読者のコロナ禍生活レポ(ニュージャージー編①)

編集部が足を運べない、ニューヨーク市外のさまざまなエリアに在住の読者に、街の様子や生活の変化を伺います。

第3弾は、ニュージャージー州ジャージーシティーで暮らす、絵馬蔵(えまぞう)さんにインタビューしました。ニューヨークと隣接していながらも、州をまたぐと、事情もいろいろ変わってくるようです…。

 

絵馬蔵さん

ニュージャージー州内の日系メーカーに勤務。先日実施した読者アンケートで「外出自粛発令の直前に引越しを完了した」というエピソードを披露してくれた。

 

 

Q: ニューヨーク州との違いは感じる?

マスク無しでは出歩けず、公共交通機関も利用できないのはニューヨークと同じですよね。ただ、ニュージャージー州は他州と比べて、対応が後手に回っている気がしてなりません。パンデミックが深刻化してから動き始めたような…。事態はある程度落ち着いているはずなのに、「ますますひどく」なっているような雰囲気を感じるのはなぜなのでしょう…。

州内の公園に入ることができないのも同様だと思います。近所の公園はには木枠で入り口が封鎖されており、かつ入り口で警官が見張っています。理由があって中に入る人には「ベンチで休まないように」など声を掛けています。なので近隣住民は、公園の外周に沿って歩道をジョギングしていますね。結構人口密度が高い気がします。

ニューヨーク、特に市内との違いは、車を持っている人が多い点。人と接触しないで済む移動手段として、車を運転している人が多いと思います。外出自粛になってからも、交通量は増えているのではないでしょうか。

Q: 自宅勤務中とのことですが、実際に始めてみていかがですか?

アメリカにある日系企業「あるある」だと思うのですが、勤務ルールの変更は、ローカル企業に比べて遅れ気味だったと思います。アメリカ人の社員は割と勝手に対応していたのですが、私たち日本人社員の対処については、外出自粛の直前ごろにようやく「このまま行くとまずい」と気が付いたようです。

自宅勤務は「永遠に仕事中」であるかのような、ある種の強迫感がありますね(笑)普段の電車通勤に往復1時間30分ほどがかかるので、その手間が省けたと最初は喜んだのですが、逆に「オフィスを出る」という、業務終了のタイミングがなくなってしまったことに気付きました。今は、夜が長くなる傾向にあるので、朝9時の始業を厳守し、昼は必ず1時間、休憩を取るようにルールを定めています。

経理という間接部門は、工場が閉鎖しても仕事は減らず、むしろ諸方面への対応などの業務が増えている気がします。終息期間が不明で、工場側の見通しも立たず、不安ですね。私たちの業務が一息ついたら、日本の本社が立ち上がってくるという負のサイクルも、「あるある」でしょうね(笑)

運動不足で血流が悪くなっているのか、体がだるく感じるので、2日に1回は外に出て散歩やジョギングをしたり、毎日ストレッチをするようにしています。病院にもなかなか行けないので、自分でどうにか健康管理をしなければと思っています。

 

Q: 今、関心があることは?

出回っている情報は何が正しいのか、という不安があります。「スーパーでマイバッグを持参したら菌が残ってしまう」という声を聞きますが、そもそも長時間付着するのか分かりませんし、スーパーによっては依然エコバッグを推奨しています。その点、日系スーパーは割と早期にビニール袋を放出していたので、ローカルのスーパーよりも臨機応変に対応していたように思います。

あとは、歯科矯正中で矯正器具を新しくしないといけないのですが、歯医者が早々に閉まってしまったことですね…。仕方のないことですが、矯正の期間が延びるのは困りますね。

関連記事

お引越し

新年度スタートの今頃から初夏にかけては帰国や転勤、子供の独立などさまざまな引越しが街中で繰り広げられ

NYジャピオン 最新号

Vol. 1244

オーェックしよ

コロナ禍で飲食店の入れ替わりが激しかったニューヨーク。パン屋においても新店が続々とオープンしている最近、こだわりのサワードウ生地のパンや個性的なクロワッサン、日本スタイルのサンドイッチなどが話題だ。今号では、2022年から今年にかけてオープンした注目のベーカリーを一挙紹介。

Vol. 1243

お引越し

新年度スタートの今頃から初夏にかけては帰国や転勤、子供の独立などさまざまな引越しが街中で繰り広げられる。一方で、米国での引越しには、遅延、破損などトラブルがつきもの、とも言われる。話題の米系業者への独占取材をはじめ、安心して引越しするための「すぐに役立つ」アドバイスや心得をまとめた。