今話題のプランタンニューヨーク
今年3月下旬に、160年の歴史を持つフランスの百貨店プランタン(PRINTEMPS)が、ウォール街に米国初出店を果たした。「百貨店ではない」をコンセプトにした小売りの新時代を切り開く新しいリテールモデルを目指す、今号ではそんな話題のプランタンニューヨークの魅力を探ってみた。
ドキュメンタリー映画『サイレントフォールアウト』の上映会を7月11日(木)から8月21日(水)にかけて、北米大陸をツアーする企画がいよいよ始まる。2023年3月に完成した同作は、公開以来、全国200カ所以上で上映され、世界27の国際映画祭で正式上映、受賞をするなど国内外で反響を呼んだ話題作である。
今回は、その同作の監督である伊東英朗さんが、7月は東部(アーカンソー、ワシントンDC、ボルチモア、ニューヨーク、オーシャンシティ、ボストンなどを予定)、8月は西部(シアトル、ソルトレイクシティー、サンフランシスコベイエリア/オークランド、バークレーなどを予定)数千キロを、ほぼ車で旅しながら上映し、各地でスピーチなどを行うというツアーだ。
7月16日(火)は、人類史上初となる原爆実験成功の「トリニティ実験の日」であり、その日はアメリカン大学で、原子力研究所所長ピーターカズニック教授や、エネルギー環境研究所所長アルジュン・マキジャニ博士と伊東英朗監督がパネルディスカッションを行う予定である。また、広島原爆の日である8月6日(火)はローレンスリバモワ国立研究所のデモ集会でスピーチを、長崎原爆の日である8月9日(金)はオークランドで上映会を行う予定である。
いよいよツアーが始まりますが、今のお気持ちは?
核実験による被害を追いかけて20年。「世界中で起こっている放射能汚染による環境破壊に歯止めをかけたい」と取材活動を続けてきました。
今まで、さまざまな活動を日本国内でやりましたが、ほとんど何も変えることができないどころか、2011年には福島第一原子力発電所事故が起こり、日本列島が放射能汚染してしまいました。核実験の取材を始めた当初、核実験を所管した米国原子力委員会の機密文書を入手することができました。核実験によって米国大陸が放射能汚染していることを知り、なぜ、米国政府が、米国国民を被爆させるのか、理由がわかりませんでした。その後さらに、国民がその事実を知らされていないことを知り衝撃を受けました。
それがきっかけとなり、米国大陸全域の放射能汚染を描いた、第3作となる本作『サイレントフォールアウト』を製作することを決めたのです。米国内で101回の大気圏内での核実験が行われ、放射能汚染を続けたこと、太平洋で行われた100回を超える水爆実験によって、さらに米国大陸が放射能汚染し続けた事実があります。それを伝えると共に、当時女性たちが立ち上がり、子供たちの放射能汚染を科学的に証明し、その結果、ケネディ大統領が実験の中止を決定した歴史的事実を伝えるために、このツアーを企画することになりました。
具体的な例を挙げると、ネバダ核実験場では828回の地下核実験が行われました。もし、当時の女性たちが行動を起こさなかったら、そして、ケネディ大統領が決断しなかったら、大気圏内での核実験は続けられ、米国大陸は多量の放射能によって人類が存在できない場所になっていた可能性があったのです。
もうこれ以上、放射能による汚染を止めなければ、米国だけではなく地球が壊れていくことを世界中が自覚し、放射能で汚れていない地球を取り戻さなければなりません。それは、22世紀の人類に向けての私たちの責務だと確信しています。
本作は、米国の人たちに事実を伝え、それぞれが議論し、世論を高めるためのきっかけでしかありません。私は日本人として、米国の人たちに対して、意見を押し付けるつもりはありません。静かに事実を伝えるためのツアーなのです。
ツアーをどのように展開していきたいですか?
この上映ツアーを一度ではなく、今後も定期的に繰り返していく必要があると考えています。地道な自主上映を重ね、米国内で世論を高めていくことが、全てのベースとなり、さらに、繰り返しの中でメディアによって拡散されることを願っています。
また、米国大陸が核実験によって放射能汚染していることを米国議会で議論する必要があります。核兵器のもつ意味をもう一度、再確認することが、次への大きな一歩となるでしょう。さらに、SDGsへ、放射能による環境破壊の改善が明記されることで、地球規模でこの問題に取り組むことにつなげていくことができればと考えています。
地道な繰り返しが肝心で「継続」「議論」そして「共有」することです。より輪を広げ連携し、22世紀に美しい地球を残すことを地球規模で共有する日が、かならず来ると信じて行動し続けていきます! 一人でも多くの人に本作を是非観ていただきたいです。
伊東英朗
ドキュメンタリー映画監督/テレビディレクター
1960年愛媛県生まれ。2004年、マグロ漁師の被曝事件に出会い調査報道を開始、20年にわたり取材を続ける。テレビ番組『わしも死の海におった』『汚名』『クリスマスソング』『放射線を浴びたX年後シリーズ』などを制作。その傍ら、映画『放射線を浴びたX年後』『放射線を浴びたX年後II』『SILENT FALLOUT』3作を製作。上映は国内外450カ所を超える。 芸術選奨文部科学大臣賞、地方の時代映像祭グランプリ、石橋湛山早稲田ジャーナリズム大賞、日本民間放送連盟賞最優秀賞、ギャラクシー賞大賞、日本記者クラブ賞特別賞などを受賞。
『SILENT FALLOUT』
【監督】伊東英朗
【ナレーション】加藤登紀子(日本語版)、アレック・ボールドウィン(英語版)
映画『SILENT FALLOUT』公式ウェブサイト
〈上映スケジュール〉
■7月19日(金)午後6時30分(6時ポットラック、6時30分上映開始)
Purchase Friends Meeting(4455 Purchase St., West Harrison, NY 10604)
■7月20日(土)午後2時(1時〜2時は音楽イベント、2時上映開始)
Anthroposophical Society NY branch(138 W. 15th St.)
■7月21日(日)午後1時
Ocean City Free Public Library(1735 Simpson Ave. Ocean City, NJ 08226)
*ニューヨーク州とニュージャージー州のみ記載、チケット情報と他州の上映スケジュールは公式ウェブサイトよりご確認ください。
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2023年に渡米しӌ
ニューヨーク&#
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