こだわりいっぱい 町のお肉屋さん
地元で愛され人々の食卓を支える町のお肉屋さん。店主が直接目利きした肉を仕入れ、常連客のリクエストに応える精肉店で購入するメリットは、いつでも新鮮な肉が手に入るのと、気のおけない店員から肉の選び方や調理法を教えてもらえることだ。本号ではそんな町で愛されている精肉店を調べてみた。
モデルやクリエーターに関する州条例は、今年6月に施行予定。それは一体、何を私たちに示しているのだろうか
この連載コラムで書いたことはなかったけれど、実は私はファッション業界に携わっている。ニューヨークで大学に戻りファッションマーケティングを学んだのち、営業を中心に複数のブランドで働いてきた。会社員を経て、今はフリーランスで比較的新しい小さなブランドを担当している。
スモールブランドにいると、自分の担当範囲を超えて、ブランド全体のさまざまな業務が見えやすくなる。そういった中で、今年6月に施行予定の州条例があると耳にした。
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モデルやクリエーターの労働環境、そしてAI
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それは“New York Fashion Workers Act”と呼ばれる条例だ。その名を聞くと業界で働くすべての人々が当てはまりそうだが、実際には主にフリーランスのモデルやクリエーターの権利保護が目的である。エージェンシーやマネジメント会社に対し、労働契約の透明性向上、支払いの明確化、搾取的な契約の禁止を求める内容が含まれている。
くわえて、AIやデジタル技術に関する規制も明記されたことは画期的と言える。特に、モデルやクリエーターの画像・映像・データがAIによって無断使用されることを防ぐため、適切な同意や補償を求める規定が設けられている。さらにはAI生成コンテンツが労働者の仕事を奪うリスクも議論されており、たとえばバーチャルモデルの導入といったAI利用の急速な拡大に伴い、透明性と公正な報酬の確保を求める声が高まっているのがうかがえる。
私自身はモデルやクリエーターではなく、そういった人たちと最も近い距離で働いているわけでもない。しかし、かれらの健全な労働環境が侵されかねない状況は、業界内にいる者の実感として想像に難くない。一方で業界外から見たら、ファッション業界の「外向き」の見え方を担うモデルやクリエーターは華々しく映るかもしれない。そういった人たちの労働のあり方が、ファッションウィークで知られる大きな街を抱える州議会で議論されたのは、その規模と影響力を考慮すると極めて重大な意味を持つ。それは同時に、当然守られるべきものがないがしろにされてきた実情を世に向けて明らかにする動きとも言えるだろう。
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大手ファッション企業のサステナビリティーと社会的責任
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並行するように、州では通称“New York FashionAct”も進められている。この法案は、サステナビリティーと企業の社会的責任に重きを置く。大手ファッション企業(年間収益1億ドル以上)に対し、サプライチェーン全体の環境・社会的影響の開示を義務付け、炭素排出量の削減、労働者の権利保護、倫理的な原料調達の実現を求める内容だ。遵守しない企業には罰則が科される可能性があり、まずは大手から、ファッション業界の透明性と責任を強化することが狙いである。
ファッション産業では、原料調達・生産・流通・販売などの各フェーズをグローバルに展開するのが今では当たり前である。しかし実際に働いていると、その過程はどれも気が遠くなるほど煩雑で、そして各段階で人的労働に大きく依存する。新しさやクリエーティビティーが溢れるこの業界の本質は、実に古典的な製造業でもあり続ける。であれば当然、スピードと量を重視する今の傾向とはアンバランスであり、地球環境や人権に悪影響をもたらすのは不可避である。自分が身を置く業界だからこそあえて辛辣に言うと、倫理的な矛盾を抱えたビジネスのあり方を無理矢理に強行し続けているのだ。
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業界特有の現状を知り、あるべき姿を描き直す
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サステナビリティーや社会的責任が後回しになっている実情は、おそらくどの業界にも、それぞれのビジネス特有のあり方の奥に潜んでいるだろう。
その中で、ファッションキャピタルの一つであるニューヨークでの二つの取り決めは、決して完ぺきな改善策といえるわけではないものの、業界内外でファッションビジネスのあるべき姿をより真剣に模索するきっかけになる可能性を秘めている。今後の動きにも注目していきたい。
COOKIEHEAD
東京出身、2013年よりニューヨーク在住。ファッション業界で働くかたわら、市井のひととして、「木を見て森を見ず」になりがちなことを考え、文章を綴る。ブルックリンの自宅にて保護猫の隣で本を読む時間が、もっとも幸せ。
ウェブサイト: thelittlewhim.com
インスタグラム: @thelittlewhim
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HISと日系メディ
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