コロナ禍で飲食店の入れ替わりが激しかったニューヨーク。パン屋においても新店が続々とオープンしている最近、こだわりのサワードウ生地のパンや個性的なクロワッサン、日本スタイルのサンドイッチなどが話題だ。今号では、2022年から今年にかけてオープンした注目のベーカリーを一挙紹介。
本場アメリカのブルワリー&ビア・バー巡り 米国にはブルワリーと呼ばれるクラフトビール醸造所が多く存在
ニューヨークで食べるなら、ニューヨーク産のチーズでしょ! チーズ専門家らが、生産にかける熱意とその奥深さを教えてくれた。
「アメリカではシャープで、若い味わいのチーズが好まれると思います。ソフトチーズや塩気のあるものが人気ですね」
そう語るのは、フラットアイアンにあるチーズ工場兼バーレストラン「ビーチャーズ」のエグゼクティブシェフ、クリストファーさん。
「数年ほど前までは、アメリカ産のチーズはヨーロッパ産に勝てないなんていわれていた。今ではヨーロッパ産にも引けを取らないほど上質なアメリカ産チーズが、たくさん作られるようになったんですよ」
シアトル発の「ビーチャーズ」のニューヨーク支店は、2011年にオープン。特製のチェダーチーズはマイルドながら塩気のきいた、オールマイティーな逸品だ。
原材料となる乳は、アップステートのショーダック・ランディングにある「ダッチ・ホロー・ファーム」のジャージー牛のもの。脂肪分を豊富に含む品種だ。これに、バレーシェにある「A・オームス&サンズ・デイリーファーム」で育った、脂質の少ないホルスタイン牛の乳を混ぜ合わせる。
発酵させてから低温殺菌し、バクテリアを配合。成形したものを乾燥・熟成させればチーズの出来上がりだ。その生産量は、実に毎日5万4000ポンド(約24・5トン)!
「冬の牛乳は脂肪分が豊富なので、一層深い味わいですよ」と、プロダクションマネジャーのクリスティンさん。通年で一定の品質を保つのは大変だそうだ。
丁寧に作られたチーズを一層おいしく食べるペアリングとは? クリストファーさんいわく、「一番いい組み合わせは、自分の鼻が知っている(“Your noes knows”)」。物は試しと、テースティングプレートを用意してくれた。同店のフラグシップ(オリジナルフレーバー)チーズには刻んだピクルス、スモーキーな薫製チーズにはキャラメルマスタード。そして味の濃いブルーチーズの相手は、なんとチョコレート。これがなかなかいける。
ワインのお供にするなら、同じくニューヨーク産の銘柄を選ぶのも一興だ。
同店には、「ピュアフード」という理念がある。
「私たちのチーズは、牛乳、塩といった自然の材料だけで作っています。おいしい食べ物に、読めもしない(化学調味料などの)材料が書かれた、長いリストは必要ない。子供たちにそういったことを教えたいんです」(クリスティンさん)
チーズ作りのスタッフですら農場に行ったことがないという、大都会ニューヨーク。「ビーチャーズ」はチーズを通して、現代人が忘れかけた自然本来の「おいしさ」を伝えている。\
Beecher’s Handmade Cheese
900 Broadway (at E.20th St.)
TEL: 212-466-3340
beecherscheese.com
地上階はチーズ販売や軽食を提供するカフェ、地下はレストランになっている。
発酵物だけに、衛生面の扱いは慎重だ。「人体に有害なバクテリアをブロックするため、殺菌消毒は念入りに」(クリスティンさん)ということで、編集部も手袋にブーツと完全防備で中に。
低温殺菌
発酵・分離・チェダリング
クリスティン・バリーさん
本場アメリカのブルワリー&ビア・バー巡り 米国にはブルワリーと呼ばれるクラフトビール醸造所が多く存在
竹田 寿司の流れに身をまかせ「桜の季節限定」メニューに耽溺 メニューはお寿司を中心とした全19品のお
本場アメリカのブルワリー&ビア・バー巡り 米国にはブルワリーと呼ばれるクラフトビール醸造所が多く存在
コロナ禍で飲食店の入れ替わりが激しかったニューヨーク。パン屋においても新店が続々とオープンしている最近、こだわりのサワードウ生地のパンや個性的なクロワッサン、日本スタイルのサンドイッチなどが話題だ。今号では、2022年から今年にかけてオープンした注目のベーカリーを一挙紹介。
お引越し
新年度スタートの今頃から初夏にかけては帰国や転勤、子供の独立などさまざまな引越しが街中で繰り広げられる。一方で、米国での引越しには、遅延、破損などトラブルがつきもの、とも言われる。話題の米系業者への独占取材をはじめ、安心して引越しするための「すぐに役立つ」アドバイスや心得をまとめた。
春も目前になり、春夏ものが店頭を賑わせるこの季節。タウンユースも出来るスポーツ&アウトドアブランドはお洒落で着心地も良く、機能的。本号では街着でも取り入れられるスポーツ&アウトドアブランドを紹介する。
ニューヨーク3大チャイナタウンの1つ、ブルックリン区サンセットパーク8アベニュー(八大道)は別名グルメ通り。ぽかぽか陽気に誘われて食べ歩きに出かけてみよう。