注目トピックス 編集部スペシャルレポート

テレビ局で社会科見学!ニュージャージー日本人学校の小学5年生 テレビ放送制作の裏側に潜入!

ニュージャージー日本人学校5年生の児童四名がウォール街にあるNHKコスモメディアアメリカ本社を訪問。日本の番組を米国とカナダに配信する仕組みや、米国から日本へ野球中継する方法とその裏側、スタジオでのニュース番組の撮影など、実際にオフィスを訪れ、未知だったテレビ放送局の仕事について学んだ。

■ ■ ■

NHKコスモメディアアメリカはNHKのグループ会社として1990年に設立。主な仕事内容として、今年3月から新たに始まったインターネットを通じて配信する動画ストリーミングサービスと、番組制作がある。インターネットを使った動画配信は、通称「Jme(ジェイミー)」という配信サービスを通じ、TVサービスとオンデマンドサービスを提供している。TVサービスでは、日本語チャンネルとしてNHKワールド・プレミアム、英語のNHKワールドJAPANを同時配信。また、NHKの朝の人気ドラマやキッズチャンネル、大相撲などを米国とカナダで観られるよう配信している。また、オンデマンドでは、民放の人気ドラマやバラエティー番組、映画やアニメなど見たいときにいつでもその番組が見られるサービスを提供。番組制作として、ドジャース大谷選手を中心に米国大リーグのスポーツ中継やオリンピック中継のサポート、北米でのドキュメンタリーや情報番組の制作などを手がけていることを、児童たちにわかりやすく説明した。

また、ニューヨークのヤンキースタジアムやロサンゼルスのドジャースタジアムなどで行われる大リーグの試合が、実際どのように日本へ中継されているのか、番組制作担当ディレクターが解説。主に大谷選手を追いかけ、今年はすでに220試合ほど放送しており、中継スタッフはプロデューサーやカメラマン、音声など通常15人ほどだが、ワールドシリーズなど大試合になると40人にも及ぶスタッフが制作に携わるという。選手の動きを解析するスローモーション映像やその他さまざまな撮影を可能にする特殊カメラの存在や設置場所、観客の声援を拾うマイク機材、中継時に大切なことなどについて語り、児童たちも興味深そうに耳を傾けていた。

その後、児童たちは、実際に日本と米国の時差を調整しながら番組配信を行う24時間体制の送出スタジオや収録スタジオを訪れ、自らアナウンサーとなってニュース原稿を読み上げ撮影する、という番組制作も体験した。最後に児童たちからの質疑応答があり、「記者は何人いるのか」「一番高いカメラはいくらか」「今まで一番大変だった撮影は何か」など、いろいろな質問を番組制作スタッフに投げかけていた。

ニュース番組の制作現場を熱心に見学する児童たち

収録スタジオでは、実際にアナウンサーとしてニュースを読む場面も

24時間稼働しているJme送出スタジオにて、番組配信の仕組みを学ぶ

皆木代表取締役社長のお話に耳を傾ける


皆木弘康 代表取締役社長

テレビ局は言論機関の一つなので、表現・言論の自由ということが一番大事になってくると思います。日本や米国などの民主主義国家では報道機関やメディアが国によって干渉されることはありませんが、共産主義国は国が放送内容をコントロールします。公共放送であるNHKや日本の民間テレビ局では、国に支配されることなく自由に自立して放送できるということがとても大切なのです。

 

ニュージャージー日本人学校 社会科担当 原田祥子先生

NHKコスモメディア様にお伺いしたのは今回が初めてで、児童たちと一緒に事前にリサーチをしたり質問を考えたりして準備してきました。日常ではなかなか知り得ないテレビ放送の裏側や仕組みを学ぶことができたり、番組制作に関わる方々からお話を実際に伺うなど、素晴らしい機会に感謝しています。

               

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