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ストリートスニーカー界に波紋を呼んだ論争がある。米スニーカーファッションの象徴、ナイキの「ナイキ・エアフォース・1」(Nike Air Force 1、以下 AF1)が、ある日突如、Z世代の若者たちから「ダッド・シュー(パパ靴)」と呼ばれ、インターネット上で大きな議論になったのだ。
そもそもAF1は1982年にバスケットボールシューズとして誕生し、その後ストリートウェアやカジュアルファッションの定番として圧倒的な支持を受けてきた。だが、「ダッド・シュー」のレッテルは、「地味」「古くさい」「親世代が履く靴」などのネガティブな意味を含み、ファッションの文脈では“今どきではない”“時代遅れ”の代名詞になりかねない。では、なぜそのような言葉が若い世代から生まれたのか。ある調査では、この「ダッド・シュー」論は実態のない“噂”あるいは“ネット・ミーム”に過ぎず、実際にはAF1は多くの若者から支持され続け、販売データでも人気は衰えていないという。
つまり、この論争は単なる流行やジェネレーション間の感覚の差、そしてソーシャルメディア上で生まれた“ムーブメント風ミーム”に過ぎず、AF1の地位が揺らぐような本質的な変化ではないようだ。スニーカーやファッションに敏感なのは時代の流れだ。しかし、“本物の定番”とは、流行ではなく長く愛される実績だろう。AF1は今なお、その象徴であり続けている。




