巻頭特集

2020年秋冬にニューヨークで新たにビジネスを始めたオーナーたち

「コロナ禍の今こそあえて」、あるいは「元々のオープン予定がずれて」などの理由で、2020年秋冬にニューヨークで新たにビジネスを始めたオーナーたち。オープンから数カ月経った今、その率直な現状を聞いてみた(取材・文/南あや)


山田屋 (グロサリーストア)

まずは地道にリピーターづくり!

2020年11月に新規開店した、グロサリーストア「山田屋」は、当初の予定から半年以上後ろに倒れたオープンを経験した。

「お店の構想自体は数年前からあったようですが、新型コロナウイルスの感染拡大がなければ、20年春にはオープンしている予定でした」と話すのは、同店スタッフの髙橋さん。

 

幅に余裕のある通路に、整然と並んだ商品。店に入ると、まずその取り扱い商品の数に目を見張る

 

予想と異なる客層

ニューヨーク大学にもほど近いグリニッジビレッジということで、アジア人を含む学生層をメインターゲットとしたが、授業がリモートになった今、地元のアメリカ人利用客が多い。

「日本語に親しみのない人がほとんどなので、若い世代に人気の美容系商品よりも、商品をパッと見てイメージがつかみやすい食品系の方が今は人気です」

実際に店舗を見て回ると、白を基調とした清潔感ある店内には、シールや小物雑貨、靴下、生理用品など、非常にバラエティーに富んだ商品がずらりと並ぶ。「店舗スペースに余裕があるので、ソーシャルディスタンスが取りやすいのは、意外なポイントでしたね」と髙橋さんは笑う。

人手と流通が課題

このコロナ禍で何より痛手なのが、流通の停滞。現在店舗には約1万点の商品が並ぶが、入荷が中断したり、店舗到着に3カ月遅れが出たりという事態も珍しくない。前述の通り陳列スペースが多いので、それを埋められないことがもどかしかったという。独自の仕入れルートも切り開いて対応した。

髙橋さんによると、現在強化したい商品の一つが、出来合いの弁当類だ。

「レストランが営業するだけ損失を出しかねない状況なので、調理を請け負ってもらえるところが見つからず、難航しています」

同時に、人材不足にも頭を悩ませているそう。失業保険の拡充により、再就職先を焦って探さない人が多いようで、経験者優先で探しているが難しいという。

将来は「どこよりも安く」

同店のオープン時からの目標が、「どこよりも安い日系グロサリー店」になること。現在は商品の入荷状況が万全ではないが、落ち着いたら、価格調整に力を入れていきたいという。

「『メルカト』を含むオンライン販売も始めました。今はとにかく種まき状態。より多くの人に当店のことを知ってもらい、リピーターになってくださればうれしいです」と髙橋さんはにっこり笑った。

 

店側が気合いを入れて取りそろえるメークアップ商品は、アイメークだけでこの量!

 

利用者のマスク着用状況も万全で、すでにリピーターも多く存在している

YAMADAYA

【オープン】2020年11月(当初のオープン予定=2020年春)
【従業員】約10人
【営業時間】月〜金曜日 午前9時30分〜午後9時30分
450 6th Ave. (bet. 10th & 11th Sts.)
TEL: 646-609-2199
facebook.com/yamadayanyc

 

 

 

               

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