こだわりいっぱい 町のお肉屋さん
地元で愛され人々の食卓を支える町のお肉屋さん。店主が直接目利きした肉を仕入れ、常連客のリクエストに応える精肉店で購入するメリットは、いつでも新鮮な肉が手に入るのと、気のおけない店員から肉の選び方や調理法を教えてもらえることだ。本号ではそんな町で愛されている精肉店を調べてみた。
大統領就任式で最前列に並ぶテック系の大富豪たちの姿に衝撃を受けつつも、その光景をソーシャルメディアやテクノロジーを通じて目にしているという皮肉を、うまく咀嚼できずにいる
第二次トランプ政権の誕生に伴い、ソーシャルメディア関連の話題が後を絶たない。Metaがファクトチェック廃止を発表し、誤情報・偽情報やヘイトスピーチの更なる蔓延が懸念されたり、TikTokが国家安全保障を名目に米国内でサービスの一時停止と即時再開を経験したりと、実に目まぐるしい。
くわえて、2022年に約440億ドルでTwitter(現X)を買収したイーロン・マスクに役職が与えられたことは、ビリオネア層を優遇する新政権を象徴する事例と言える。これは、今月20日に執り行われたトランプ大統領就任式に出席した、ソーシャルメディアやテック系企業のCEOや創業者たちの姿からも明らかである。閣僚たちよりも前の席に連なり注目を集める彼らを示す、テック・ブロとオリガルヒ(寡頭政治)を合体させたbroligarchyという言葉まで生まれたほどだ。
しかもその大富豪たちを写し出しているのはスマートフォンで、その画像はソーシャルメディアで無数に拡散される。この構図を前に、私たちは何を感じ取ればいいのだろうか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「とはいえ」「けれども」…どうしてもかばってしまう
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いわゆる世代論にあえてなぞってみると、私は、ソーシャルメディア、ましてやスマートフォンなど存在しなかった頃もよく知っている世代。しかしそれにもかかわらず、今では「ソーシャルメディアがない状態が想像できない」と感じてしまう。おそらく自分より若い世代とさして変わらないほどに、ソーシャルメディアが日常に溶け込んでいると認めざるを得ない。
しかも、ソーシャルメディアの問題点は今までもさまざまな角度から論じられてきたものの、それらを一般利用者として考える際、「とはいえ」論や「けれども」論を続けてしまう。たとえば、「ソーシャルメディアは人びとの情報と生活を乗っ取っている」と聞くと、「とはいえ、幅広い情報に触れ、個人として発言する機会も得た」とムキになる。また、「ソーシャルメディアは人びとの不安を煽り、メンタルウェルビーイングを乱している」と言われると、「けれども、それまで知らなかった素晴らしい人や考えと出会うこともできた」と必死になる。そう、私はなぜかソーシャルメディアをかばう切実な声を響かせてしまうのだ。
今も、こういった「とはいえ」論や「けれども」論を完全には否定はできない。しかし、そうやってかばってきたソーシャルメディアやさまざまなシステムを私たちに売り続けてきた特定の個人たちが世界の大富豪として名を連ね、挙げ句の果てに政権に近づき少数独裁政治的とも見える力を持つようになる現実を見せつけられても、私はムキになったり必死になりながらソーシャルメディアにしがみつきたいのだろうか。私たちはいよいよ本当に乗っ取られ、これからも煽られ続け、そしてそれを許すしかなくなるステージに達してしまったのではないだろうか。「ない状態が想像できない」と思わされることこそがまさに支配の完了だと気づいても、もう遅いのかもしれない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「功」と「罪」の歪んだバランスを認識し、始める抵抗
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
最近、「功罪」という言葉についてよく考える。辞書をひくと、「積極的に良かった点(建設的な面)と、害悪を流すと見なされる点やマイナスと考えられる点」と出てくる。
ソーシャルメディアは、人びとの繋がり、多様な視点を知る機会や、個人の発言の場を提供してきた一方で、誤情報・偽情報やヘイトスピーチの蔓延を許容し、その頂点に立つ者たちに領域を超えた力を与えてしまった。「とはいえ」や「けれども」といって「功」にしがみつくことで見逃してきたソーシャルメディアが持つ「罪」──そのバランスは、もう圧倒的に歪んでしまっているように見える。
今更ながら、友人の助言もあって、スマートフォンでソーシャルメディアアプリの使用時間制限を設定した。完全な決別はまだ想定していないとはいえ、まずは自分の手元でささやかな抵抗を始める。これに意味があるのかすら不確かな状態で、私たちは日々選択を繰り返していく。少なくとも、「もう遅いから何もしない」という選択だけは避けたいと今は思っている。
COOKIEHEAD
東京出身、2013年よりニューヨーク在住。ファッション業界で働くかたわら、市井のひととして、「木を見て森を見ず」になりがちなことを考え、文章を綴る。ブルックリンの自宅にて保護猫の隣で本を読む時間が、もっとも幸せ。
ウェブサイト: thelittlewhim.com
インスタグラム: @thelittlewhim
「命をかけた&#
1月のトラン&#
HISと日系メディ
こだわりいっぱい 町のお肉屋さん
地元で愛され人々の食卓を支える町のお肉屋さん。店主が直接目利きした肉を仕入れ、常連客のリクエストに応える精肉店で購入するメリットは、いつでも新鮮な肉が手に入るのと、気のおけない店員から肉の選び方や調理法を教えてもらえることだ。本号ではそんな町で愛されている精肉店を調べてみた。
デザイナー・Sayaka Tokimoto-Davisさんが案内! 最新おしゃれ「ダンボ」
ニューヨークを拠点に「SAYAKA DAVIS」を立ち上げ、日本と米国でデザイナーとして活躍するSayakaさん。洋服だけに限らず、ジュエリーやアートなど、止まることを知らない物作りへの情熱と、アーティストを応援する地元コミュニティーへの愛…。そんなSayakaさんに、ご自身のブランドとブルックリン区ダンボ地区への思い、そしてお気に入りスポットを語っていただきました。
4月22日は国際アースデー 今こそ立ち上がろう環境保護サポート
4月22日はアースデー。それは、地球が直面する深刻な環境問題に注目を集め、行動を起こすことを目的とした日。気候変動や海面上昇、異常気象などがますます深刻化する今、この日に合わせて世界各地でさまざまな団体や企業がその危機に歯止めをかけるためのアクションを起こしている。この機会に改めて、今向き合うべき環境問題について考えてみよう。
私たち、こんなことやってます!
気になる企業を深掘りする連載企画。今回はパークサイド・デンタル&インプラント・センター のフィリップ・カン先生とグローバル・ファティリティ・アンド・ジェネティクスの不妊治療コーディネーター 岡本朋子さんにインタビュー。