今、米国の若い世代の間で1970年代後半から80年代にかけて日本で大流行したシティーポップを中心に熱狂的なファンが増えている。ブルックリン区に店を構え、レアものを揃えるフェイスレコードの間宮さんが選ぶ名曲を通して、その魅力を探ってみたい。
シティーポップのレコードとしては言わずと知れた名作
プロデューサーにはこれまた、シティーポップ王子と称される角松敏生が参加している。悪いはずがない。
ニューヨークでは特に多様な人種の、しかも若い層から人気があり、竹内まりやのバラエティーと双方をなすほどの人気具合。(いや、超えたか?)
『ウィンディーサマー』『愛が止まらない』などヒットソングのオンパレードで、スポティファイでも2000万回以上再生されている。しかし、注意点があり、スポティファイで最も再生されているヒット曲『リメンバー・サマー・デイズ』はオリジナルのLP版には収録されていない。レコード収集あるあるで、同曲は『タイムリー!!』のCDとストリーミング、そして『愛が止まらない』のレコード裏面のサイドBにのみ収録されている。もちろん当店でも入手可能である。これぞレコード収集の醍醐味であり、コレクターはそれを承知している。
フェイスレコード■
2018年にウィリアムズバーグ地区にオープン(営業は木曜日から日曜日の午後1時〜7時)。シティーポップをはじめ、山下達郎、竹内まりや、坂本龍一、YMOなどに代表される日本の音楽を中心に、ヒップホップや日本盤のジャズロックなども豊富に取り扱う。在庫数は8000枚、新入荷は毎週金曜日。レコードの買い取りも受け付け中。1994年に東京で創業し、現在は日本全国に全6店舗展開中。
間宮祐一
横浜市出身。脱サラし、2015年からニューヨーク在住。18年に同店をオープン。自身も筋金入りのレコードコレクター。また、ヒップホップの楽曲制作も行い、2020年に客演に『Freddie Gibbs』(グラミー賞ノミネーター)を迎えたシングルレコードを発表。座右の銘は「NO VINYL NO LIFE」。