世界はなぜ再&#
セントパトリックデーを楽しむために
世界最大規模の大行進
New York City St. Patrick’s Day Parade
ニューヨークのセントパトリックデーといえば、5アベニューで行われる大パレード。1762年に起源を持つとされていて、世界最古かつ最大規模を誇っている。例年、バグパイプ隊を先頭に警察や消防の隊列、学校や各種団体など約15万人が、5アベニューの44ストリートから79ストリートまでを北上し、沿道には数百万人の観客が詰めかける。アイルランド系移民の歴史を今に伝えるフェスティバルであると同時に、ニューヨークの春の訪れを告げる一大行事となっている。
日時:3月17日(火)午前11時~午後5時
場所:5アベニュー(44ストリートから79ストリート)
nycstpatricksparade.org/
セントパトリック仕様の豪華デコレーション
Bay Ridge Holiday House
ブルックリン区ベイリッジ地区の名物住宅「ベイリッジ・ホリデーハウス」が、今年もセントパトリックデー仕様で公開されている。年間を通して自宅に祝祭の装飾を施すことで知られているロイ・ジェンセンさんは、季節ごとにテーマを変えながらイルミネーションで彩っている。セントパトリック期間中は、シャムロック(アイルランド語で「クローバー」の意味)やグリーンのライトが建物や庭を装飾する。写真撮影も可能なので、SNS映えスポットとしても人気だ。
期間:実施中~3月17日(火)
場所:635 79th St., Brooklyn, NY 11209(Rライン77
ストリート駅から徒歩約10分)
インスタグラム(@79stholidayhouse)
いま触れたい新鋭アイリッシュカルチャー
アイルランドにゆかりあるニューヨーカーが厳選
ブルックリンを拠点に活動する批評家・ライターのリアン・サシーン。アイルランドのリムリックに生まれ、現在はニューヨークで活動する。文学、アート、音楽などを横断的に鋭く読み解く彼女に、アイリッシュカルチャーをリコメンドしてもらった。
「2年前、私は幸運にも、現代アイルランドを代表するシンガーソングライター、リサ・ハニガンのライブをニューヨークのアイリッシュ・アーツ・センターで見る機会に恵まれました。ダブリン出身の友人と一緒に足を運んだその夜の体験は、いまも鮮やかに思い出されます。10年以上にわたって彼女の音楽を愛してきた私にとって、その歌声を生で聴けたのはまさに至福のひとときでした。幾重にも重なる音域を自在に行き来するその声は、豊かな色彩ときらめきを帯びた特別な“楽器”のようでした。旋律の上でしなやかに折り重なって揺れ動く響きが、録音では味わいきれない魅力を放っていました」
「初めて聴くなら、セカンド・アルバム『Passenger』をぜひ!」(リアン)
リサ・ハニガン アイルランド・ダブリン生まれのシンガーソングライター。繊細で多彩な声と、フォークを基調にした親密なサウンドで知られる。かつてはDamien Riceのバンド・メンバーとして活動し、2008年にソロ・デビュー。アルバム『Sea Sew』『Passenger』などで高い評価を受け、アイルランドの音楽シーンで注目されている。
Z世代が再解釈するギネスビールとパブ文化
アイルランドといえば、お酒好きの人はまずギネスビールを思い浮かべるかもしれない。実は近年、この老舗ビールの黒いスタウトが米国や英国の若い世代のあいだで再評価されている。米国で売り上げが伸びていると報じられ、TikTokやインスタグラムでは“perfect pour(完璧な注ぎ方)”動画が拡散され、味覚だけでなく視覚をも満たす体験としてシェアされている。ギネスはアルコール度数は約4%台と比較的マイルド。場の空気を楽しむZ世代にとって、ギネスのカジュアルさはちょうどよいらしい。IPA全盛を経た後の「クラフト疲れ」の反動もあるだろうか。複雑な味や高価格帯のビールではなく、シンプルでクラシックな一杯。そして、ラベルの黒と白のコントラストはレトロでSNS映えもする。この再評価は、パブ文化の変化とも重なる。古き良き薄暗い空間のイメージがあるが、木目やタイルを活かした明るい内装の“ネオ・パブ”ともいうべき店がニューヨークでも増えている。ノスタルジーを新たに再解釈するZ世代にとって、ギネスは過去と現在をつなぐ特別な存在になりつつあるのだ。







