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今、米国の若い世代の間で1970年代後半から80年代にかけて日本で大流行したシティーポップを中心に熱狂的なファンが増えている。ブルックリン区に店を構え、レアものを揃えるフェイスレコードの間宮さんが選ぶ名曲を通して、その魅力を探ってみたい。
フランス映画にインスパイアされた
80年代アーバンメロウなレアバイナル

浅川マキといえば、大名曲『時代に合わせて呼吸をする積もりはない』がありますが、最終回は『アメリカの夜』をご紹介。ジャズミュージシャンの本多俊之のプロデュースによる、80年代のアーバンメロウに仕上がったレアバイナル。表題曲の『アメリカの夜』は、フランス映画の『La Nuit américaine』(ヌーヴェルヴァーグを代表する監督フランソワ・トリュフォー作/1973年)からインスパイアされた楽曲。独特の歌詞と都会感あふれる楽曲は、シティポップとは違うなにかを与えてくれるはず。レコードは入手が難しいですが、CDでは発見もしやすいかと思います。
最後に、1年と9カ月、レコードのご紹介をさせていただきました。ご覧いただいた皆さま、ご感想をお店で教えてくれた皆さま、長い間お付き合いいただき、本当に感謝しております。ありがとうございます。また何処かでお会いしましょう。
フェイスレコード■

2018年にウィリアムズバーグ地区にオープン(営業は木曜日から日曜日の午後1時〜7時)。シティーポップをはじめ、山下達郎、竹内まりや、坂本龍一、YMOなどに代表される日本の音楽を中心に、ヒップホップや日本盤のジャズロックなども豊富に取り扱う。在庫数は8000枚、新入荷は毎週金曜日。レコードの買い取りも受け付け中。1994年に東京で創業し、現在は日本全国に全6店舗展開中。

間宮祐一
横浜市出身。脱サラし、2015年からニューヨーク在住。18年に同店をオープン。自身も筋金入りのレコードコレクター。また、ヒップホップの楽曲制作も行い、2020年に客演に『Freddie Gibbs』(グラミー賞ノミネーター)を迎えたシングルレコードを発表。座右の銘は「NO VINYL NO LIFE」。



