巻頭特集

プライド月間への理解を深める

LGBTQコミュニティーを牽引する
ヤング・アクティビストを紹介

ミレニアル世代やジェネレーションZ世代など、性自認に関しても敏感な若い世代を中心に、アクティビストが続々登場している。


トランスジェンダー活動家から
女優に転身

ゾーイ・ルナ
自認している性: she/her

トランスジェンダーを公言するゾーイは、若い世代としていくつかのドキュメンタリーに出演。12歳の時に、男子として生まれるも就学児には女子として自認し、クラスメートからのいじめや葛藤を追ったドキュメンタリー作品「Razing Zoey」の撮影を開始した。その後いくつかのドキュメンタリー撮影を経て、現在は女優として活動をしている。2020年には「ザ・クラフト:レガシー」で主役を務めている。最近パートナーと婚約。


多彩な表現をする
車椅子のモデル

アーロン・フィリップ
自認している性: she/her

子供の頃に脳性麻痺と診断され、車椅子生活を送るアーロンは、14歳の時に性別不適合を認識し始めた。2018年にはトランスジェンダーの女性としてさまざまな場所に登場するようになり、高校3年時にモデルになることを決意。名だたる雑誌でモデルや編集を通じ、世の中へ向けて積極的に活動を行う。トランスジェンダー、ブラック、身体障害というマイノリティーをパワーに変え、クリエーティブな表現で注目されている。


ブラック&LGBTQコミュニティーから声を上げる

アシュトン・モタ
自認している性: he/him

トランスジェンダーを自認するアシュトンは、中学校時にヒューマンライツ・キャンペーン・ユース・ファンデーション・アンバサダーに就任。アメリカの教育機関GLSENの会議で開会の辞を述べた。マサチューセッツ州の「Yes on 3」ムーブメントではキャンペーンの顔に選ばれ、法律によりトランスジェンダーの人々の生活が変わると訴えた。LGBTQに加えブラックであることで、マイノリティーの理解のための演説を全米で行う。


トランスジェンダーにより
軍事奨学金が取り消しに

マップ・ぺスケイラ
自認している性: he/they

トランプ政権時の2019年、テキサス大学オースティン校の学生であったマップは、トランスジェンダー・サービス・メンバー禁止の規定により、軍事奨学金を取り消しにされた過去を持つ。幼い頃から軍の将校を目指していたこともあり、これにより、精神的なダメージを受けたことは言うまでもない。奨学金の取り消しにより、クラウドファンディングで学費を集め、財団などから奨学金を得て大学での生活を継続している。


NCAA初公認の
トランスジェンダースイマー

シュイラー・バイラー
自認している性: he/him

ニューヨーク出身のシュイラーは、ハーバード大学の女子水泳チームに入り、ギャップイヤーを経て男子チームに移籍。全米大学スポーツ協会初のトランスジェンダー公認スイマーであるほか、NCAA(全米大学スポーツ協会)D1男子チームのあらゆるスポーツに出場した初のトランスジェンダーアスリートでもある。認知神経科学と進化心理学の学位を取得し、現在はハーバード大学でリサーチアシスタントを務めている。


気候変動に立ち向かう
アクティビスト

ジェイミー・マーゴリン
自認している性: she/her

2017年に青年活動家たちと共に、青年気候行動組織「ゼロアワー」を設立したジェイミー。自身はレズビアンと自認し、LGBTQに対する意見も積極的に発信しているが、気候変動に対する活動家としての活動で注目されている。18年にはワシントンDCと世界の主要都市で「Youth Climate Marches」を主張。SNSで#Thisiszerohourのタグを使い、世界中に活動が拡散され、ゼロアワーは今や世界中に広がっている。


コネティカット初の
LGBTQキッドガバナー

エラ・ブリッグス
自認している性: she/her

2019年、小学校5年生の時にコネティカット州のYouth Safetyのプラットフォームで同州初のLGBTQキッドガバナーに選出されたエラ。まだあどけない表情の彼女だが同性愛者を公言し、掲げる取り組みはLGBTQの若者を擁護すること、ホームレスのLGBTQの若者の養子縁組を促進すること、LGBTQの若者を支援する方法を教師に向けセミナーを行うなど。積極的な活動を行い、全米から注目を集めている。


6月は先人アクティビストを
讃える月間でもある

若き日のフランク・カメニー

20世紀にゲイの権利を求めて戦った活動家といえばフランク・カメニーだ。同性愛者差別に対して初めてアメリカ最高裁判所に異議申し立てを行った人物であり、ゲイであることを公表した初めての連邦議員候補でもあった。こうした先人の戦いがあってこそ、現在のようなゲイライツ・ムーブメントが広まっているのだ。

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