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困難に立ち向かい、今を全力で生きる日本人ビジネスパーソン。名刺交換しただけでは見えてこない、彼らの「仕事の流儀」を取材します。
※これまでのビジネスインタビューのアーカイブは、nyjapion.comで読めます。
在住日本人の生活を支える日系スーパーマーケット「サンライズマート」や「ジャパンビレッジ」などを展開する「ヨシダレストラングループ」COOの好田絵里奈さん。
現在は同グループが手掛けるカクテルバー、居酒屋、パン屋を管轄しながら、2018年にオープンした「ジャパンビレッジ」では責任者としてオペレーションを担っている。
「初めは父の会社で働くつもりはなかったんです」と好田さん。「ヨシダレストラングループ」は父である好田忠夫氏が経営することから、学生時代に事務を手伝うこともあったが、そこに頼らず、「自分で何かを探したい」という思いが昔から強くあったという。
自ら切り開いてきた道を生かして
大学時代は日本へ留学し、国際経済、アート、環境問題を学び、バックパッカーとしてボランティア活動したこともあったという好田さん。ニューヨークに帰国すると、サステナブル建築会社でのデザインプランニング、大手化粧品会社でのマーケティングなどに従事するが、ちょうどそのころ忠夫氏から「会社を手伝ってくれないか」と要請を受けたことで、ついに入社を決意する。
「当時働いていた会社で昇進の話もあったので悩みましたが、父が助けを求めてくることは初めてだったんです。いろいろ経験を積んだ今なら私も貢献できるかもしれないと思いましたね」。
運命には逆らえず同社で働くこととなるが、化粧品会社で学んだ商品管理を行うインベントリーの知識はレストランとバーの在庫管理システムに、プランニングの経験はイベント企画へと存分に生かされた。多数店舗を展開する同グループでは店舗によってそれぞれサービス内容、メニュー、客層、トレーニング方法も異なる。だが現場に入ってたたき込み、次第にマルチタスクや優先順位を判断するタイムマネジメントスキルの習得にもつなげていった。
同社で働くようになって9年。「今でも学ぶことはいっぱいあるんです」と話すその表情は、充実感に満ちている。
奔走したコロナ禍の先に
昨年のパンデミック初期には、「何かできることをしたい」という思いに駆られ、地域で食料確保に困窮するシニアへ向け、お弁当を無償で自らデリバリーするなど奔走した。すると、JAAや領事館、ボランティアなど次々に協力してくれる人が現れ、「“コミュニティー”の温かさに触れることができた時期だった」とも語る。
州による規制もだいぶ緩和された現在だが、人員不足のためインドア営業に限定しているそうで、「予想よりもスタッフの戻りに時間がかかっています。コロナがあったことで、ホスピタリティー業界はスタッフの雇用形態を今一度考える必要がありますよね」と課題も投げ掛ける。
この冬に向けては、ジャパンビレッジで日本酒や屋台おでんのイベントを催す予定だといい、「毎日やることが尽きませんが新しいことに挑戦できるのはありがたい。クリエーティビティーを忘れずにいたいです」と好田さん。
プライベートでは料理、ピラティス、ボクシングと多趣味な一面を持つ好田さんだが、まだまだしばらくは仕事に打ち込む時間が続きそうだ。
好田絵里奈さん
「Yoshida Restaurant Group」COO
来米年: なし(米国生まれ)
出身地: ニューヨーク
好きなもの・こと: 料理、ボクシング、スキー
特技:初対面の人と話すこと
ニューヨーク生まれ。
早稲田大学卒業。
21世紀美術館、建築会社のアイビームデザイン、ロレアルなどに勤め、2012年から現在のビジネスに携わる。
昨年始めた「弁当プロジェクト」で、ニューヨーク日系人会(JAA)の113周年記念ガラの功労賞を受賞。
Instagram: @erinayoshida_
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