巻頭特集

NY話題のビジネスパーソン vol.7

ホーユーアメリカ

多様な人種と髪質が存在する米国で、地域密着型の販売戦略を

 

日本でヘアカラー製品シェアNO.1を誇るホーユー(※インテージSRI調べ)。米国でも日系アジア人を始め、さまざまな人種と髪質を持つ人々から愛されている。今回は、日本市場とはまた違った商品開発やマーケティング戦略の内容、そして注目の新商品について詳しくお話を伺った。

 

─ホーユーといえば、やはり自宅で白髪染めが圧倒的人気だと思われるが、米国ではどうか?

米国でも日系アジア人の方々を始め、『ビゲンスピーディ』など弊社の白髪染めをご愛用いただいており、人気は高いです。現地のヘアサロンでヘアカラーをすると数百ドルはかかるので、駐在の方々やそのご家族、アジア系やアフリカ系米国人、ヒスパニック系の方々にも、自宅で簡単に安価で楽しめるホームカラー商品はとてもご好評いただいています。

今回10月末に新商品『ホーユー・ビューティーラボ・ホイップヘアカラー』を発売したのですが、こちらはファッションカラーというコンセプトのもと、泡タイプで開発されています。今まで米国では、粉末とクリームタイプの白髪染めにフォーカスしていたのですが、本商品は、濃厚かつ繊細な泡が髪に均等に浸透し、色が均一に仕上がるのが最大の特徴です。シェイカー容器の中の液剤を30回ほどシェイクしていただくとホイップ状の泡が出来上がります。それを手袋で手に取り、髪に塗布するだけ。所用時間も30分程度という手軽さなので、ホームカラー初心者にもおすすめです。日本では20色くらい展開していますが、今回、北米では、明るさと色味に幅を持たせた人気の8色を厳選し発売します。アンティークチョコレートやシフォンベージュ、スイートブラウンなど日本で人気の色を現地でも取り込み、アッシュやグレージュなどニュートラルなカラーから明るめまで幅広く展開しています。

 

─実際に北米でホーユーの商品を使用している人々とは?

ホーユーアメリカは、カナダ、中南米、そして米国で展開されています。もともと黒髪を持つエスニック系の人々には、1950年代に発売されていた粉末系の『粉末ビゲン』商品が人気で、北米ではそれが売り上げトップ商品でした。米国におけるヘアカラー製品のニーズは、国の民族構成と同じくらい多様です。たとえば「白髪が染まる」という機能をみても、元の髪の色、髪質、ファッショントレンドや文化、さまざまな要因によって顧客のニーズは異なります。米国内では都市部と郊外など、各エリアによって住んでいるメジャーな人種も違い、それに対応する地元スーパーの陳列商品も本当に異なります。だからこそ、その地域に住むお客様が、どんな商品を求めているのかをしっかり把握することが重要になります。

─日本市場との違いは?

どこの店舗に行っても同じラインナップが揃っていて欲しい商品がたいていどこでも買える、それが日本のマーケットのユニークなところでもあります。それに対し米国は、エリアやお店によって買いに来る客層や顧客ターゲットも全然違うので、スーパーに置いてある商品もまったく違います。おそらく日系のヘアカラー会社で米国に拠点を持ち、しっかりマーケティングしている会社は少数だと思いますが、その点、ホーユーは地域密着型でそれぞれのエリアや店舗に合った顧客のマーケティングができるという利点があります。ヘアサロンでも多く使用されているのも特徴と言えるかも知れません。

─今後の展望を教えて下さい。

ヒスパニック系やアフリカ系米国人のお客様の比率がアジア勢を抜く日もそう遠くないかも知れないとも思っています。特に都市部ではない米国の郊外に行くと、アジア系以外の顧客様の需要がかなり大きくなっているのも事実です。ですので、これからも地域のニーズに合わせた商品展開をしていくことが重要だと思っています。今後も日系市場には引き続き力を入れていく一方、、将来的なビジネスの拡大を見据え、他人種のお客様がどんな商品を求めているかにも、より一層注目していきたいと思います。

 

               

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