巻頭特集

予備選は年明けにスタート!2024年大統領選挙を予習する

米国大統領選の流れ

米国の大統領は直接投票ではなく、「選挙人団」の投票を通して決まる。選挙人団は、人口に応じて50州と首都ワシントンに割り当てられた「選挙人」と呼ばれる有権者の代表により構成される。

全米各州での党員集会(コーカス)と予備選挙(プライマリー)で勝利した候補者が全国大会で党の指名を獲得し、本戦(11月第1月曜の翌日の火曜=2024年は11月5日)で一般有権者による審判を仰ぐ(一般投票)。1位になった候補者がその州の選挙人票を「総取り」(*1)し、選挙人票538のうち過半数の270票以上を得た時点で、事実上次期大統領が決定するが、12月の第2水曜の次の月曜に改めて選挙人団投票を行い、大統領と副大統領を選ぶ。その後、連邦議会での集計を経て正式に決定す(*2)

*1: メーン州とネブラスカ州を除く48州とワシントンDCが総取り方式を採用

*2: 2021年1月6日に発生した米議会議事堂襲撃事件は、この集計時に発生

 

 

 


覚えておきたい大統領選用語

コーカス(Caucus)

州の党役員によって組織される党員集会。コーカスは「政治イベント」のようなもので、プライマリーよりも高いレベルでの関与が求められる。共和党のコーカスでは、有権者は候補者の演説を聞いたり候補者と直接話したりして無記名投票する。

民主党のそれは、投票が始まる前に出席した有権者全員の数を数え、有権者は希望する候補者に対応するグループを作るか「未定」のグループに立つよう求められる。その後、各グループの人数を数え、出席有権者の少なくとも15%の支持を得られなかった候補者は選挙戦から脱落する。その後「再編成」が始まり、未決定の有権者や排除された候補者の有権者は別の候補者を選ぶか、コーカスから離脱する機会を得る。さらに15%以上の有権者を持つ候補者だけが残るまで集計・排除の手順が続けられる。

プライマリー(Primary)

予備選挙。有権者は匿名で無記名投票を行い候補者を選ぶ。予備選挙が行われた州は、投票結果を考慮して勝者に代議員を与える。

エレクトラルカレッジ(Electoral College)

選挙人団。米国の公職は直接選挙だが、大統領と副大統領は例外で選挙人団によって選ばれる。このプロセスは建国の父たちが作成した憲法に由来する。当時は全米で一斉に選挙をすることは無理だったし、「一般有権者は政界の事情に疎いので誰が大統領に適任かという大局的判断は選挙人に任せた方がよい」との考えがあった。しかし、この制度は一般投票(Popular Vote)で多数を占めても選挙人の得票数で負ければ当選できないという矛盾(ねじれ現象)を抱えている。

直近の例では、一般投票では6585万3516票(48.18%)を獲得しながら選挙人で227票だったヒラリー・クリントンが、一般投票で6298万4825票(46.09%)、選挙人で304票を獲得したトランプに負けた2016年の選挙がある。これらのことから建国当時の制度は現状にそぐわないとして改正すべきだとの論議が起きている。


米国大統領候補の基本的要件

合衆国憲法は大統領は以下の条件を満たさなければならないと定めている。

米国生まれ(米国市民)

35歳以上

米国に14年間居住している

候補者が選挙運動のために5,000ドル以上の資金を調達または支出したら、連邦選挙委員会に登録しなければならない。これには、選挙資金を調達・支出するための主要選挙管理委員会を指定することも含まれる。

               

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