ネクスト!

ミュージカル俳優/シンガーソングライター:木村飛鳥さん

ニューヨークで奮闘する日本人たち。その新しい発想、夢に向かって走る姿は、私たちを常に刺激する。今、輝いている新人に熱い思いを語ってもらい、また推薦者からの応援メッセージも聞く。


――演劇はいつから?

2歳で子役劇団に入団し、中学生で本格的に活動を始めました。声優で兄の木村昴(すばる)の影響で演劇レッスンに通い、演劇が学べるクラスのある高校に進学しました。

高校1年で初舞台に立ち、その後も演劇を続けていたのですが、卒業後に大きな事故に遭ってしまって。骨盤骨折で半年間入院し、車椅子生活を強いられました。医者には歩けるようになるのは難しいとも言われていたんです。そんなある日、兄が自分の立ち上げた劇団で車椅子の役を作るから、と舞台復帰を提案してくれました。リハビリと練習を重ねて立てた舞台で、自分の居場所はここだと確信。本気で演劇をやると決意した瞬間でした。

――来米の経緯は?

リハビリを続けて生活に支障がないほど回復し、年に10公演以上舞台に立ちました。そんな中、先がなかったかもしれない人生、一度きりだから新しいことをしたいと思うように。ここで思い浮かんだのがドラマの「グリー」で、歌って踊る登場人物たちのように英語ができるようになりたいと思ったんです。実は父がドイツ人なのに英語が喋れないことがコンプレックスで。母に相談すると「歌と芝居をしてるんだから一度NYに行って来なさい!」と提案してくれたんです。

タイムズスクエアを観光していると、ミュージカル「ウェートレス」の看板が目に入りました。気になって拙い英語でチケットを買い、すぐ見に行くことに。震えるほど感動したのと同時に、自分もこの舞台に立ちたいと強く思いました。その夜、泣きながら電話して母に思いを伝えたのを覚えています。母は一言「そう言うと思って行かせたんだよ」と。この決断に導いてくれた母に心から感謝です。

――大変だった思い出は?

演劇学校で自己分析させられるのが苦手でした。演技のシーンが終わると生徒に対して「今のどう思う?」と自己評価させるんです。日本でそんなシチュエーションないじゃないですか? 何を言えば良いか分からず、初めは愛想笑いばかりでした。クラスで外国人は私だけで言葉の壁も大きくて…。すぐに発言できないので前日に授業を想像して話す内容をノートに書き、当日当てられたらノートを見て答える、なんてことをしてました(笑)。

――やりがいは何ですか?

芝居を通して、普段知り得ないような人や環境、社会について知ることができるのが、役者の醍醐味(だいごみ)だと思います。いろんな役を大好きな歌で表現できるのが楽しいです。

――今後の目標は?

ブロードウェーキャストとして日本で凱旋(がいせん)公演するのが大きな目標です。もちろんブロードウェーの舞台に立つのが一つの夢ですが、凱旋公演で日本に行きたい。これが一番の家族孝行だと思っています。いつも支えてくれている兄と母に恩返ししたい。あと、この道に進むきっかけとなった「ウェートレス」の舞台にも出たいですね。

 

 

 

 

木村飛鳥さん

1996年生まれ。
幼少期から演劇を学び、2013年から舞台に出演。
19年にNYのHB Studioに入学。
21年シングル曲「PUZZLE」をリリース。
Instagram: @sunshine_potatogirl_


 

『新人の日常チェック!』
彼らは日常をどうやって過ごしているのか。仕事場、オフの姿を追う。

 

レコーディング風景。昨年、シングル曲「PUZZLE」をリリースした

 

HB Studioにて。ウタ・ハーゲン・メソッドを基礎にいろんなシーンで活躍できるスキルを学んでいるという

 

年末から正月にかけてニューヨークに遊びに来てくれたという兄。最大のライバルであり、最高の兄、役者だと話す

               

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