冬に飲みたくなる、贈りたくなる ウイスキーの魅力を再発見

ウイスキーといえば、近年ジャパニーズウイスキーが世界で注目を集め、希少価値も上がっているようだ。ウイスキーには、シングルモルトや、ブレンデッド、グレーンなど種類によって味が異なり、銘柄ごとの個性を楽しめるのも魅力だ。そこで今回は、ニューヨークでウイスキーの魅力を再発見してみよう。


ジャパニーズウイスキーの魅力

スコッチ、アイリッシュ、アメリカン、カナディアンと並び、世界5大ウイスキーと称されているジャパニーズウイスキー。ではなぜ、稀少とされ、価格が高騰し続けているのか。

海外から注目を集めるまでの道のり

1991年のバブル崩壊をきっかけに、日本は長い不況に突入した。それに伴い日本のウイスキー産業も急速に落ち込み、若者のウイスキー離れも加速していった。サントリーやニッカウヰスキー、キリンなどは、ウイスキーの生産量をぎりぎりまで減らし、なんとか耐えていたそうだ。そんな中、2001年に開催された、ウイスキーのコンペティション「ベスト・オブ・ザ・ベスト」において、ニッカウヰスキーの『シングルカスク余市10年』が総合1位を、サントリーの『響21年』が総合2位と見事トップを独占した。

スコッチ、アイリッシュなどウイスキーの本場と言われていた各国を抑えジャパニーズウイスキーが「世界一美味しい」と認められた瞬間だった。これを皮切りに、ジャパニーズウイスキーは海外の品評会で次々に受賞し、その知名度は国内外で高まっていった。

世界最高賞を次々獲得

「ベスト・オブ・ザ・ベスト」はその後、「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)」と名前を変え、12年からは、テイスト審査に加えてデザインの審査も実施。23年の大会では、テイスト分野に世界40カ国以上から史上最多となる1500銘柄以上のエントリーがあり、200人以上のエキスパートが厳正な審査にあたった。

日本からは、『竹鶴ピュアモルト/ニッカウヰスキー株式会社(アサヒビール株式会社)』が、ワールド・ベスト・ブレンデッドモルト・ウイスキーを獲得するなど3銘柄が世界最高賞を受賞。そして今年は、「白河1958」がワールド・ベスト・ウイスキーデザインに輝いた。白河蒸溜所のシングルモルトウイスキーで、イギリスはトマティン蒸溜所と宝酒造のコラボレーションにより生まれた。世界限定1500本のオフィシャルボトリングをおこなった、非常に希少なビンテージウイスキーなのだそう。

オークションでは桁違いの価格になるジャパニーズウイスキー

現在、日本のウイスキーの中で最も希少価値が高いとされるのが、サントリーの『山崎』シリーズ。抜群の知名度で世界中で人気があり、現行品ですら品切れが相続き、限定品・終売品となるとさらに高い値がついていくと言うから、その国によって価格もさまざま。中でも、サントリー最高酒齢の『山崎55年』は、2020年香港で開かれたボナムズのオークションで、620万香港ドル(約8515万円)で落札され、日本ウイスキーの最高値記録を作ったことは記憶に新しい。このウイスキーは、同年6月に同社が抽選販売により限定100本、日本国内在住の消費者向けに販売、価格は税込み330万円。山崎モルト原酒の中から、1964年蒸溜のホワイトオーク樽原酒や60年蒸溜のミズナラ樽原酒など、熟成のピークを迎えた原酒を厳選しブレンドしたものだ。さらに先月、同社はウイスキー『響40年』を100本限定で抽選販売すると発表した。今月5日から募集を開始、来年5月末に400万円で発売予定。ウイスキーの輸出増の背景にあるのは、言うまでもなく、ジャパニーズウイスキーの品質の高さで、今や世界的な酒類品評会の上位の常連だ。オークションでは、大変な高値で取引されるまでに変化した。

出典:ウイスキー文化研究所

サントリー最高酒齢のシングルモルトウイスキー『山崎55年』。クリスタル製のボトルに手漉(てす)きの越前和紙で包んだ口部を、京都の伝統工芸である組紐で結び、駿河漆を施した特製木箱に入った1本

 

『竹鶴ピュアモルト』は、甘くやわらかな香りと果実を思わせる華やかな香りの調和がとれたウイスキー。ふくらみのあるモルトのコクと穏やかな樽香や、ピートの香りを伴う、甘くほろ苦い余韻が特徴

今年のWWAワールドベストウイスキーデザインに輝いた「白河1958」。かつてモルトウイスキーを製造し、2003年に閉鎖された宝酒造白河工場にて、1958年に蒸溜された希少なジャパニーズウイスキー

               

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