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年をまたげば、迫ってくるのがタックスリターン。一見シンプルな収入構造の人でも、思わぬ落とし穴があり、申請に手間取ることがある。まずは、本質をしっかり理解しているかの確認から始めよう。
米国税務省(IRS)と自分の住んでいる州または市に、日本でいう確定申告を行うことを指します。過払いの税金を払い戻す、あるいは不足分を納税することで、追徴税や罰金を防ぎます。
市民権やステータスにかかわらず、アメリカ国内で所得があれば申告が必要です。ただし一部のビザ保持者(F・Jなど)は除外されることもあります。
タックスリターンは収入額にかかわらず申告しなければなりません。思わぬ課税が控除対象となり、少額であってもお金が戻ってくる可能性があります。
来年度は4月15日(金)に締め切り予定です。ただし、今年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、5月まで延期されました。来年も政府からイレギュラーな対応を求められる可能性がありますので、最新情報に注意してください。
また、今回のパンデミックで失業・転職者が例年より多くなっています。税理士との準備や政府の対応も、通常よりも時間がかかる可能性があります。準備は早めに始めましょう。
IRSよりペナルティーが課せられる場合があります。遅延期間分だけ利子が算出され、増税されることがあるので、締め切りを過ぎてしまったら、早めに会計士に相談しましょう。
申告はどこにいても義務付けられていますので、オンラインから申請してください。郵送でも可能です。また、基本的にはどの会計事務所も、海外からの相談に対応してくれると思います。今年中に日本に永久帰国したり、別の州に転居した場合は、別途申請が必要です。これは後の号で詳しく解説します。
申請者は必ずソーシャル・セキュリティー・ナンバー(SSN)を保有している必要があります。新たに米国にやって来た場合は、社会保障事務局に申請し、取得します。
ただし、現在も新型コロナウイルス感染拡大の影響で、取得プロセスに時間を要する場合があるので注意が必要です。通常、就労ビザの配偶者・扶養者など、SSNがない人は、ITIN(Individual Taxpayer Identification Number)こと、個人用納税者識別番号を申請します。今回のパンデミックでSSNが取得できていない人にも、ITINの取得が推奨されたのですが、こちらもIRSの対応が停滞し、取得できなかったケースがありました。
納税義務がある限り、タックスリターンは最大3年分までさかのぼって申請可能です。こういった事情がある場合、対応がそれぞれケース・バイ・ケースになるので、会計士に別途相談することをおすすめします。
もう一つ、勤務先から送付されるW2フォームが申請に必要になります。これは1年間の収入と源泉徴収について記した書類です。万一紛失した場合は、再発行を申請してください。
〈おことわり〉
当社は、掲載記事の内容に関して、一切責任を負いかねます。詳細は各専門家にご相談ください。
尾崎真由美会計士
ワシントン州CPA、ニューヨーク州会計士。
東洋大学法学修士、経営学修士。
アメリカ全域および日本に、会計・経理代行サービスや税務コンサルティングなどを行っている。
フロリダのオフィスから完全リモートで、問い合わせから12時間以内に対応する。
尾崎会計事務所
18001 Old Cutler Rd., Suite 454
Miami, FL 33157
TEL: 877-827-1040
info@1040me.com
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