巻頭特集

お引越し

新年度スタートの今頃から初夏にかけては帰国や転勤、子供の独立などさまざまな引越しが街中で繰り広げられる。一方で、米国での引越しには、遅延、破損などトラブルがつきもの、とも言われる。話題の米系業者への独占取材をはじめ、安心して引越しするための「すぐに役立つ」アドバイスや心得をまとめた。(取材・構成/中村英雄)


レベルアップした米系新世代引越し業者CEOに聞いた

最近、街の至るところで見かける派手なピンクのトラック。ニューヨークの運送会社ピース・オブ・ケーキPiece of Cake Moving &Storage。以下PoCと略)の躍進が気になる。利用した日本人の間でも「米系にしてはとてもよかった」と評判がいい。一体どんな会社なのか? 同社のポポヴィッチ社長が本紙に語った。

CEOのヴォジン・ポポヴィッチさん

 

Q:ものすごい勢いで成長していますね。会社の沿革について教えてください。

A:弊社は、2017年12月にトラック1台で「楽しい引越し」を目標に設立しました。24年現在、トラックの保有台数は250台超。500人以上の従業員を抱え、そのほとんどが主戦場であるニューヨークに住んでいます。

Q:事業成功の理由は何だと思いますか?

A:お客様を大切にすると同時に、引越し作業員たちの就労満足度を上げる努力をしたことでしょう。この業界は昔からそこが遅れていたため、引越しがユーザーと業者の双方にとって「人生の苦痛の種」になっていました。引越しをストレスのないシームレスな体験に変えるというコンセプトを前面に掲げ、PoCブランドを構築したのが成功の理由です。

Q:サービスや商品に関するモットーは?

A:「できない相談はない」

Q:ネットを見てもPoCにはネガティブな批判が少ないです。なぜですか?

A:常にお客様の立場に立って引越しを考えるから。特に、明確で透明性のある価格設定。これはPoCの最も重要な哲学の一つであり、決して妥協しないルールです。

Q:時間通りに引越しが完了しなかったり、物損事故など、予期せぬアクシデントが発生した場合の補償はどうなっていますか?

A:PoCでは、常にお客様の立場に立つ利用規約を用意し、万一の際には適切なサポートと解決策をご提案し、どんなお客様でもないがしろにすることのないよう、万全を期しております。

Q:多忙な中で支障なく業務を行うために心がけていることは?

A:早めの計画・予測・準備に尽きます。12~18カ月先の市場ニーズを分析し、それに合わせた業務準備を行います。おかげで、年々増加する注文と共に生じる事故を防げるだけでなく、常にお客様の引越し体験の質を向上できるよう努めています。

Q:従業員の採用に関する規定や方針は?

A:助手見習いからドライバー、そしてチーム内のトップ管理職に至るまで、従業員全員のバックグラウンドチェックと完全な研修を実施しています。

Q:PoCの誇りを教えてください。

A:このビジネスで築き上げた新しい引越し文化とエネルギー、そして社員が人生のいい時も悪い時も常にサポートされていることを誇りに思っています。

Q:海外引越しを扱う予定は?

A:26年か27年あたりに計画しています。

Q:日本語を話せるスタッフはいますか?

A:従業員数が多いので、少なくとも数名の日本語を話す引越し従業員がいると確信しています。私たちはニューヨークで今一番愛されている引越し業者です。ぜひ、ジャピオン読者の皆さんも一度利用してみてください!

街中でよく見かける同社のトラック

 

Piece of Cake Moving and Storage

TEL: 212-651-7273

mypieceofcakemove.com

               

バックナンバー

Vol. 1328

雑誌『ザ・ニューヨーカー』世界

ニューヨーク発の洗練された洒脱な視点で、調査報道から小説や批評、コミックやイラストまで、多彩な記事を掲載する老舗週刊誌『ザ・ニューヨーカー』。昨年は創刊100周年を迎え、その節目を祝う企画やイベントが相次いで開催された。ニューヨーク公共図書館本館では記念展示が行われ(2月21日まで開催中)、それに連動した名物編集者らによる座談会形式のトークショーが9月に実施。さらに先月には編集部の舞台裏に密着したドキュメンタリー番組がネットフリックスで配信されるなど、同誌は改めて世界中から大きな注目を集めている。本特集ではその歴史と編集哲学に迫りたい。

Vol. 1326

レストランからアート、本、音楽まで 今年のニューヨークベスト

2025年も年の瀬を迎える。米国の各メディアでは、この1年を総括する「ベストオブ2025」が出揃いつつある。本特集では、そうしたベストリストを手がかりにしながら、今年のニューヨークを映し出す「ベストオブベスト」をさらに厳選して紹介し、今まさにこの街で生まれつつあるトレンドに迫りたい。