信する試みです。

アジア人としてのアイデンティティーを持ちながらアーティストとして活動を続けることは、決して容易ではありません。それでも、大きな夢を抱く「原石」のような存在を、鑑賞者の方々に見つけてもらえたら嬉しいです。また、同じように夢を持ってニューヨークで頑張っている人たちに、少しでも感動や刺激を届けられるような展示になればと思っています。

 

小野原和紀『ORU』

 

──展示会の見どころを教えてください。

小野原さん:経験豊富なアーティストから、ニューヨークで初めて展示を行うアーティストまで、“粒違い”の個性を持つ松山スタジオのアーティストたちが集結しており、個性の異なる作品が並びます。一つひとつに深く込められた作家たちの世界観と、文字通り“粒違い”の作品たちが作り出す、カオティックでありながらも粛然とした空間をぜひお楽しみください。また、参加アーティストたちは皆、「幻想」、「想像」、「記憶」、「心」、「違和感」といった形而上のテーマを共通して作品に取り入れており、オリジナリティー溢れる個々の表現の中にも、互いの共通点やつながりを感じることができます。

福田さん:松山スタジオのプロダクションスタッフである私たちは、スタジオ業務の中で日々多くのことを吸収し、それを自分たちの作品に反映させています。作品を通して、私たち一人ひとりが今という時代をどう感じ、何を表現したいのかを感じ取っていただけると思います。表現方法やスタイルは異なっても、内側にあるエネルギーや、何かを伝えたいという純粋な想いは、アーティスト同士でつながっていると感じています。

 

福田桂子『Joy in Bloom』

 

──制作で特にこだわったことや苦労した点はありますか?

川植さん:制作ではコンセプトをエスキース(素案)などの形にすることに一番こだわり、どうすれば見てくださる方に伝わるかを意識して制作しました。

藤本さん:仕事をしながら自分の制作もしなくてはいけなくて、またクオリティーも保ちたいので、体調管理と制作時間の両立に苦労しました。

藤本まり子『Aruqa』

川植隆一郎『In the Absence of Light』

 

──グループ展だからこそ感じる刺激や新しい発見はありましたか?

Gunoterre:他の参加アーティストのdrive (意欲や情熱)に触れることが、ずっと一人でやってきた私にとって大きな刺激になっています。まだ明確な「発見」はありませんが、展示を通して何か見つけられたら嬉しいです。

──今後の挑戦について

雨宮さん:刺激の多いニューヨークでのスタジオ業務と個人制作の中で、様々なモチーフやテーマを試しつつ、本当に自分が表現していきたいことは何か日々模索していきたいです。


グループ展   『Sprouting in GreenPoint』

【日付】11月20日(水)から12月20日(土)まで

(オープニングレセプションは11月20日(木)午後6時〜9時)

【場所】GOCA Gallery (515 W. 23rd St.)

お問い合わせは admin@matzu.net

               

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