今週のニュースダイジェスト<〜11月22日>

1週間のNY近郊の話題をチェック


<ニューヨークシティー>

不動産仲介手数料 借主から家主負担に

13日、ニューヨーク市議会はアパート賃貸の公平性に関する法律(FARE法)を42対8の拒否権発動のない多数で可決した、と同日付NY1が伝えた。同法は入居希望者が独自に仲介業者を雇わない限り、家主に仲介手数料支払いを義務付ける。市内アパートの約半数で入居者は年間平均家賃の15%の手数料を負担していると推定される。2020年にも州が同様の命令を発出したが、ニューヨーク不動産協会が訴訟を起こし撤回。同協会はこの法案により家賃が大幅に上がると反対する一方、法律扶助協会は市民の経済的障壁を取り除き、住宅の選択肢を増やすと歓迎した。

渋滞課金復活 批判を受け減額

ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は14日、6月に一時停止した渋滞課金を来年1月5日から再開すると発表した。同日付NBCニューヨークによると、渋滞緩和と公共交通機関の修繕・整備の資金150億ドルの調達を目的とし、マンハッタン区の60ストリート以南に入る車両に料金を課す。当初の15ドルが高過ぎるとの批判を受けて基本料金を9ドルとし、郊外のバス路線23以上を大幅に強化する。この制度に批判的なトランプ次期大統領の就任前の導入を目指すが、依然としてニュージャージー州のフィル・マーフィー知事や党派を問わず多くの地元議員が反対している。

<オールバニ>

看護婦も可能に 小児へのフッ化物塗布

ニューヨーク州のホークル知事は小児歯科患者へのフッ化物塗布の権限を拡大する法案に署名した。18日付ABC7ニューヨークが伝えた。同法はより多くの登録歯科助手と有資格看護師に患者の歯への局所フッ化物塗布を許可する。当局によるとフッ化物は虫歯予防に効果があり、子供の歯の健康に重要だが、反ワクチン派で、予防接種や水道水へのフッ化物添加など公衆衛生対策に反対する非営利団体「チルドレンズ・ヘルス・ディフェンス」を設立したロバート・ケネディ・ジュニア次期保健福祉省長官は、フッ化物は知能指数や骨密度の低下に関連があると主張している。

<トライステート>

有機栽培ニンジン 大腸菌汚染症広がる

オーガニック栽培のニンジンが原因とみられる大腸菌感染症が全国に拡大中だと、18日付NBCニューヨークが伝えた。CDC(米疾病予防管理センター)によると、カリフォルニア州グリムウェイファームズが生産した袋詰め有機栽培ニンジンが大腸菌に汚染され、現時点でニューヨークやニュージャージーを含む18州で計39人が感染、一人が死亡、15人が入院した。CDCは対象製品を廃棄するよう警告。同社製品はトレーダージョーズやウェグマンズなどの店で365、カルオーガニック、ネイチャーズプロミス、Oーオーガニックスなどの名前で販売されている。

<マンハッタン>

ギャング30人を逮捕 縄張り争いで犠牲多数

14日、マンハッタン区インウッド地区とワシントンハイツ地区で今年発生した銃撃事件の約半数に関与したとされるギャングメンバー30人が殺人、殺人未遂、武器所持、暴力行為の陰謀などで起訴された。同日付ゴッサミストが伝えた。銃撃事件はパンデミック中に急増、その後減少しているが、NYPDによると今年は市内全体で2019年同時期より約100件増加している。マンハッタン区のアルビン・ブラッグ検事は「全て長年の対立関係に端を欲しており、18年に起きたギャングによる殺人事件をきっかけに18件の報復銃撃事件が発生、一般人を含む七人の命が失われた」と話した。

