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今年3月下旬に、160年の歴史を持つフランスの百貨店プランタン(PRINTEMPS)が、ウォール街に米国初出店を果たした。「百貨店ではない」をコンセプトにした小売りの新時代を切り開く新しいリテールモデルを目指す、今号ではそんな話題のプランタンニューヨークの魅力を探ってみた。(取材・文/伏見真理子)
ファッションの可能性と魅力的なデザインに満ち溢れている新スポット
1931年以来、ローワーマンハッタン地区のスカイラインを象徴してきたアールデコ調のオフィスタワー「ワン・ウォール・ストリート」が、販売額100万ドル超のレジデンスに生まれ変わったのが一昨年のこと。そして、今年の3月に同ビルの1、2階部分を占める形でプランタンニューヨークがオープンした。総売場面積約4000平方メートルで1階のブロードウェーに面したメーンエントランスを入ると、最旬のアパレルやバッグ、雑貨などが集積された「プレールーム」と呼ばれる売り場や、「レッドルーム」と呼ばれる高級靴売り場がある。
「プレールーム」
「ビューティーコーナー」
特にアイコニックな売り場となる「レッドルーム」は、同ビルが建築された当時、画家のヒルドレス・メイエールによってアールデコ洋式でデザインされた空間で、1200平方メートルの壁に赤やオレンジ、金の色調の精巧で美しいモザイクタイルがちりばめられている。中央には美しいフォルムの棚が設置され、そこにラグジュアリーブランドの靴が並ぶ、まさに芸術とファッションが融合した壮麗な空間である。現在この「レッドルームは」は、ニューヨークのランドマークインテリアに指定され、プランタンの一部として一般公開されている。

「レッドルーム」は、ニューヨーク・タイムズ紙が「当時最も著名な壁画家」と評したヒルドレス・メイエールによって設計された。
パリの最新インテリアを次々と手掛けるローラ・ゴンザレスを起用
内装は全て、パリを拠点とする建築家兼インテリアデザイナーのローラ・ゴンザレス氏が手掛けた、アールデコとアールヌーボー様式の豪華な装飾が施され、店内はまさに圧巻で、色彩、質感、模様が溢れ出している。彼女は、数々の賞を受賞し洗練された住宅プロジェクトや、世界中の一流ラグジュアリーブランド、ホスピタリティーグループとのコラボレーションで知られており、パリの話題のインテリアは全て彼女が手掛けているといわれる超売れっ子だ。
建築家のローラ・ゴンザレス
新しい感性に出会えるファッション、文化、芸術、全てが融合する体験型空間
近年の高級百貨店には、ブランドブティックが多数あり、デザインの視点が失われているとファッション業界でささやかれている中、プランタンは流動的で創造性に富んだ売り場づくりを実現。オープンなイメージで陳列に工夫を凝らしているのがうかがえる。また、商品の4分の1は、ここでしか手に入らないフランスのブランドやニューヨーク初上陸の商品なのだそう。客としては、そういった特別感に購買意欲をくすぐられる。他にも、買い物客はサロンでヘッドマッサージを受けたり、フランス語のレッスンを受講することも可能だ。
CEOのジャン=マルク・ベライシュ氏は、「我々は『百貨店』ではありません。ここはニューヨークの中心にあるフランスのアパートメントです。ショッピングと食、体験、文化、そしてサービスが融合する場であり、フランスの洗練されたキュレーションと、米国の最高のホスピタリティーが融合された空間になります」と語る。また、ベライシュ氏はパリの旗艦店とニューヨーク店の決定的な違いは料理にあると指摘した。2階層の店内という限られた空間の中に五つのレストランやバー、カフェが展開されていることは非常に珍しいそうだ。
ショッピングを通して文化や芸術、体験、そして食が融合し何かが生まれる、そんな新しいニューヨークのランドマークにこれから目が離せない。
Printemps New York
1 Wall St.
TEL: 212-217-2299
us.printemps.com



