巻頭特集

夏への体質リセット法を3人の専門家に指南してもらおう!

までにカラダ完全リセット

パンデミックによる運動不足も既に1年。自分では気付かなくても体のあちこちが弱っている状態だ。一気に夏に向けてフィットネスしても、例年通りとはいかない。無理なワークアウトで逆に体を痛めてしまうことも。そこで、弱った体を安全にリセットしつつ鍛え、しかも長続きする方法をパーソナルトレーナーのSHOTAROさんに教えてもらった。

負のスパイラルからの脱却

まず、体が弱った状態とはどういうことなのか。

「コロナ禍で運動の機会が減っただけでなく、通常の行動も制限されたことにより、筋肉量が落ち、関節の柔軟性がなくなり、体脂肪や内臓脂肪も増えてきます。そうすると疲れやすくなり、体力そのものが落ちます。そして動きたくなくなり、逆に家にいる時間が長くなることで食べる量が増え、肩こりや偏頭痛も起こってきて、『負のスパイラル』に陥ります」とSHOTAROさん。

この悪循環を脱するために、「パンデミック前の自分のフィットネス状況を見直す」ことが第一歩だとアドバイスする。

フィットネスの自己分析を

人それぞれ体力や運動の志向性、ライフスタイルが違うので、まず自己分析をしっかりすることが大事。そしてここでポイントになるのが「これまで長続きしたのか」ということだとSHOTAROさんは指摘する。実はパンデミックとは関係なく、一念発起してエクササイズやワークアウトを始めても続かない人が実際には多く、この「継続するか否か」がセルフワークアウト成功の鍵になる。

継続は力なり

自己分析したら、次は自分に合ったフィットネスプログラムを考える。しかし、決して無謀な計画を立てないこと。今は体のコンディションを調えるぐらいがちょうどよい。コンディションがいいと動きたくなって、負のスパイラルから抜け出せる。

パンデミックによる長期間の慢性的運動不足で、特に下半身の筋力や柔軟性が衰えているので、こうした状況を踏まえて、継続可能で、そして足腰を中心に鍛えられる「3分ワークアウト」(左コラムを参照)をSHOTAROさんに考案してもらった。軽めなので誰にでもでき、また物足りないという人は時間やセット数を増やしたりしてもいいだろう。

 

 

 

お話いた

SHOTAROさん

NSCA-CPTNSCA-CSCS認定パーソナルトレーナー。一般向け、アスリート向けにサービスを提供。幅広い年齢層に対応し、個人のレベルやニーズに合わせたワークアウト、トレーニングプログラムの作成や栄養指導などを行う。ボクササイズを取り入れたトレーニングも人気。

Instagram: @bestteamshotime    Text: 347-421-9287
str.personaltraining@gmail.com

Photo by @SOME2PROVEMEDIA


「動きたくなるカラダ」る3分ワークアウト

パンデミックからのリカバリー時期に最適なワークアウトとしてSHOTAROさんがおすすめするのは、「ハイニーズ」「サイドスクワット」「ジャンピングジャック」。衰えてしまった足腰、ふくらはぎ、足首などを無理なく鍛え、下半身、首、肩周辺の柔軟性も高められる。1セットを各30秒として2セット行う。つまり所要時間はたった3分! 早速スマートフォンのタイマーをセットしてトライしよう!

以下のワークアウトはSHOTAROさんのインスタグラム動画(@bestteamshotime)でもチェックできる。


ジャンピングジャック

まず手を両サイドに下げたまま足を肩幅ぐらいに開く。ジャンプして両足をさらに広く開き、それと同時に両腕を大きく開いて、すばやく頭上まで持ち上げる。次のジャンプで両足を最初の肩幅ぐらいの位置に戻し、同時に腕も最初の姿勢に戻す。この2つのジャンプをリズミカルに流れるように継続して30秒。これを2セット行う。

Point

下半身強化に効果抜群の有酸素運動だが、肘を曲げずに腕をきちんと伸ばし、背筋を起こして胸を張りながらやらないと意味がない。これにより体幹、肩、背中上部を含めた全身の筋力強化と脂肪燃焼効率アップが期待できる。


サイドスクワット

足を肩幅より少し広めに開き、腕はハイニーズの時と同様に、肘を曲げて胸の前で軽く手を組む。写真のように、片足の膝を曲げてホールドし、また元の位置に戻す。左右交互に行うのではなく、同じサイドの足のスクワットを30秒続け、そのあとで反対側の足のスクワットを30秒行う。

Point

膝を曲げるとき、お尻を後ろに突き出すようにするのがポイント。体重はつま先側ではなく、常に踵に乗せ、膝がつま先よりも前に出ないように心がける。前方に体重をかかるように膝を曲げてしまうと、中臀筋やももの後ろ側の筋肉が鍛えられないので注意。


ハイニーズ

下の写真のように、肘を肩の高さまで上げて手を胸の前で軽く組み、片足の膝を曲げて高く上げる。その足を下ろして、今度は反対側の足を同様に上に持ち上げて、また下ろす。これを左右交互にリズミカルに行う。片足立ちになったときに、ぐらぐらせずにしっかりバランスが取れるよう気を付ける。

 

Point

膝の上げ下げをあまり速く行ってしまうと、中臀筋(ちゅうでんきん=骨盤から股関節向かってついている筋肉)や腸腰筋(ちょうようきん=背骨から股関節に向かってついている筋肉)が効率的に鍛えられないので、むしろ上げ下げは、筋肉を意識するような感じで、少しゆっくりめがよい。

 

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