渡邉先生の教育広場

<第5章>幼児教育者が厳選! 夏の室内遊び場

多様な人種や文化の違いなど、日本人の親御さんにとって、ニューヨークで子育てすることは、時に孤独で難しいこともある。そんな方々のお力になりたい、子育ては地域みんなでするもの、渡邉先生のそんな思いを届けます。


ニューヨークの猛暑日、エアコンの効いた室内で過ごす時間を「ただの避暑」で終わらせるのはもったいない! 幼児教育の専門家が厳選したこれらの九つのスポットは、お子さんの発達段階に合わせて設計された、まさに「遊びながら学ぶ」を体現する特別な場所です。どの施設も、初めて訪れる親子が「こんな素敵な場所があったなんて!」と驚く、隠れた名所となっています。

0歳から楽しめる! NYC室内遊び場リスト

ブルックリン子ども博物館〈Totally Tots〉は水・砂・ごっこ遊びの9ゾーンで0歳から夢中になれ、毎週木曜午後2〜5時は無料(一般15ドル)。

ブロンクス子ども博物館〈The Block〉ではニューヨークミニ街探検と350リットルの巨大ウォーターテーブルが子供8ドル・大人14ドル。

メトロポリタン美術館〈81st Street Studioは世界的名画に囲まれながら素材ラボでアート×サイエンス体験が無料。

Dream Cityは6200平方フィートの木製迷路と巨大ボールプールで秘密基地気分を2時間35ドル(子供+保護者)。

Twinkle Playspaceは消防署や美容室の「ごっこ街」で社会性を育み、感覚過敏の子にもやさしい光の演出(子供20ドル・大人15ドル、2時間制)。

Good Day Play Caféは檜キューブのウッドピットと本格カフェで親子時間が充実、2時間25ドル(兄弟20ドル)。

Genius Gemsは1万平方フィートに10万枚超の磁石タイルとロボティクス体験で理系脳を刺激し、年齢問わず29・99ドル。

Sloomoo Instituteは350ガロンの「スライム湖」とDIYバーで科学実験気分、約49・98ドルで8オンススライム持ち帰り可。

The Play Labはモンテッソーリ理念のエコ空間で、ロッククライミングからツリーハウスまで異年齢混合で2時間39・5ドル(早朝25ドル)。

なぜこれらの場所が特別なのか

これらの施設に共通するのは、お子さんが「自分で選ぶ→やってみる→振り返る」という主体的な学びを体験できるよう、細部まで計算された空間設計がなされていることです。また、言語環境が整いやすいレイアウトにより、視界が広く語りかけが届きやすく、静的エリアでの深い親子対話も可能にし、さらに感覚統合と粗大・微細運動のバランスが絶妙に取れており、およそ2時間で心地よい疲労感と満足感を同時に得られる設計になっています。お子さんの発達段階に応じた刺激を与え、自然な学びを促進する教育的空間なのです。

まずは最寄りのスポットを一つ選んで予約してみてください。きっと「もっと早く知りたかった!」と思うはず。そして素敵な体験をしたら、ぜひ#PlayPassportNYCのハッシュタグで感想をシェアして、他の親子にもこの発見を広めてみてはいかがでしょう。暑い夏だからこそ、室内で過ごす時間を最高に価値のあるものに変えてみませんか?


渡邉敦子
Friends Academy of JCS
エデュケーショナルディレクター

米国にて教育学修士課程を取得。ニューヨーク州普通学級、特別支援学級教員免許、および国際モンテッソーリ協会(AMI)の資格を所持。ニューヨーク現地のプリスクールを始め、米国公立小学校や日本語学校での勤務経験が豊富。日本語での教育相談や発達に関する親御さんの悩み解決のお手伝いに尽力している。

Instagram: @kaigai_kosodate_ari

               

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