毎日働き続け&#
ゴルフのけが予防とピラティス(Vol.44)
現代に生きる老若男女が健康でいるための生活のポイントを、カイロプラクターのドクターベルモンテが教えてくれる連載。
マシンピラティスのすすめ左右のバランスと体幹強化
そろそろ夏も終盤ですね。ゴルフに適した季節がやってきます。私は男女PGAツアーの専属カイロプラクターをしていた時期が長く、近年もツアー同行の依頼を受けることがあります。ですので、ゴルファーの体のメンテナンスと治療は得意分野。それもあってか、当院にはプロ・アマ問わずゴルファーがたくさん来院されます。
随分前にこのコラムで書きましたが、ゴルフほど体の左右バランスが崩れるスポーツはありません。腰と背骨を一方向に繰り返し回転させるのがゴルフです。一瞬のスイングに、首から肩、腕、手首、背中、腰、足先までの全身を使います。テニスや野球、サッカーなど、どんなスポーツも利き手、利き足はありますが、ゴルフはそれが極端なのです。一見のんびりコースを歩いているように見えますが、実は体に相当な負担がかかっています。
したがって、ゴルフを楽しみたいなら日頃から体の左右バランスを整える努力をしなければ、遅かれ早かれ体のどこかが痛くなったり、不調を来したりします。そこで勧めたいのが、ピラティス専用マシン(リフォーマー)を使って行うコンディショニング運動です。
当院ではこの専用マシンを使い、ピラティス・インストラクターの牧野あきこ先生が、個々のペースと体のコンディションに合わせ、個人指導を行います。ゴルファーはもちろん、一般の患者さんにも大変喜ばれています。
マシンと「遊ぶ」感覚
ピラティスとは、20世紀初頭にドイツ人のジョセフ・ピラティスが提唱した身体調整法で、内層筋肉と体幹を強化し、柔軟性を高めるローインパクトの運動です。ゴルフで偏った体の左右バランスを整えるには、非常に適したエクササイズといえます。
ただ、基礎体力や体幹強化といったコンディショニングは、それ自体は特に楽しいものではありませんよね。週末だけ「楽しみたい」アマチュアゴルファーたちが、「面白くない」からとおろそかにしがちなのがコンディショニングです。
ところが、マシンピラティスはマシンと「遊ぶ」感覚があるため、それ自体が「楽しい」と言ったら、皆さん、ちょっと興味が湧きませんか? 楽しみながら体を整え、けがを予防できるなんてまさに一石二鳥です。
当院に来られる患者さんで、テニスとゴルフを楽しむ超アクティブ派の女性がおられます。この方、「(床でやる)ピラティスやヨガは、私には向いていませんでした。面白くなくて、長続きしないんです。ところが、パンデミック中に始めたマシンピラティスにはハマりました。結構チャレンジングで、先生とのやりとりも含めてレッスンが楽しみになり、続けているうちに腰痛や肩凝りが軽減していました」と話してくれました。
ウィークエンドウォリアーには、ぜひマシンピラティスで楽しくコンディショニングに取り組んでほしいと思います。ひいてはそれが技術の向上と、スコアのアップにもつながり、そうするとゴルフがもっと楽しくなりますよ。
カイロの定期メンテも
ところで、私はカイロプラクターなので、ゴルフをする人には定期的にカイロ治療をメンテナンスとして受けてもらいたいと思っています。専属のトレーナーがいないアマチュアゴルファーならなおさらです。週末に思う存分ゴルフを楽しむためにも、けがの有無にかかわらず定期的に来院し、体の状態を把握し、メンテナンスをしてほしいです。
カイロプラクターの役割は、凝りをほぐし、筋肉の柔軟性を取り戻し、運動能力を回復させること。当院では、必要に応じて鍼治療やマッサージも受けることができます。
ジョン・J・ベルモンテ 先生
John J. Belmonte, DC
E. 53 Wellness院長。カイロプラクター(Doctor of Chiropractic)。全米カイロプラクティック協会会員、ゴルフPGAツアー・スポーツ医学チーム所属。アスリートのけがの治療、妊娠中の痛みの緩和、成長期の子供のカイロ治療も手掛ける。
E. 53 Wellness
211 E. 53rd St./TEL: 212-980-4211
e53wellnessnyc.com
今月の教訓!
「男性は柔軟性、女性は筋肉強化」
左右の稼働差が激しいゴルフでは、体のバランスを整えることがけが予防とスコアアップにつながります。あくまでも一般論ですが、男性は体が硬い人が多いのでストレッチで柔軟性を高め、女性は筋力強化を図ることがけが予防に有効です。それでもけがはするかもしれません。今回紹介したマシンピラティスは、けがの予防だけでなく、回復(治療後のリハビリ)にも効果があります。運動療法である理学療法と合い通ずるものがあります。
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