巻頭特集

一度は体験したい クルーズ船の旅

<ちょこっと乗ってみた豪華クルーズ船「特別試乗体験記」>「一度乗ったら病みつきになる」と言われるクルーズ船だが一体、船内はどうなっているのだろう? ジャピオン記者Nが試乗してみた。

今回、取材したのはロイヤル・カリビアン社が保有 する世界最大級の豪華客船 「オアシス・オブ・ザ・シーズ号」(以下「オアシス号」と略。船のスペックは囲み記事を参考)。

ニュージャージ州のベイヨン港で一時帰港中の合間を縫って同社PRのディエ ゴ・ヴェレスさんが案内し てくれた。一般的日本人の記者Nにとっては初めての体験。

まず驚くのは、17 階建の 船内構造。まさに浮かぶホテルなのだが、船室は「コの字」型に配列されており、中間におしゃれなレストラン街「ボードウォーク」と 1000本以上の生木が植わる憩いのスペース通称 「セントラルパーク」がある。おかげで海に面していない船室でも圧迫感は皆無。それどころか、中庭を望む内側の部屋から臨む風景も趣に溢れ、ちょっとしたコミュニティー感覚がある。

「わが社自慢の『ネイバ ーフッド(ご近所)』というコンセプトです」と笑顔で話すディエゴさん。文字通り「暮らすように味わう船の旅」だ。船室に当たり外 れはなし、である。

とはいえ、最上階に並ぶ 海に面したスイートルームは、圧倒的にゴージャス。ベ ッドルームが次の間やデュ プレックス上階にあったり、と贅を尽くしている。最大8人まで泊まれ、アニバーサリーやビジネス接待にはもってこいである。

オーシャンビューのバルコニー付きスイート

「オアシス号」の売りは、 巨大なスケールと豪華なエ ンターテイメント。船首に あるアクアシアターでのウォーターショーをはじめ、 屋内劇場でのブロードウェイミュージカル。施設はどれも手加減ないデザインでおよそ船上とは思えない。 ライブ専門クラブでのバンド演奏も一流だ。映画館、ゲームセンターも充実しており1航海ではとても見切れない。

アクティビティーの多さでも群を抜くそうだ。名物 のウォーター・スライダーは4階の高さから螺旋状 に急速下降。人口波を使っ たサーフィンもあれば、フルサイズのバスケットボールコートまである。度肝を抜くのは船内アイススケート場。大海原と氷という陸 上ではありえない取り合わせが、否応なくファンタジ ーの世界に誘う。これらが全てクルーズ代金に含まれていて、無料利用できる、というのは嘘か誠か? 「何言ってるの!ウソなわけないじゃないですか!」とディエ ゴさんは大笑いした。

スポーツ施設も充実。アイススケートリンクまで

気になる食事だが、酒類 と一部例外を除いて全てインクルーシブ。メインダイニングは、映画「タイタニック」そのもののセレブ感がい っぱい。お寿司や鉄板焼き、 ステーキなどの専門店もずらりと並ぶ。そのほか 24 時間いつでも食べられるビ ュッフェや軽食堂も数多。その一つ、でランチを試食させ ていただいたが、食べ放題とは思えないほど上品なメキシコ料理で日本人の口にも合いそうだ。

吹き抜け天井が爽快な豪華メインダイニング

運動不足が心配な人向きには船内を一周するジョギング用トラックやフィットネスセンターも完備。スパや自然食カフェもありがたい。全体的に清潔・モダン・合理的・快適な印象を受けた。

とりわけ好感度が高いのが船員やスタッフのサービス。アジア系の方々を中心とした彼ら彼女らはちょっと目があっただけでも満面の笑顔を返してくれる。お客様をハッピーにさせるためのホスピタリティーが行き届いている。ほんの束の間の航海時間だけど「大事な人」として扱ってくれる。それもクルーズの魅力なのだろう。

 

               

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