こだわりいっぱい 町のお肉屋さん
地元で愛され人々の食卓を支える町のお肉屋さん。店主が直接目利きした肉を仕入れ、常連客のリクエストに応える精肉店で購入するメリットは、いつでも新鮮な肉が手に入るのと、気のおけない店員から肉の選び方や調理法を教えてもらえることだ。本号ではそんな町で愛されている精肉店を調べてみた。
1月のトランプ大統領就任以降、「大統領令」という言葉をよく目にする。それもそのはず、執筆時の3月末現在、同大統領は100を超える大統領令に署名した。過去40年以上の間で、就任100日目を待たずにこれだけの数が署名されたのは初めてのことだそうだ。
関税、地球環境やエネルギー政策、教育に関するものから、移民やトランスジェンダーの人びとに対するものなど、その内容は多岐にわたる。正直なところ、政治に特に詳しいわけではない私は、最初の数日ですでに報道に追いつけなくなった。むしろ、矢継ぎ早に大統領令を発することで、私のように一つひとつを理解するには時間を要する一般市民の意識を錯乱させたり、感覚を麻痺させようとしているようにも思える。
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入り混じる感覚
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そもそも、米国の大統領令とは一体どういったものなのか。これは大統領が連邦政府の行政機関や軍に直接発する命令であり、議会の承認を必要としない。しかし法律と同等の強制力を持つ一方で、議会や裁判所が無効と判断する場合もあり、次の大統領が撤回することもできる。つまり、署名されたからといってすべてがその通りに実行されるわけではない。
とはいえ、すでに変化は現れ始めている。特に移民関連では、影響の大小はさまざまだが、私の周りにもこれまでのようには生活できなくなった人たちがいる。そして私自身も移民であり、懸念や不安が以前よりぐっと増えた。移民としてこの国で暮らしていくには書類や手続きが必要であり、許可されることとされていないことは以前からあったとはいえ、今はこの国で暮らしていくのに「ふさわしい人物」であるかを露骨に試されているような感覚だ。そのやり方は実に乱暴で、圧迫感がある。
このように、市井のひととしては、実態が掴めないまま次から次へと続く情報の奔流に混乱し、移民としては、現実の変化に背筋が凍る。止まらない大統領令の渦の中には、そうした異なる感覚が複雑に絡み合っている。
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生活や文化的・知的基盤も標的に
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くわえて、個人的関心のある分野に及ぶ、実に気がかりな大統領令もある。それは、博物館や図書館の運営やサービスに資金提供を行う連邦機関であるIMLS(博物館・図書館サービス研究所)の解体を試みるものだ。
私は図書館が好きで、地域の公共図書館でボランティアもしている。一般的な公共図書館は予算の大部分を地方自治体から得ており、連邦政府からの資金は一部に過ぎない。なので、この大統領令がいわゆる町の図書館に直接甚大な影響を及ぼすわけではない。
しかし、私が知るここ数年だけでも、公共図書館は度々市の予算削減対象になっており、私はその反対活動に携わってきた。つまり、市や地方レベルですでに強まっている図書館などの生活・文化的インフラを軽視する判断に、今度は国としてもゴーサインが出てしまったかのようだ。こういった事例を知るたびに、この国の優先順位が変わりつつあることを痛感するし、市民の生活と文化や知的財産の基盤が脅かされることは将来的により深刻な影響を及ぼしかねない。
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自分にとって適切な距離を保ちつつ、守るべきものを守る
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私の図書館ボランティアグループには、ニューヨークの著名な博物館で長らく働いてきたメンバーがおり、私たちはIMLS解体に関する大統領令を地域住民に周知し、地区選出下院議員に懸念を伝えるなど、個人でも可能な行動を促す活動を計画している。100を超える大統領令のニュースに埋もれてしまっているものの、この特定の事例に特に危機感を覚える地域住民もいるだろう。
先に書いたように、この数カ月、私たちは混乱させられたり感覚が麻痺させられているように思う。時には疲弊することもあるかもしれない。そういった際は、ニュースやソーシャルメディアから離れ、自分を休ませる。そして、可能な限り周囲と話し、行動を模索する──始まったばかりの現大統領任期であるが、守るべきものを守るため、できることを探し続けたい。
COOKIEHEAD
東京出身、2013年よりニューヨーク在住。ファッション業界で働くかたわら、市井のひととして、「木を見て森を見ず」になりがちなことを考え、文章を綴る。ブルックリンの自宅にて保護猫の隣で本を読む時間が、もっとも幸せ。
ウェブサイト: thelittlewhim.com
インスタグラム: @thelittlewhim
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