<ブロンクス>

モデルの20歳男性 殺人容疑で逮捕

ブロンクス地区検察は16日、35歳男性を刺殺した容疑でモデルの男を起訴した、と17日付CBSニューヨークが伝えた。警察によると、10日にブロンクス区のアパートでナイフで胸を刺されたカディーム・グラントさんを発見し、現場で死亡を確認。翌11日にマンハッタン区イーストハーレム地区在住のダイナス・サクソン被告が殺人、過失致死、武器不法所持で逮捕された。同被告はカルバン・クラインやリーバイスの広告キャンペーン、ヴォーグイタリア、ロフィシャルバルティックなどの雑誌でモデルとして登場。同被告は審理中、終始無言だった。

<スタテンアイランド>

政治家らが謝罪要求 ベーカリーを虚偽批判

スタテンアイランド区の指導者らは、区内のパン屋「ホルターマンズベーカリー」が自身の左翼的政治信念を理由に商品の提供を拒否したと話したウーピー・ゴールドバーグ氏に謝罪を要求。15日付ニューヨークポストが伝えた。店側は、トーク番組『ザ・ビュー』の共同司会者が69歳の誕生日を祝うために商品を注文した際、60年もののボイラーに問題があり、同氏の政治的信条とは無関係だと主張。ビト・フォッセラ区長は15日、全国放送で145年の歴史を持つ家族経営の人気店の名誉を毀損したと非難した。同店を応援するため大勢の人々が来店し、全国から注文が殺到した。

<ロングアイランド>

ボランティア消防士 森林の放火で逮捕

サフォーク郡で山火事を起こしたボランティア消防士が逮捕、13日に放火と無謀な危険行為で起訴された。13日付FOX5ニューヨークが伝えた。メドフォード地区在住のジョナサン・クイルズ被告(20歳)は12日午後3時半頃に森林地帯で放火し、駐車中の車を損傷させた。10月初旬以来の強風や記録的乾燥により、ニューヨーク州とニュージャージー州境のジェニングスクリークなど、トライステート全域で山火事が多数発生しており、ニューヨーク州のホークル知事は12日時点で州内で山火事11件を確認、13日には火気使用禁止令を告示した。

<ニュージャージー>

干ばつ警報発令 120年で最も乾燥

ニュージャージー州のマーフィー知事は13日、2016年10月以来の干ばつ警報を発令。同日付パッチが伝えた。州森林消防局によると、6月以降の降雨量は平年より6〜10インチ少なく120年で最も乾燥しており、州北部の大規模森林火災で貯水池の水位が低下している。警報は貯水池の放水制御や、干ばつの影響が大きい地域への水の供給など、州環境保護局により厳密な水システムの管理を可能にする。ニュージャージー・アメリカン・ウォーターは顧客に強制的節水通知を発令し、春まで屋外散水を中止し、シャワー時間の短縮など水の使用制限を求めている。

NYジャピオン 最新号

Vol. 1273

トランプ大統領による新政権 第2章が遂に動き出す

米大統領選挙は今月5日投開票され、米東部時間6日午前5時30分過ぎに共和党候補のドナルド・トランプ前大統領(78)の勝利が確実となった。一方、民主党候補だったカマラ・ハリス副大統領は6日午後、首都ワシントンで演説し敗北を認めた。支持者らに向け、理想のために戦うことを「決してあきらめない」よう訴え、「この選挙結果は私たちが望んだものではない」としながらも、平和的な政権移譲が必要だと強調した。1期目とは全く異なると言われるトランプ政権2期目の行方はいかに。

Vol. 1272

リトルポルトガル味めぐり

ニュージャージー州ニューアークはポルトガルからの移民とその子孫が多く暮らしていることで有名だ。今週は日本人の舌にも合うポルトガルの味を探訪、併せてリトルポルトガルの成り立ちにも迫る。

Vol. 1271

冬に飲みたくなる、贈りたくなる ウイスキー魅力再発見

ウイスキーといえば、近年ジャパニーズウイスキーが世界で注目を集め、希少価値も上がっているようだ。ウイスキーには、シングルモルトや、ブレンデッド、グレーンなど種類によって味が異なり、銘柄ごとの個性を楽しめるのも魅力だ。そこで今回は、ニューヨークでウイスキーの魅力を再発見してみよう。