今週のニュースダイジェスト<〜7月5日>

1週間のNY近郊の話題をチェック


<ニューヨークシティー>

1124億ドル予算 市議会と市長が合意

先月28日、ニューヨーク市のエリック・アダムス市長は市議会と2025年の新予算案に合意した。同日付CBSニューヨークが伝えた。市長は7カ月前に15%の予算削減を発表したが、早期引き締めと政府機関の効率化により回避できたと話した。1124億ドルの予算内訳は、図書館の年中無休を可能にする予算5300万ドルや手頃な価格の住宅建設費20億ドルのほか、プリKや3Kの受け入れ増に1億ドル、博物館や文化施設に=5800万ドル、地下鉄半額プログラム対象者増に2000万ドルなど。また市長は市の最優先課題の一つとして、幼児教育強化の必要性と強調した。

今月より料金変更 市内の交通機関と水道

1日より、NJトランジット、エアトレイン、水道の料金が変更された。同日付NY1が伝えた。水道料金は10年以上で最大の8.5%値上がりで、平均世帯で年間約100ドル増となる。NJトランジットは約10年ぶりに15%の運賃値上げをしたが、当局は来年度の1億ドル以上の予算不足を補うためだとする。その前の数週間、ペン駅発着のアムトラックとNJトランジットの運行に混乱が続き、乗客から不満の声が出ていた。一方、JFK空港発着のエアトレインの片道運賃は9月2日のレイバーデーまで通常8.50ドルの半額の4.25ドルとなる。

<クイーンズ>

アストリアプール 1900万ドルの改装

公立学校の夏休み初日の先月27日、昨年夏に改修のために閉鎖したクイーンズ区のアストリアプールの再開式典が行われ、エリック・アダムス市長らが出席した。同日付NY1が伝えた。築100年近いこの市内最大の公共プールは約1900万ドルかけて改修された。市内では今夏、50の公共プールがオープン予定で、開館時間は午前11時から午後7時(午後3時から4時は清掃)。現在600人以上のライフガードがいるが、監視員不足の場合はプールの一部が閉鎖される可能性がある。市公園局はライフガード不足解消のため、賃金引き上げや試験要件の緩和などを行っている。

<ブルックリン>

地下鉄Gライン 信号近代化で一部運休

先月28日から9月3日まで、ブルックリン区とクイーンズ区を結ぶ地下鉄Gラインが一部運休する。同日付PIX11が伝えた1930年代からG系統で使用されており、運行中断や遅延の原因となっている信号設備を近代化する。先月28日から5日までコートスクエア駅とナッソーアベニュー駅間、5日から8月11日までコートスクエアとベッドフォード・ノストランド・アベニュー駅間、8月12日から9月3日までベッドフォード・ノストランド・アベニュー駅とチャーチアベニュー駅間が運休となる。MTAによると、代替シャトルバスを運行し、運休中の全駅に停車させる。

<マンハッタン>

独立記念日花火大会 市が無料チケット配布

先月26日、10年ぶりにマンハッタン区ウエストサイド地区で行われるメイシーズ独立記念日花火大会のチケットを無料配布する市のウェブサイトが開始早々クラッシュした。同日付ゴッサミストが伝えた。花火はウエストサイドハイウェー沿いで無料で鑑賞できるが、25日にニューヨーク市のエリック・アダムス市長はマンハッタン区ハドソンリバーパークのピア45とピア84に設置した立ち見席のチケット1万枚を市民に無料で提供すると発表した。サイトには約5分で100万人以上がアクセスを試み、2000枚を配布した時点でクラッシュし、残り8000枚は翌27日に配布された。

<ニュージャージー>

母が娘二人を殺害 「宗教上の目的」で

ニュージャージー州レイクウッドの自宅の浴槽で1歳と3歳の娘を「宗教上の目的」で溺死させたとして、先月25日にナオミ・エルキンス被告(27歳)が逮捕された。28日付ABC7ニューヨークが伝えた。同被告によると、夫が出張中の24日に「気がかりな考え」を抱き、祈りを捧げて一夜を過ごした。25日に子供を保育園に迎えに行った後、「子供を殺さなければならない」と考え、1歳児をナイフで刺し、2人を溺死させた。その後、間違ったことをしたと気づき、救急車を呼んだという。正統派ユダヤ人が多く住む同地域の住民によると、一家は数カ月前に引っ越してきた。

<ロングアイランド>

飲酒運転で店に激突 死者4名、負傷者9名

サフォーク郡ディアパークで先月28日、車がネイルサロンに激突し、4人が死亡、12歳の少女を含む9人が負傷して入院した。1日付FOX5ニューヨークが伝えた。警察によると、スティーブン・シュウォーリー被告(64歳)は午後4時30分頃、グランドブルバードのストリップモールの駐車場を猛スピードで走行し、ハワイネイル&スパに激突。本人の命に別状はないが病院で手当を受け、飲酒運転の疑いで起訴された。死者の一人は2018年より102分署に勤務する警察官のエミリア・レンハックさん(30歳)で、その日は非番で同僚の結婚式のためにネイルをしていた。

元大統領の懐中時計 盗難37 年後に発見

1987年7月に盗まれたセオドア・ルーズベルト元大統領愛用の懐中時計が発見された。先月27日付ニューヨークポストが伝えた。名前が刻印され、約50万ドルの価値があるとされる銀の懐中時計は妹から贈られたもの。ニューヨーク州バッファローのウィルコックス邸に貸出展示されていた際、無施錠の陳列棚から盗まれ行方不明になっていた。昨年、フロリダ州のオークションハウスに持ち込まれ、鑑定により本物と判明。ひ孫のツイード・ルーズベルト氏を招き、元大統領邸だったナッソー郡コーブネックのサガモアヒル国立史跡に返還された。

<ウェストチェスター>

子犬遺棄で女を逮捕 防犯カメラ映像で特定

ウェストチェスター郡ニューロシェルで先月25日、子犬を遺棄した女が逮捕された。26日付パッチが伝えた。動物愛護団体「SPCAウェストチェスター」は26日、ニューロシェル警察の協力でマリッサ・レビー被告を逮捕、動物遺棄罪で起訴したと発表した。同被告は11日、ロータスロードでラブラドールレトリバーの子犬を車から降ろして置き去りにした。その様子を防犯カメラがとらえており、SPCAが映像をソーシャルメディアに投稿すると、同被告を特定する匿名通報が寄せられ、逮捕された。子犬は元気で「ロージー」と名付けられ、発見した人物に引き取られた。

               

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