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野球の本場・米国で活躍する日本人メジャーリーガー。取材現場で感じた選手の“今”の思いや状況を深掘りするコラム。
ジャピオンの読者さまがこれを読んでいる頃には、2026年から新たにメジャーに挑戦する選手たちの移籍先が決まっているはずだ。ヤクルトの村上宗隆内野手、巨人の岡本和真内野手、西武の今井達也投手の「ビッグ3」。さらに西武の高橋光成(こうな)投手、楽天の則本昂大(たかひろ)投手。全員が納得いく移籍先に決まることを願いながら、この原稿を書いている。個人的な願望をいえば、ニューヨークを本拠地にする2球団に日本選手が入団してほしい。次の号では、ヤンキースかメッツに入団した日本選手について、書けることを祈っている。
2023年WBCの様子
そして、野球ファンにとって新年の一大イベントがワールドベースボールクラシック(WBC)なのではないだろうか。 23 年に優勝した盛り上がりの再現を期待したい。日本代表「侍ジャパン」は、歴代最多のメジャーリーガーの招集に動き、最強メンバーが編成される見込みだ。ドジャースの大谷翔平、山本由伸、カブスの今永昇太、鈴木誠也、エンゼルスからは菊池雄星、メッツの千賀滉大、オリオールズからフリーエージェント(FA)になった菅野智之、パドレスの松井裕樹が日の丸を背負う予定だ。 12 月上旬、フロリダ州オーランドで開催されたウインターミーティングでWBCの監督会見に出席した井端監督は「自分ができることは限られている。条件が整った中で、最強のチームを作るだけです」とメンバー招集に尽力している。ウインターミーティングでは、ドジャース、パドレス、カブスなどの球団幹部とミーティング。日本人メジャーリーガーの大会参加について、出場OKの依頼をしながら、起用方法など侍ジャパンの計画を説明した。井端監督は「直接会って話ができたことは大きい。各球団の考えも聞けたし、非常に有意義だった」と手応えを得た。
準々決勝からは、会場をマイアミに移す。在米のファンは、現地観戦を計画している人も多いのではないだろうか。土地柄、中南米系のファンがローンデポ・パークを埋めることが予想される。スター選手をそろえる米国代表、ドミニカ共和国代表、プエルトリコ代表など準々決勝以降の相手は、手強いことは間違いない。

これからの日本選手たちの存在感
前回大会時、私はまだサンケイスポーツの社員として取材の現場にいた。新聞記者用語において、複数人で取材する場合、リーダーのことを「キャップ」という。私はWBC取材班のキャップとして、日本から合流する記者たちと役割を分担して慌ただしい数日間を過ごした。決勝戦のあとは、チーム宿舎近くで開催された優勝会見に出席。会見が終わったのは、午前3時くらいだったと記憶している。ホテルに戻り、日本の会社とどんなテーマで原稿を書くか、などを打ち合わせ。新聞紙面は何ページにも渡り、大々的に展開した。私は、朝7時まで原稿を執筆していた。 30 分だけ仮眠を取り、その後は、チーム宿舎に向かった。解散する日本代表の出発を取材するためだ。印象的だったのは、ダルビッシュ有(パドレス)が、見送りに姿をみせたことだ。バスに乗り込む選手たちよりも早めにバスの横にスタンバイ。ホテルから荷物を持って降りてくる選手たちやスタッフと挨拶をし、握手を交わしていた。3台のバスが出発すると手を振り、別れを惜しんだ。私はその後、チームホテルで吉田正尚選手のインタビューに参加。それが終わるとオーランドまで約4時間運転し、夜の便でアリゾナに向かった、その翌日からは、メジャーのオープン戦の取材に戻った。
今回のWBCではどんなドラマが待っているのだろうか。そして、今後大会がより大きくなり、日本選手たちの存在感が増すことを願っている。井端監督は「いずれ日本代表がオールメジャーになる時代もいつか来るのかと思っている。ただ、今のところは(今回の大会で)そうなることは考えていない」と今後の日本球界の発展を願った。WBCにメジャー組が選出された過去最多人数は第2回 09年、前回第5回 23 年大会の五人( 23 年は鈴木誠也が辞退)。日本の野球界のレベルが上がるほど、メジャー移籍を実現する選手たちが増える。近年では、岩手・花巻東高校からスタンフォード大学に進学した佐々木麟太郎、亜細亜大学からシアトル大に編入し、今春からジョージア大でプレー予定の二刀流選手石川ケニーら新たなルートを開拓する選手も現れ始めた。
私自身は独立して2年目を迎える2026年。日本選手を追いながら、現場からリアルを報じられるように頑張っていきたい。
山田結軌
1983年3月、新潟県生まれ。2007年にサンケイスポーツに入社し、阪神、広島、楽天などの担当を経て16年2月からMLB担当。25年3月より、独立。メジャーリーグ公式サイト『MLB.COM』で日本語コンテンツ制作の担当をしながら、『サンスポ』『J SPORTS』『Number』など各種媒体に寄稿。ニューヨーク・クイーンズ区在住。



