NY近郊で起きた今週のニュースまとめ

<ニューヨークシティー>市がSNS企業提訴 若者依存で公共妨害

ニューヨーク市は8日、FacebookやInstagram、TikTokなど大手ソーシャルメディアの運営会社を相手取り、若者のメンタルヘルス悪化を招いたとして提訴した。9日付ザ・ヒルが伝えた。市や公立学校などは、これらの企業が若年層の依存を助長し、精神疾患を引き起こしていると主張。うつや不安障害、摂食障害などを誘発し、医療・教育体制に深刻な負担を与えているとした。市は「公共の妨害」として責任を問う構え。提訴されたGoogle社は「主張は事実無根」と反論した。各州でも同様の訴訟が相次いでいる。

快適な生活費用発表 年間18万ドル必要

ニューヨーク市で独身者が快適に生活するには、年間18万4420ドルが必要であることが、新しい調査で明らかになった。11日付ニューヨークポストが伝えた。GOBankingRatesは2024年の米国国勢調査や労働統計局などのデータを分析し、生活費の50%を必需品、30%を余暇、20%を貯蓄に充てる「50/30/20ルール」に基づき、単身で生活する最低額を9万2210ドルと算出。その倍額を快適に暮らすための目安とした。ニューヨーク市は賃貸世帯が多く、地域によっては家賃が平均住宅ローンより高くなるため、必要額はさらに増える場合がある。

地下アパート合法化 オンライン申請開始

ニューヨーク市で合法的な地下室アパートの導入が始まった。13日付ゴッサミストが伝えた。市建築局は住宅所有者が地下室や屋根裏、裏庭などを副次的住居ユニット(ADU)として改装し、賃貸できるオンライン申請を開始。市の深刻な住宅不足を緩和する取り組みの一環で、申請の大半はクイーンズ区とスタテンアイランド区から。安全面を重視し、洪水や火災のリスクがある地域での地下室ユニットは認められない。州議員の一部は反対し、密集化や生活の質低下を懸念。一方、住宅団体は高齢者や単身者が家族の近くで暮らせるメリットを強調する。

<マンハッタン>

57丁目駅で襲撃事件 マスク男らが逃走

11日夜、ミッドタウン地区のFラインの57丁目地下鉄駅で、男二人がマスク姿の男らに暴行を受けた。12日付amニューヨークが伝えた。被害者の37歳と39歳の男性は、フーディーとマスクを着けた不審な男二人を「何か起きたときのため」と撮影していたが、男らは激怒。37歳の男性は線路に押され、39歳の男性は左手を切られた。容疑者は紫のジャケットの男とオレンジのジャケットの男で、二人の不明女性とともに逃走した。被害者二人は救急隊により病院に搬送され、安定した状態。NYPDは捜査中で、現時点で逮捕者はいない。クライムストッパーズでの情報提供を呼びかけている。

ブロードウェースト 賃上げ・医療改善要求

8月31日から契約なしで働くブロードウェーの音楽家が1日、ブロードウェーリーグ宛てに賃上げ、医療保険改善、解雇防止策を求める公開書簡を提出した。13日付ゴッサミストが伝えた。音楽家の組合Local 802 AFMによると、投票参加者の約98%が交渉が進まなければストライキに賛成。2024〜25年シーズンは興行収入18億9000万ドル、来場者1470万人と過去二番目の記録的成果を上げたが、契約切れの俳優組合との医療保険交渉が停滞。俳優や舞台監督もストライキを検討しており、同時行動ならば41劇場に大きな影響を及ぼす。今後2週間以内に実施される可能性がある。

<クイーンズ>

メッツ大砲に動き 7年契約目指しFA

ニューヨーク・メッツの一塁手ピート・アロンソ(30)は、今オフに少なくとも7年契約を求めてフリーエージェント市場に出ると報じられた。12日付MLB公式サイトが伝えた。昨年のオフは短期契約でメッツに復帰したが、今回はより長期の安定を希望。アロンソは2年契約の1年目オプトアウトを行使し、今季162試合すべてに出場。打率2・72、38本塁打、126打点を記録し、チームの通算本塁打記録も更新。アロンソは自身の過去7年間の安定した成績を根拠に、長期契約による将来の保障を重視しており、30代後半になってもフルタイム指名打者として活躍できる見込みとしている。

<ブルックリン>

母親刺殺事件 懲役20年の終身刑

ブルックリン区で38歳の女性が母親を刺殺し、飼い犬をバルコニーから投げ落とした事件で、女性は懲役20年から終身刑の判決を受けた。10日付PIX11が伝えた。被告ドレア・ユージーン(38)は2024年1月、自宅で母親ドナ・ハイマン(58)と家族の小型犬ジジを殺害。警察によると、母親は首や胸、腕、背中、頭皮を55回刺され、犬は32回刺された後に11階から投げ落とされた。ブルックリン区地方検事エリック・ゴンザレス氏は「母親が我が子の手で暴力的に命を奪われたことは胸が痛む」とコメント。事件は家庭内暴力の悲劇として司法当局が厳正に対処している。

<アップステート>

鳥が血抜きで発見 儀式的殺害の可能性

プットナム郡レイク・カーメル付近で、首を切られ血を抜かれたニワトリ二羽と白いハト一羽が発見され、当局は儀式的殺害やカルトとの関連を調査している。8日付ニューヨークポストが伝えた。ニワトリはプラスチック袋に詰められ、白いハトは近くの森沿いで見つかった。今年、同様の発見が10件あり、4月には二羽の鳥が袋に入れられ捨てられていた。住民は「非常に衝撃的」と語る。動物を使った儀式はブードゥー教やサンテリアなどで行われることもある。動物虐待防止協会法執行部のロス署長は、違法投棄の現場でなければ犯罪を証明できないと説明している。

<ニュージャージー>

51年の文通後に対面 NJとイギリスの女性

ニュージャージー州オーシャンポート在住のデビー・ハウスチャイルドさんとイギリス・シッティングボーン在住のジェーン・ビーンさんは、51年間文通してきたペンパル同士だったが、ついに初対面を果たした。11日付ニューヨークポストが伝えた。感動的な瞬間はTikTokに投稿され、13万回以上再生された。二人は1974年、11歳の時に教育番組を通じて文通を始め、手紙や写真、カードを交換。後にメールに切り替え、人生の節目を分かち合ってきた。50周年を機にハウスチャイルドさんが渡英して会い、手紙や思い出のTシャツを贈り合った。

               

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