ドクターベルモンテが教えるウェルネス道

カイロ、理学療法、鍼灸 洋の東西の融合包括治療

今月のテーマ:人間丸ごとケアのチーム医療(Vol. 16)

不調が起きやすい今だからこそ、さまざまな体のメンテナンスが大切だ。健康でいるための生活のポイントを、カイロプラクターのドクターベルモンテが教えてくれる連載。


先月は、「カイロプラクティック治療は人間丸ごとケアです」というお話をして、そのためのチーム医療の理念について触れました。カイロプラクターの私を中心に、当クリニックには東洋医学専門医(漢方・鍼灸)、理学療法士がおり、リハビリ専門医、スポーツ医学、ペインマネジメント(痛みの管理)専門の医師とも提携しています。

実際にどんなふうに異なる専門家がコラボレートするかというと、例えば、痛みが激しく患部を動かせない患者さんが来院した場合、まずは医師による薬物療法(注射剤など)で短期的に痛みを軽減します。その後改善が見られた段階で、カイロプラクティックの手技による受け身の治療に切り替えることもありますし、理学療法による運動療法に切り替えることもあります。カイロプラクティックと理学療法を組み合わせることもあります。

「カイロプラクティック、理学療法、鍼灸、それに西洋医学ともコラボレーションしてのチーム医療が真髄です」とベルモンテ先生

理学療法とカイロ

50代の女性が、手や肩、肘などの関節痛と、筋肉痛を訴えて来院されました。主治医による血液検査で異常がなかったため、様子を見ましょうということになったそうですが、本人は納得がいかず、せめて痛みを軽減したいと言って、当院に来られました。

私は何度かカイロプラクティック治療を施すうちに、おかしいと思い始め、もう一度内科医の診察を勧めました。するとその内科医からリウマチ専門医を紹介されたそうです。検査したところ、リウマチが原因の痛みだったことが判明。こうして、リウマチ専門医による投薬治療で炎症を抑えながら、当院で理学療法とカイロプラクティック治療を組み合わせ、問題の根源を突く治療を開始することができました。

この例では、セカンドオピニオンを求めることの大切さも、教訓として得ました。(「今月の教訓!」参照)

そしてうれしいことに、昨年から東洋医学とカイロプラクターの両方の免許を持つリン・チャン先生がチームに加わり、コラボレーションの幅がさらに広がりました。チャン先生によると、「鍼は気の流れを整え、漢方薬はソウル(魂)のレベルでバランスを整え、カイロプラクティックは身体的なバランスを整えるもので、いずれも包括的に体全体を診る『人間丸ごとケア』」とのこと。

この50代のリウマチを患う女性の患者さんの例はもう何年も前のことですが、今なら必要に応じて鍼や漢方薬による治療も組み合わせることができ、より有効な治療を提供できるはず。もちろん、漢方薬の投与に当たっては、チャン先生とリウマチ専門医が連動して行います。

鍼・漢方とカイロ

カイロプラクティックでは、出産を控えた妊婦さんをよく治療しますが、漢方や鍼治療と組み合わせると、不妊や不眠、不安症、消化不良といった症状まで、治療領域を広げることが可能です。

例えば、東洋医学的には「消化不良の原因の多くは不安症からくる」そうです。その場合は鍼を中心に、漢方薬とカイロプラクティック治療を組み合わせ、「気」「ソウル」「体」という〝3次元コラボアプローチ〟を採用することが、当院では可能になるのです。

これは、カイロプラクターである私だけでは、たどり着けなかった治療アプローチです。異なる分野の医学がコラボすることの素晴らしさを、最近ひしひしと感じています。

現代人は皆ストレスで首が凝り、苦痛を訴えているものです。当院にもそういった患者さんはたくさん来られます。この場合も、カイロプラクティックの手技で筋肉をほぐしながら、鍼で気の流れを改善し、必要に応じて漢方薬も取り入れながら、体の内外から苦痛の緩和を促します。

 

 

 

ジョン・J・ベルモンテ 先生
John J. Belmonte, DC

E. 53 Wellness院長。
カイロプラクター(Doctor of Chiropractic)。
全米カイロプラクティック協会会員、ゴルフPGAツアー・スポーツ医学チーム所属。
アスリートのけがの治療、妊娠中の痛みの緩和、成長期の子供のカイロ治療も手掛ける。

 

E. 53 Wellness
211 E. 53rd St./TEL: 212-980-4211
e53wellnessnyc.com


今月の教訓!

「セカンドオピニオンをもらおう」

50代の女性の例で分かるように、体の痛みの背後には何が潜んでいるのか分かりません。主治医の診断に納得がいかなければ、セカンドオピニオンを求めて別の医師に相談することは重要なことです。日本人の患者さんは、それでは主治医に失礼だと思いがちですが、アメリカではセカンドオピニオンを求めることは当たり前です。医師に遠慮する必要はありません。関節や筋肉痛の原因が、実は帯状疱疹だったという実例もあります。

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