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今、米国の若い世代の間で1970年代後半から80年代にかけて日本で大流行したシティーポップを中心に熱狂的なファンが増えている。ブルックリン区に店を構え、レアものを揃えるフェイスレコードの間宮さんが選ぶ名曲を通して、その魅力を探ってみたい。
超一流ミュージシャンが参加したシーンを超えて愛される名盤

ALFAレコードを代表するアーティスト吉田美奈子の6thアルバム。ジーン&ビリー・ペイジがプロデュースし、バックにはギターのデイヴィッド・T・ウォーカーやワー・ワー・ワトソンをはじめ、超一流のミュージシャンたちが参加している。近年はシティポップの人気盤としても有名だが、90年代の昔からディスコやハウスミュージックシーンで人気であった。彼女の音へのこだわりは半端ではなく、そのレコードすべての録音が素晴らしいことで有名だ。兄の吉田保は山下達郎や大瀧詠一のレコーディングエンジニアであることもあって、納得のクオリティーである。
A面は冒頭の「愛は思うまま」のドリーミングな曲で始まり、バラードなども交えて最後まで一気に時間が過ぎる。吉田美奈子は1982年のアルバム『light’n Up』をはじめ、価格の上昇が止まらない。見つけたらぜひ入手してほしい。
フェイスレコード■

2018年にウィリアムズバーグ地区にオープン(営業は木曜日から日曜日の午後1時〜7時)。シティーポップをはじめ、山下達郎、竹内まりや、坂本龍一、YMOなどに代表される日本の音楽を中心に、ヒップホップや日本盤のジャズロックなども豊富に取り扱う。在庫数は8000枚、新入荷は毎週金曜日。レコードの買い取りも受け付け中。1994年に東京で創業し、現在は日本全国に全6店舗展開中。

間宮祐一
横浜市出身。脱サラし、2015年からニューヨーク在住。18年に同店をオープン。自身も筋金入りのレコードコレクター。また、ヒップホップの楽曲制作も行い、2020年に客演に『Freddie Gibbs』(グラミー賞ノミネーター)を迎えたシングルレコードを発表。座右の銘は「NO VINYL NO LIFE」。



